先日観劇してきた千と千尋の神隠しの舞台。
3月中にはupしたかったのですが、前回の大きな流れさえも長文になりすぎて遅くなってしまいました。
さてさて、そんな今回は気になったあれこれについて...
語弊がありそうなので、前置きしておきますと、ネガティブな意味での"気になった"ではなく、本家でのこのシーン、今回の演出ではどうやって表現するのだろう?!と気になっていた部分、そして今回の舞台と本家オリジナルで気が付いた差分についての備忘録になります。
(日が空いてしまった関係で、後半戦はうろ覚えです...
)
ではでは、順を追ってストーリー通りにひたすら列挙していきたいと思います!
ここからは完全なるネタバレになりますので、まだ本家(アニメーション)も今回の舞台もご覧になっていらっしゃらない方、まだ知りたくない..!という方は、ここで引き返して下さい!!
(そして、今回の備忘録は恐らく相当マニアックなものになるかと思います)
~冒頭~
千尋のお母さん凄く良い感じでした!
私の記憶にあったお母さんと凄く近い印象でした!
でも、ちょっと強めな雰囲気が全面に押し出されている印象で、改めて本家DVDを確認してみると、思っていたより優しさが含まれている印象でした。
(でも当時の私には、今回舞台で感じた強めなお母さんの印象があったので、逆に今回DVDを確認して意外でした!!千尋目線から、お母さん目線に移りつつある...?と若干不思議な心境です)
そして、お母さん、ナイスなところとして、千尋役の橋本環奈さんよりずっと身長が高い方だったこと。
遠目から見て、千尋が小学生という設定が無理なく最初に飲み込める配役でした!(やはり同じ身長だと、小学生の親子という関係性は気になってしまいますよね…)
お父さん役のキャストの方も大きく、橋本環奈さんは152cm、お母さん役の妃海風さんは164cm、お父さん役の大澄賢也さんは176cmとのことでした。
(湯屋のメンバーについては元々人間じゃない、という役柄なので、あまり身長は気になりませんでした)
そしてびっくり、何とお母さんとリンが同じ方が担当されているという...!!
(観劇前にキャスト確認した際に書いてあったのに、すっかり忘れてしまっている程、きちんと演じ分けされていました)
続いて千尋のお父さんについて。
個人的にちょっとお調子者の気があるお父さんという印象があったので、キャストの方が格好良い系お父さんの発声で驚きました...!
(因みにこの方は、カエル男の兄役兼任でした)
~トンネルを抜けた後~
千尋一家が油屋側の世界に迷い込んだ直後、本家(映画)では草原の中を歩きながらお母さんが"気持ち良いとこね~、車の中のサンドイッチ持って来れば良かった"と言うシーン。
ただ、今回同シーンは舞台の真ん中に既にお店となる建物もあり、若干薄暗い怪しげな世界観...
個人的には、爽やかな草原感がない場面だったので、ちょっとだけ気になりました。
でも、飛ばすことが出来ない重要な台詞だったという判断だったということですね!
続いて気になったのは、食べ物屋さんで両親がご飯を食べるシーン。
彼の有名な豚になるシーンですね。
舞台ではお母さんが左、お父さんが右で食べているのを背後から見ているような構図でした...が、いや、逆じゃ...(いちいち細かくてすみません)
本家では正面から見てお母さんが左、お父さんが右、となります。
(本家は食事シーンが正面から映っているので、印象的には良いかもしれません?)
こんな出だしから、細かいところを突っ込んでおりますが...
人物の配置構図が逆転することはこの後も多々ありました。
(実際には登場する上手下手に依存するところもあるので、やむを得ないと思います)
~ハクとの出会った後~
続いて、千尋がハクに手を引かれて、様々な所を駆け抜け、最後に豚舎を駆け抜けるシーン。
今回の舞台では、最後に通った扉に"屠殺場"という文字がドドンと書かれており、ちょっとびっくりしました。
本家では直接的にその表記はなかったので、もし千尋が本当に通っていたのだったら...とちょっと驚きました。
その後の橋を息を止めて渡るシーンでは、ちょっと説明を兼ねて本家ではなかったオリジナルの台詞が多めに追加されていたのが印象的でした。
(本家では、息を止めて渡らないと店の者に感づかれてしまう、という趣旨のみでしたが、今回はお客様に紛れて行く、というニュアンスの台詞が入っていました)
~釜爺登場後~
続いては釜爺が登場するシーン。
本家の釜爺は、ボイラーに向かって正面に居り、ひたすら薬を煎じている印象が強く、要所要所で正面からの構図になる...そして、全くノールックで腕だけ伸ばし、真後ろの棚から薬草をと記憶が印象的であった為、舞台の構造上ずっと正面からの釜爺が若干不思議に感じてしまいました。
(でも、あの釜爺の腕を数人掛かりでアナログ再現し、観客に魅せるのであれば正面からの方が良さそうですね!)
その後リンと一緒に湯婆婆の所へ向かうことになった千尋。
ここで舞台演出上、確か靴のまま上がろうとしリンに窘められ、時間を掛けて靴と靴下を脱いでいた気がします。
本家だと千尋は自分から靴を脱ぎ、靴下で上がりそのまま靴を持って行こうとした際に、リンに"靴なんか持ってどうするんだ、靴下も!"と言われ慌てて靴下を脱ぎます。
本家では冒頭から駄目駄目感満載の千尋ですが、その部分が今回の舞台では少し薄かったように感じていたので、ここで纏めて千尋の駄目駄目感(どんくささ)を押し出したのかしら?と勝手に考察しながら観ておりました。
~湯婆婆対面後~
場面は少し飛んで、千尋が湯婆婆と契約をするシーン。
ここでもオリジナル演出が追加されていました。
本家では"贅沢な名だね"と湯婆婆が言い、そのまま契約書上の"千"以外の漢字を奪い、"今からお前の名前は千だ"と言い放ちます。
この部分が若干補完され、演出では千尋が署名した文字が小道具で4文字とも可視化されており、先ず苗字の2文字だけを奪います。
理由も、もう家族は居ないから、といった内容が付けたされており、その後千尋の"尋"が奪われ、残る文字は"千"だけに。
その際、千尋が"千(ち)?"と言い、間髪入れずに湯婆婆が"千(せん)だよ"とツッコミを入れます。
文字の演出を少し長め&コミカルにしたようです。
(確かに本家だと、かなりサラッと名前を奪いますものね...)
~大部屋へ移動後~
リンに連れられ大部屋へと来た千、作業着を用意して貰っている間に気持ち悪くなってしゃがみ込んでしまい、同じ部屋の従業員にうるさいと文句を言われてしまったシーン。
ここでも舞台オリジナルの台詞がちょっとだけ追加になっていました。
詳細な台詞までは思い出せないのですが、ニュアンスとしては、
従業員:"気持ち悪いならば寝れば治る"
リン :"それもそうだな、寝れば治るか"
みたいな感じでした。
~大部屋で迎えた初めての朝~
豚になった両親に会いに行く為、ハクとの待ち合わせ場所である橋に向かう途中、両親のいる豚舎が見えた際には場面説明の台詞が追加されていたり、本家で台詞なしのところにオリジナルの台詞が追加されたり、逆もまた然り。
そして、オリジナルの台詞と言えば、本家では少なかった油屋で働くカエル男やナメクジ女達同士の会話が多く追加されていたこと!
元々は本家でもこんな台詞も構想に入っていたけれど、尺の都合でカットされたのかな?と妄想してしまうような台詞で、ぐっと身近な世界観になったように感じました。
~カオナシが油屋へ入った後~
カオナシが油屋に入り込み、湯婆婆が察知する場面。
ここでの台詞が若干気になりました。
正確には覚えていないのですが、本家の"雨に紛れてろくでもないものが紛れ込んだかな"という台詞が、若干ニュアンスの違う言い回しになっていたような気がしました。
(勘違い or 聞き間違いかもしれませんが..怖いとか悪いといったニュアンスが強い言葉になっていたような印象が個人的には残っています)
千が番台に薬湯の札を貰いに行くシーン。
ここもかなりオリジナルが詰め込まれて、尺としてもかなり長く取られていたように感じました。
本家ではあまり映っていなかったお客様(神様)を含めた従業員と番台のやり取り、そして本家より若干お調子者感が強め(札の種類を間違える)番台となっていました。
そしてここからちょっと気になったこととして、湯婆婆と番台、兄役、父役との会話中で度々発せられる
"奥様" ←湯婆婆のこと
あれ?常に"湯婆婆様"って兄役呼んでいなかったっけ?
と、ちょっと気になり本家を確認すると、湯婆婆のことを名称で呼んでいない(舞台上は突然の電話で、位置も離れていることから、敢えて電話先の人物を明らかにする為、呼称を入れていると思われる)シーンと、父役が"奥様"と呼んでいる場合がありました。
舞台上で"湯婆婆様"という呼称は今回無かったように感じたのですが、これは敢えてなのでしょうか?
~オクサレ様、油屋ご来店後~
本家ファンとして気になる演出の1つとして、恐らく湯婆婆の魔法使用時の演出があるかと思います。
遠隔でのお口チャック等は、舞台でも想像しやすいかと思うのですが、他に出てくる魔法と言えば、オクサレ神様事件で油屋一同でゴミを引っ張り出す際に使用したロープの出現&千への渡し方。
そしてカオナシへの一撃(本家劇中唯一の攻撃系魔法)です。
ロープは小道具として登場したものの、問題はその後。
本家では千の真横に湯婆婆が浮いていたのでかなり至近距離だったのですが、今回の舞台では本家と違い、上の階から俯瞰している状態となっていた為、千との距離はかなり離れていました。
これはロープを投げた際に外れる可能性が...とドキドキしながら見守っていますと...
バッ!!!
まさかの演出!
一体何が起こったかと言うと、実際には湯婆婆からロープを千へ向かって投げるのではなく、投げたように見せかけて、下のキャスト達が個々に持っていた分割ロープを上手く繋ぎ合わせて1本のロープのように見せるという演出!ステージマジックのようです!
これで、オクサレ様の体に刺さっていた棘(自転車)にロープを括り付けるちょっと長めのシーンをカットし、そのまま一気に引っ張る場面へ移行しました。
その後、オクサレ様が河の神様に戻ったシーン。
お湯の表現、神様の表現、なるほど!と感じました!
が、しかし、ここで...1つだけ...!!
名のある河の主....!!もうちょっとおじいちゃま感溢れる"良きかな..."が欲しかった...!!
ここでも、千尋のお父さん同様、予想外に格好良いボイスが流れ、若干若さを感じてしまいました(笑)
個人的にちょっと入れて欲しかったけれど、舞台上でなかった演出としては、オクサレ様に足し湯をしようとして千が札を釜爺に届ける隠し戸(?)の位置が分からず、近辺をトントン叩くシーン。
舞台の演出では、滑って札を隠し戸の中に落としてしまう演出はありましたが、隠し戸はすんなり開ける流れとなっていました。
(恐らくその後千尋に戸がぶつかるどんくささ演出等を省く為かと考察)
~河の神様お帰り後~
砂金を全て回収し、湯婆婆に差し出すシーンが今回オリジナルで追加されていたのですが、その際に兄役だったか父役が発した台詞にあった
"会社"
いや、会社では...ない...?!
え?会社?ん?会社?
全く記憶になく、本家を確認してみると、何とちゃんと別のシーンにて会社と言っておりました!
シーンとしては、河の主からゴミが出きった後、床のお湯が引いていき砂金があることに気が付いた従業員達が殺到したところ。
ここで止める父役が"こらぁ!会社の者が勝手に取るなぁ!"と、従業員の歓声に紛れてちゃんと発しているではありませんか!!
え?今迄数え切れないくらい観てきたはずなのに聞き逃していた...?!それとも忘れていただけ...?!と衝撃的でした。
確かに湯婆婆の立ち位置は、凄腕経営者、ということではあったので、そういわれれば会社でもおかしくないですね...
河の神様が大戸から帰った後、本家では即刻湯婆婆が千を抱きしめ、べた褒め(良い上司!)するシーンがあるのですが、今回はちょっとテイストを変え、敢えて一度怒られる...?!と感じるような呼び方で千を呼び、間を空けてから褒めるという演出になっていました。
河の神様が帰った後に神様方、油屋メンバー総動員で煌びやかに踊るシーンがあり、ここで第一幕が終わるのか~と思ってのほほんと観ておりましたら、まだ第1幕は少し続きました(笑)
シーンとしては、部屋に戻り、海を見ながら千とリンが話す場面まで。
ここで気になったのは、先に寝る従業員が部屋の電気をパチっと消す演技。
明かりが先に消えるのは知っていましたが、私の中で何かが引っ掛かったので本家を確認。
ここはもう千とリンがメインのシーンで部屋の電気はあくまで背後で消えたことが分かるだけとなっていた為、舞台上で消す演技を実際に見たということが違いとして気になったようです。
(確かに電気だからスイッチなり何なりを操作しないと消えませんよね...)
その後ちょっと個人的に欲しかった動きが(笑)
これは千の足が器用過ぎて、実際にやろうとすると足がつりそう(両手を握るかのように、両足同士を握る動き)なのですが、足の裏をくっつける動きがあると更にリアル感が増したかも...?!と勝手に思ってしまいました。
(でもあの動きは本当に足が釣ると思います(笑)
因みに本家では大湯で風呂釜から転げ落ちた後にも痛みに耐える際にも、足同士をぎゅっと握る動作をしています)
その他、アニメだと前後の映像がある部分を舞台上で補完する為か、若干言い回しが変わっているようなところがありました。
以上、第1幕の備忘録でした。
第1幕だけでも、ついつい盛り上がってしまいました...
長文にお付き合い頂き有難うございました!
恐らく若干記憶違いの箇所もあるかもしれませんが、雰囲気を感じ取って頂ければ幸いです。