少々日が空いてしまいましたが、
我が家のアゲハチョウ幼虫、第2の事件につきましてご報告です。
今回もしっかりと幼虫の写真が出てきますので、苦手な方はご注意下さい。
(今回はちょっと普段見掛けないような、びっくりする写真があるかもしれませんので特にご注意下さい)
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7月13日(火)夜間に事件が発生
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随分遅い時間に脱走を試みた子がおり、植木鉢の上をぐるぐるハムスターの回し車の如く歩き回っておりました。
実はこの現象、別の子でも起こっていて、
その子の場合は1時間以上歩き続けていたのを見かねて木の棒を差し出したところ、ピタッと木の棒にロックオン。
あわや下の写真のような場所で蛹化されてしまうところで、何とか別のところに移って頂きました。
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(木の棒の下は1cm程しか隙間が無く、ここからセットを作ったとしても家の中にはお猫様もいらっしゃる為、外で過ごしてもらえるよう必死)
この子は無事外で前蛹になったので一安心していたのですが、今回の子はと申しますと…
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20:30頃
上記の子と同じように他の蛹がある場所へ移動してみると、糸で足場を作り始めているようだったので安心してそのまま放置。
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日付は変わり…
1:30頃
居ない…
まさかの移動で、発見したものの足場の糸を出している様子。
しかも下半身が若干白くなり縮み始めている(乾燥)
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2:00頃(アゲハアパート管理人睡眠断念)
まだ糸を張っている…
しかも体の乾燥が進み、動き辛そうな様子。
(寧ろ先に前蛹になった子よりも乾燥が進んでいる?)
2:30頃
ここで頭を上にしようとしている動作。
まさかの硬直し始めている下半身が足場の糸を剥がしてしまう事態が発生…!
本虫は足場が無いと判断したのか、正常な頭が上の状態から再度壁に向かって横向きになる。
(一体どんな状況…?!と思われた方、是非下の方へ…写真がございます)
足を滑らせて落下しても大丈夫なように、下にラップ、ティッシュをスタンバイ。
(土があるので、水分を吸わないように下にラップを敷きました)
3:00頃
横向きのままお尻を動かしていることに気が付く。
…まさかこれは前蛹になる為、足場の糸を掴む動作…?
でも向きとしても前蛹になれるとは思えない向きですし、何より足場の糸がない状態…
前蛹になる為には一番後ろの足(本物の足ではないのですが)で足場の糸を掴み、その他の足は全て体側にくっ付けて浮かせる状態にしなければなりません。
恐らくこの子は後ろ足で糸を掴むまで前蛹ポーズを取らないことが予想されます…
何だか顔を上に上げて嫌々している様子…
もしやもう輪っかの糸掛けも難しいくらい体が固まってきている…?
3:30頃
迷いに迷った末、前蛹になるお手伝いをすることに。
キッチンペーパーで作成したポケットを準備…
但し通常は前蛹で糸かけ失敗してしまった子の救助に使用するので、今回のようなケースに有効か、かなり不安。
暗い現場で明かりとピンセットを片手にスタンバイ。
4:00頃
ピンセットで幼虫を移動させようと試みる。
まさかの臭角全開の激しい威嚇
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予想外に後ろの足がしっかりくっついており、この怒り方では移動は難しいと断念。
このまま自然のままに見守ることに…
4:15頃
蝉が鳴き始める。
蝉さん...相変わらず朝が早いです...
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少々時間が空いて…
7:00頃
いーーーーやーーーーっ
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前蛹と言えない姿で…!横向きのまま…!!
しかも体を支えるはずの輪っか状の糸がない為、
何と後ろ足が1本大変なことに...!!!
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え?こんなに足って伸びちゃうものなの?
と思いつつも、もう痛そうとしか感想が出て参りません。
でもこれでどうにか体を支えているのですよね...
体は通常前蛹だと下のような写真になり、
どちらかと下半身はつるっとした印象…
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ですが、今回の子は写真の通り段々腹(?)のような状態のまま。
これ以上臭角を出させて体力を使わせてしまうのも酷なので、もう見守るしかありません。
(蛹になる為には相当の体力を使うようですし、臭角を出すこと自体もストレスになるとのことなので、我がアパートでは極力刺激しないようにしております)
13:00頃
どうにかくっついてはいるものの、あまりにも体勢が辛そうなのでワイヤーで少し補助することにしました…
正常な前蛹には程遠いですが、前の足が少しでも自由になり、中で蛹化の準備が進む良いのですが…
13:30頃
改めて幼虫を上から見てみたところ…
何と足に前蛹特有のピンク色が…!!
この子はまだ頑張っている!
と希望が見えました。
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因みに写真では少々見辛いのですが、
頭に近い足の白い部分(前4つ辺り)がピンク色になってきています。
でもやはりお腹は段々腹…
18:00頃
いーーーーーーやーーーーーーーーっ
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必死過ぎて写真を撮る暇もありませんでしたが、
もうほぼ1本の足で全身を支えている状態
ワイヤーがなければ力なく落ちてしまいそうになっており
これは流石にまずい…!!と救助を決行
夜間と違い、あっさりと糸と一緒に外れました
一先ずティッシュに…
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…何だか全体的に色が悪い…前蛹の乾燥と同じ…?
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まだ微かに動きましたが弱々しく、かなり心配な状況
果たしてこれは前蛹なのだろうか?
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何はともあれ緊急入院して頂く為、
瓶にティッシュを敷き寝かせました…
18:30頃
瓶の中を見ていた時でした。
幼虫が動きました。
しかも脈のようなリズムで…!
これはまさか…?!脱皮しようとしている…?!
固唾を飲んで見守っていると、微かに脱げているのか内部の模様がずれるのを確認。
でも正常な前蛹は7分程度で脱ぎ終えるとの記載を目にしていたにも関わらず、10分経ってもお顔さえ取れません
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所用でその場を離れなければならず、
折角ここまで来たのに最後の最後に脱皮できず力尽きてしまうのでは…?
と内心ぐるぐるしたまま離れました…
でも、もうここまで来たら後は本虫の力を信じるしかありません。
19:30頃
恐る恐る瓶の中を覗いてみると…
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あぁーーー!
無事に脱ぎ終わった緑の瑞々しい蛹がそこに…!!
恐らくあの体格のままでは、かなり脱ぐのは大変だったと思います。
よくここまで頑張って…!!
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翌朝確認したところ…
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脱皮した皮も一緒にくっついてしまいましたが、
見事な茶色の蛹になっていました。
心配だったので、ちょっとだけ生存確認もさせて頂き、無事に動いたのでほっとしました。
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その後蛹が固まった頃合いを見計らって羽化用ポケットへ移動したのですが、ついでに他の子と比較…
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左側が通常の前蛹になった子、右側が今回の大事件の主なのですが…
何だかやけに大きめの蛹になっていませんか…?
幼虫時代の大きさはほぼ同じだったのに、今回はぎゅっと縮むような体勢を取れなかった為か、全体的に大きめの蛹となったようです。
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後ろからも1枚…
脱皮後ずっとティッシュで横向きだったこともあってか、若干背中の突起が曲がってしまっていたりと少々変形気味です。
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何と太さも凄いですが、体長も5mm以上違うというので驚きです。
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そして…
外の蛹ポケットで時は流れ…
遂に、蛹化から8日後の7月22日、無事に羽化致しました…!!
残念ながら既に羽化ポケットから移動してしまっていた為、近くにいた子達との比較は出来なかったのですが、当日は予定していた4羽全員が巣立っていったので、飛行には問題なかったようです。
一体あの蛹からどのような成虫が出てきたのか…
成虫も少し大きくなるのか?羽とのバランスは大丈夫だったのか?と、気になることは盛り沢山です。
何はともあれ、本当に最後の最後で大事件が起きてしまいましたが、あのような状況でも糸代わりに足を使用して蛹化しようとしていたあの子に拍手です。
あまり見掛けないような状況だったので、今後似たような状況に遭遇した方の助けになれば…と思い詳細まで記載してみました。
幼虫大事件 ~part 2~、無事に完です。