探索・採集・飼育みたいな雑記的記録

北海道の自然探索と生物の飼育観察・採集記みたいなものを漫然と、かつ自己中心的に紹介するとかしないとか。

食草を探せ!

2020年06月08日 | 自然探索記~採集記(道北)


昨年、謁見に成功したスミイロオオアラメハムシ
海外産は多食性らしいが、北海道での食草が不明。
ハムシのくせにこのわたくしに秘密事とはいい身分である。
そこで今回、食草を暴露する目的で出陣。
昨年の7月に新成虫を確認しているので、今の時期は幼虫と予想。(卵で越冬か?)
卵→幼虫→蛹→成虫と成長するにしたがって個体数は減少していくので、珍種であるほど幼虫を見つける方が効率がいい。(はず)
しかもハムシは幼虫、成虫ともに食草共通なので都合がいい。

深夜に出発して現地には日の出前に到着。
1時間ほど仮眠して、もう一つの目的であるガロアムシ分布調査をしたが掘り出せなかった。
久々の新産地発見となると確信していたんだけど・・・残念。


スミイロオオアラメハムシ生息地
生息環境に生える植物は一様に草丈は低いので探しやすい。ただ植物の種類は多く、ほとんど名前は分からない。
7月に訪れた時とは異なり様々な花が咲いていたが、それを愛でるほどわたくしの心は清らかでない。
生息地は斜面で、昨晩霧雨が降ったため滑りやすくなっており、何回も転倒しそうになった。


到着してすぐに幼虫発見。
よかったね。


とある植物上にいたが食痕がない。
これでは食草と断言できない。
注:その後の調査で食草ではないと判明


この子は枯草上にいるし・・・
成虫と同じく地面を徘徊して食草を渡り歩くタイプなのか?
しかも群れずに単独行動するタイプのようだ。


この子がいる植物も食痕がない。
これも食草と断言できない。移動中にたまたまこの植物を経由したかもしれない。


ん?なんか食べてるぞ!

この後、更に同じ植物を食している幼虫を発見したが、カメラの充電が切れるといった痛恨のミス。
以下は帰宅してからの写真。

食痕(証拠写真)


食草と思われるブツはこれだ!!
調べた結果、ナデシコ科のオオヤマフスマであると判明。
草丈15㎝ほどの小さな草で、別に北海道固有種ではないし、珍種でもないらしいよ。


小さく白い可憐な花を咲かせます。

ちなみに幼虫は短時間で8個体確認できた。
オオヤマフスマが生える狭い範囲でしか幼虫を見つけられなかったのが食草であることを裏付けるが、おそらく食草はこれだけじゃないだろう。
貴兄はどう思われるか?