東京新聞の朝刊には、「発言」という読者投稿欄が在る。12月11日の同投稿欄に78歳の女性が「戦争孤児の数 隠した国」という文章を投稿されていたのだが、非常に印象に残る内容だったので、此方で紹介させて貰う。
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「戦争孤児の数 隠した国」
戦後、東京の上野地下道は戦争孤児で溢れ、大勢の子供達が餓死・凍死しました。1946年8月23日の第90回帝国議会で、布利秋議員が「子供が刻々と死んでおる。戦争孤児の対策はどうなっておるのか?」と質問、国は「戦争孤児は3千人。慈善事業が保護している。」と答弁しています。其れを国民は信じていました。
ところが、路上生活の孤児の多さに驚いた米国占領軍に命じられた当時の厚生省が1948年、全国一斉孤児調査をした結果、12万3千5百人も戦争孤児が居た事が判明しました。同省は此の事実を隠蔽、50年後に見付かりました。
戦争中、都市に住む小学生以下の児童は、親元を離れ地方へ学童疎開しました。其の疎開中に都市空襲で家が焼かれ、親・家族が殺され、帰る場所の無くなった孤児が非常に多く生じました。国策として学童疎開を推進して来た当時の文部省官僚は、校長等公務員に箝口令を敷き、孤児資料を焼却、隠蔽。疎開中の孤児は居なかったとされてしまった事も、60年後に判明しました。
隠蔽され、見捨てられた孤児達は、路上で餓死、凍死した以外も、人身売買されたり、路上生活者になったり、過酷な人生を送りました。
12万人以上居た戦争孤児をたったの3千人と平気で国会で答弁する等、昔から都合の悪い事は隠す国・官僚。其の上更に「特定秘密保護法」が施行されれば、益々嘘が罷り通り、真実が闇に葬られ、うっかり話をすれば逮捕される、恐怖、暗黒の世の中になるでしょう。
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「戦争孤児の実数を、時の 政府が隠蔽していた。」という話は知っていたが、12万人以上居たのを3千人と答弁していたのは初めて知った。(詳細は此方。)責任逃れの為、不都合な事柄を必死で隠蔽する。そういった事実が50年以上も明らかにならなかったという事に、愕然とさせられる。
「特定秘密保護法案」に対して懸念を示す人達に対し、「政府が国民に対して、悪事を働く訳が無い。」なんぞと“全く無根拠”に言い放つ人も居たが、そういう人達は「戦争孤児の話」や「特高警察の話」等、歴史上の事実を余りに知らなさ過ぎるか、将又、知っていても「不都合な事柄だから。」と敢えて無視しているかの何方かだろう。
言論封殺的体質が顕著な人間が、幾ら「私を信じて下さい。」と言った所で、全く説得力を持ち得ないと思うのだが・・・。
本気で戦争孤児を保護したらお金が要るから知らぬ存ぜぬで十何万人の孤児が見殺しにされたんでしょうね
この今後はこの事実も特定秘密保護法により闇から闇に葬り去られるかもしれませんね
その一方で一般市民を一応守ると言われる個人情報保護法も時の政権を批判したり従わなかったら某政党が公安を手足の如く使い合法非合法を問わずばんばん個人情報を集めたり監視したりするんでしょうね(すでに遥か昔から監視してると思うけど)
菅官房長官が「特定秘密保護法案に付いて、マスメディアが“在り得ない事態”を想定して報道した。其れで、国民の間に“誤った認識”が広まってしまった。」と、マスメディアを批判しました。「在り得ない事態」っていうのが、全く理解出来ない。古今東西の歴史を振り返れば、「在り得ない事態なんて、其れこそ在り得ない。」し、時の権力者が自身に都合の良い様に法律を改悪したり、拡大解釈をした事により、国民に塗炭の苦しみを味わわせて来た事が如何に多い事か。特に自民党は、拡大解釈に関しては超スペシャリストですから。
「マスメディアがネガティブ・キャンペーンをしたから、内閣の支持率が下がった。」なんて声が政権内部から上がっている様ですが、多くの国民が“肌感覚”で、「此れはおかしいぞ。」と感じているのすらも、ネガティヴ・キャンペーンと断じているのだとしたら、「総国民がトップに賛意を示している。」と報道する某北の国を目指しているとしか思えない。数で大いに勝っている事での驕りが、本当に酷い。
「数字や表現を、上手く加工して伝える。」というのは、結構在りますね。「輸出が大幅に増加。」というのを前面に押し出し、「輸出で成り立っている日本にとって、物凄く良い状態で在る。」事をアピールするも、其の一方で「貿易収支は大幅な赤字。」だったりする。何方も嘘を言っている訳では無く、要は“切り口”が異なるのですが、問題は為政者が意図して、都合の良い切り口を提示し勝ちという事。
大本営の「日本軍は連戦連勝。」という発表を信じ続けていたら、或る日突然、「日本は敗戦を迎える事になった。」なんて事も実際に在った訳ですから、国民は騙されない様に留意しないといけないですね。