単発物としては在るのだろうけれど、主人公が子供の“シリーズ物”のドラマといのうのは、最近余り見掛けなくなった様に思う。自分が子供だった頃、其の手のドラマで最も有名だったのは、TBS系列で放送されていた「ケンちゃんシリーズ」*1だ。
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女優の風見章子(本名:中村フサ)さんが9月28日に亡くなったと、6日、所属事務所が発表した。95歳だった。
風見さんは1930年代、エノケン一座に入団し、日活の女優オーディションに合格。1939年に映画「土」(内田吐夢監督)で主役に抜擢された。
其の後、映画やドラマ等で活躍。2000年には映画「忘れられぬ人々」(篠崎誠監督)で第22回ナント三大陸映画祭(フランス)の主演女優賞を受賞した。
遺族の意向により、通夜及び葬儀は家族、近親者のみで密葬で行われた。
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「ウルトラQ」の第15話「カネゴンの繭」にて初めて女優・野村昭子さんを知った時からずっと、彼女の見た目が今と変わらない“小母さん”だった様に、自分の中で風見さんは、ずっと“御婆ちゃんのイメージで在り続けた。
冒頭で記した「ケンちゃんシリーズ」、第1弾の「ジャンケンケンちゃん」が放送開始となったのは1969年の事だが、自分がリアル・タイムで見始めたのは第3弾の「すし屋のケンちゃん」(1971年~)からだったと思う。主人公のケンイチ役が宮脇康之氏、其の妹・トコ役は佐久間まゆみさん、父役は牟田悌三氏、母役は吉行和子さん、祖父役は笠智衆氏、そして祖母役は中畑道子さんだった。7年前に牟田悌三氏は亡くなられたけれど、笠智衆氏及び中畑道子さんも既に鬼籍に入られている。
で、「ケンちゃんシリーズ」の第5弾「おもちゃ屋ケンちゃん」(1973年~)で、祖母役を務められたのが風見章子さんだった。(其の時の祖父役は有島一郎氏。)以降、出演されなかったシリーズが在ったものの、記憶違いで無ければ、第12弾の「ケンちゃんチャコちゃん」(1980年~)迄、風見さんはケンちゃんの御婆ちゃんで在り続けた。
去年だったか、風見さんの姿をTV番組で拝見したが、老けはしたものの御元気そうだった。ケンちゃんの御婆ちゃんという雰囲気を残していて、何か嬉しかったのを覚えている。合掌。
*1 「ケンちゃんシリーズ」と言えば、忘れられないキャラクターが何人か居る。
【進士晴久氏】
すし屋のケンちゃん」ではマンガ役を、「ケーキ屋ケンちゃん」(1972年~)ではナミダ役を演じていた進士晴久氏は、「・・・と日記には書いておこう。」の決め台詞のCMでも有名になったが、1990年代辺りから見掛けなくなった。
【大井小町さん】
「ケンにいちゃん」(1974年~)でデカパン役を演じていた大井小町さんも、TV番組で見掛けなくなって久しい。
【岡浩也氏】
「ケンにいちゃん」でケンイチの弟・ケンジ(ケンちゃん)役として登場し、第9弾の「パン屋のケンちゃん」(1977年~)にて2代目ケンちゃんに“昇格”した岡浩也氏。彼は1980年代後半辺りからTV番組で見掛けなくなったが、現在は精神科医として活躍されているそうで、此方で近影を確認出来る。今年で49歳となり、流石に老けてはいるものの、丸顔と特徴的な目は当時と変わらない。