“走塁のスペシャリスト”と呼ばれたジャイアンツの鈴木尚広選手が、今季限りでの引退を明らかにした。今年で38歳というのは、引退してもおかしく無い年齢では在る。でも、今季は失敗無しの10盗塁を決め、9月には通算盗塁成功率が「8割2分9厘0毛」とし、200盗塁以上の選手で歴代1位となった。足が衰えた上での引退では無い。
「今年1年、自分の引き際を考える様になった。勿論、試合が始まれば頭には無いけど、其れ以外では、引退の2文字が頭に出て来る様になった。そういう気持ちでは、プロとしては駄目だと思った。」というのが、引退を決めた理由とか。
王貞治選手が引退を決めた時と同様、「未だ遣れるのに、勿体無いなあ・・・。」という思いが在る。チームを危機から何度も救った足は、今季も野球ファンを唸らせてくれたから。でも、「ボロボロになって辞めるよりも、『未だ遣れるのに。』と惜しまれ乍ら退く。」という方が、自分の美学には合うので、鈴木選手の決断にはシンパシーを感じる。
プロ生活20年で、通算盗塁数は「228」。記録も凄いが、其れ以上に記憶に残る選手だった。チームを何度も救ってくれて、有難う御座いました。本当に御疲れ様!!
彼の抜けた穴は余りにも大きく、来季のジャイアンツは闘い方の転換を求められるだろう。絶対的なエースの“マエケン”が抜けるという大ピンチを跳ね返し、25年振りのリーグ優勝に結び付けたカープの様に、ジャイアンツも「禍を転じて福と為す」として欲しい物だ。