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丘晴人(おか はると)は、君立市君乃町に住む中学2年生。両親が「有限会社オカリナ探偵局」という私立探偵事務所を営んでいる為、町の有象無象の面倒事や困り事や事件が舞い込む。
両親の手伝いで事件に立ち会う中で、晴人が目にした数々の不思議な事件。此れって、幽霊が遣ったとしか考えられない。
事件解決の糸口を見出だせない晴人が、ひょんな事から出会ったのは、廃墟に住む、白衣を着た女博士・暁ヒカル(あかつき ひかる)。「ひらめき研究所」の看板を掲げ乍ら、謎の発明に日夜没頭する博士に事件を相談するのだが・・・。
其の事件の犯人は、幽霊?それとも人間?
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ユーモア・ミステリーの旗手・東川篤哉氏の小説「博士はオカルトを信じない」は、「オカルト好きな中学生・丘晴人と、“天才博士”を自称する変人・暁ヒカルが、オカルトめいた不思議な事件を解決する。」というストーリーで、5つの短編小説から構成されている。因みに、謎を解くのはヒカル、そして彼女の助手として様々な情報を与えるのが晴人という役割になっている。
赤川次郎氏を彷彿させるユーモア・ミステリーを十八番とする東川氏だが、“ノリツッコミが多い作風”が、個人的には辟易としてしまう。今回も同様で、もう少し抑えた方が良いのではなかろうか?くど過ぎて、胃靠れしそう。
「オカルト好きな少年が、オカルトめいた事件の謎を解く。」という設定自体は面白いのだけれど、「“余りにも奇抜なトリック”在りきで、其の謎解きの為の設定に後付け感が在り過ぎる。」という点が興を削がれる。「オカルトめいた事件」というのが在るので、どうしてもそうなってしまうのだろうが、もっと自然な設定だった方が、作品内にのめり込める感じが。(「金田一耕助シリーズ」も現実味の薄い奇抜なトリックが少なく無いけれど、ストーリーに深みと面白さが溢れているので、現実味の薄い奇抜なトリックにそう違和感を覚えない。)
総合評価は、星3つとする。