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「小学未修了でも中学進学可能に、文科省通知」(6月17日、TBS News i)
文部科学省は、「特別な事情によって小学校を卒業していない場合でも、中学校への入学を認める。」様、全国の教育委員会に通知しました。現在の法律では、「日本の中学校に進学するには、日本の小学課程を修了する事。」が前提となっています。
此れ迄は、不登校や虐待、戸籍が無い無戸籍等の事情で小学校に通っていない場合、中学校への入学は認められず、小学校から学び直す事が求められていました。
此の他、外国人学校の小学部を卒業した場合も、日本の中学校への入学は認められていませんでしたが、今後は認めるとしています。
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9年前の記事「20年間○○の無かった男」の中で、此の世に生を受けて以降20年間ずっと戸籍が無い男性の事を紹介した。彼の両親が「学校に行かせる御金が無い。」との理由から、彼の出生届を提出していなかった為で、義務教育は一切受けていなかったと言う。戸籍が無いという事は国民健康保険にも加入出来ないので、医療を受ける場合には全額実費となるし、就職や結婚も現実的には難しいだろう。将来的に、年金の受給も無理だと思う。
法務省が把握している無戸籍者数は約600人という事だが、「実際には、全国で1万人以上居るのではないか。」という推定も在る。格差社会が深刻化する我が国では、無戸籍者数が増大して行く可能性は高い。
話を本題に戻すが、「不登校や虐待、戸籍が無い無戸籍等の“特別な事情”から小学校を卒業していない場合でも、中学校への入学を認める。」というのは悪くない判断だと思うけれど、問題は「小学校を卒業出来なかった事で得られなかった学力を、中学校でどう取り戻させ、尚且つ中学校で学ぶべき新しい学力をどう得させるか?」だろう。学力面で他の生徒達に付いて行けなければ、虐めやドロップアウト等の問題が出て来るだろうから。其の辺も熟考した上で、文科省及び教育委員会はより良い環境作りをして貰いたい。