
9年前の記事で触れたけれど、子供の頃に夢中になって見ていたTVドラマの1つに「どてらい男」【動画】が在る。花登筺氏の小説が原作で、「大阪の商社・山善を興した山本猛夫をモデルとした立志伝。」だ。
放送されたのは1973年から1977年の間で、元々は父親が見ていたのを横から見ていて、面白いので一緒に見る様になった。「主人公の山下猛造が丁稚として働き始めてから、様々な苦境を乗り越え、最終的には社長の座に登り詰める。」という、所謂“ど根性物”。
大村崑氏等、関西御笑い界の重鎮達が顔を揃える豪華さ。そして、沢本忠雄氏や藤岡重慶氏、高田次郎氏等、心の底から憎々しさを感じてしまう程の“名悪役”が、ドラマを盛り上げていた。
主人公の山下猛造を演じていたのは、歌手の西郷輝彦氏。其れ迄、TVドラマの出演経験は在った様だが、26歳で演じ始めた山下猛造役で、俳優として大ブレーク。「男歩けば 勝目に当たる♪」で始まる主題歌「どてらい男」【歌】も彼が歌い、大ヒットを記録した。(大好きな歌で、カラオケで良く歌ったっけ。)
西郷氏と言えば、勿論歌手としても有名だが、個人的には「どてらい男」が大好きだった事も在り、俳優のイメージが強い。そんな彼の訃報が飛び込んで来た。20日に前立腺癌にて、75歳で亡くなられたと言う。
「2011年に前立腺癌と診断され、全摘出手術を受けたものの、6年後の2017年に再発。闘病生活を続けていたが、腫瘍マーカーの数値『PSA』が上がった事から、主治医と話し合った結果、昨年、癌の最先端治療を行う為にオーストラリアに渡った。」という経緯は知っていて、「病状は、良い方向に向かっている。」と思い込んでいた。なので、今回の訃報には驚きしか無い。
「医師から癌と診断され、“ステージⅣ”の宣告を受けるも、病状が“改善”した。」という人が、自分の周りに何人か居る。一方、“ステージⅠ”や“ステージⅡ”という宣告を受け、結果的には癌で亡くなった人も居る。「母方の祖母が長期間、塗炭の苦しみを舐め乍ら亡くなった。」事も在り、癌は非常に憎むべき存在。同時に『“ステージⅣ”でも、病状が改善する人も居る。』という点で、良く判らない病気でも在る。
75歳という年齢は、本当に若過ぎる。健康が回復する事を信じていたので、とても残念だ。合掌。
ここで悪役をやっていた沢本忠雄はわたしの親戚のお兄ちゃんで、
https://blog.goo.ne.jp/totuzen703/e/087684d65e297f8a087b3068f3f964ff
たいへんやさしいお兄ちゃんで、私も子供のころかわがってもらいました。
御紹介戴いた記事、以前に拝読させて貰い、「えっ、そうなの!?」と驚きました。「どてらい男」で坂田軍曹を演じられた藤岡重慶氏は「暴力的な匂いを感じさせる悪役。」ならば、前戸文治(前戸の旦那)を演じられた沢本忠雄氏、そして番頭の竹田を演じられた高田次郎氏は「陰険さと小狡さを感じさせる悪役。」という感じでした。皆さん名悪役と呼んで良い演技力の持ち主でしたが、「悪役をメインで演じられている俳優程、私生活では優しい方が多い。」と言われており、沢本氏もそうだったのですね。
藤岡氏は31年前に57歳の若さで鬼籍に入られてしまいましたが、沢本氏(86歳)及び高田氏(90歳)は御健在という事で、「どてらい男」を夢中になって見ていた人間としては嬉しいです。