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「死者を“慰める”?葬式でストリップ横行 参列者呼び込み目的か」(4月28日、スポニチ)
中国各地の農村部で葬儀の際に、ストリップ・ショーを開くケースが相次いで見付かっている。死者を“慰め”たり、多くの参列者を呼び込んだりするのが狙いと見られるが、政府は葬儀の行き過ぎた娯楽化は「社会のモラルを乱す。」として、摘発強化に乗り出した。
河北省邯鄲市の村で、2月に営まれた高齢者の葬式で、「赤い薔薇歌舞団」と名乗る集団が、木管楽器チャルメラを吹く等大騒ぎした後、女性メンバーによるストリップを披露。同月、江蘇省宿遷市での高齢者の葬式でもストリップショーが開かれた。
何れも地元公安当局が公共秩序を乱したとして、集団の責任者等を摘発、行政拘留処分とした。
中国では葬儀への参列者が多い程、死者への弔いや尊敬の気持ちが示せるとの考え方が在り、報道によると、此処数年、同様の事案が各地で横行していると言う。
中国文化省は23日、こうした風習が秩序の悪化に繋がるとの危機感を表明。「“ストリップ”等、違法行為を発見した場合、直ぐに法に基づき取り締まる。」との通知を出した。
中国の農村部では近年、社会主義化や大規模政治運動「文化大革命」等の影響で、伝統的な手法で祖先を尊ぶ風習は廃れた。インターネット・メディア「澎湃新聞」は、葬儀の娯楽化の背景に付いて、「農村部では宗族伝統が破壊された後、経済力への崇拝が取って代わったのかもしれない。」と分析した。
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「所変われば品変わる」で、国や地域によって風俗や習慣は異なるのが当たり前。自身の常識だけが正しいとして、異なる風俗や習慣を頭ごなしに批判したり、排除したりするのは反対だが、とは言え、“葬儀の娯楽化”というのは抵抗を覚える。
フラを歌ったり、踊ったりと、ハワイの葬儀も賑やかな事で知られている。参列者もカラフルな洋服で、日本とは雰囲気が大きく異なるらしい。ハワイの国情や国民性を考えると、「そういうのも在りなんだろうなあ。」とは思う。我が国でも“葬儀のショー化”が喧伝された事も在ったが、主流とは言えず、際物扱いなのも理解出来る。
「葬儀への参列者が多い。=社会的地位の高さをアピール出来る。」という考え方は我が国の中に少なからず在る。でも、だからと言って、「葬儀を娯楽化&ショー化して、参列者動員を図る。」とするのは、日本人の美意識からすると受け容れ難い。