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「【衝撃】公園で遊んでいた児童に『そんな事じゃ、日本代表になれないぞ。』と声を掛けた50歳代の男が通報される。」
不審者が子供に対して声を掛け、後々通報される事は良く在る話。「何か」が起きてからでは遅いのだ。怪しい人が居たら、直ぐに警察に一報を!・・・だがしかし、だがしかし!
警視庁犯罪抑止対策本部が発表した不審者情報が、余りにも世知辛いと大きな話題になっている。不審者が現れたのは6月15日、東京都中野区新井5丁目の公園だ。児童が遊んでいた所、次の様な声を掛けたと言う。
不審者:「そんな事じゃ、日本代表になれないぞ。」
年齢は50歳代。白色っぽい上衣を着ており、移動手段は徒歩であったと言う。此の不審者情報に対し、ネット・ユーザー達は・・・。
「えぇぇぇぇ、こんなんで不審者。」、「世知辛い・・・(´・ω・`)。」、「そうか・・・此れも明かんのか・・・。」、「ロベルト本郷!」、「ロベルトさん!」、「ロベルトさんも、不審者扱いの世の中になってしまったか。」・・・等と反応している。
因みに「ロベルト本郷」とは漫画「キャプテン翼」に出て来る重要キャラ。酒を飲み乍らフラフラと登場しつつも、逸早く翼のサッカー・センスを見抜いた翼の師匠でも在る。
子供達がサッカーで遊んでいたのかどうかは定かでは無い。又、子供達は怖い思いをして通報に到ったのかもしれない。だが、もしもロベルト本郷が実在したら、今の日本では即通報されるであろう。世知辛い世の中になった物だ。
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元記事でも指摘している様に、「子供達が怖い思いをして通報に到った。」のならば話は別だが、単に「頑張れよ!」という意味合いで子供達に声を掛けただけならば、其の行為を以てして「不審者」とされてしまうのは気の毒だし、「世知辛い世の中だなあ。」と自分も思う。
確かにこういう御時世なので、親も子も「不審者」というのにセンシティヴになるのは理解出来る。「何か」が起こってからでは遅いし、「不審な行為」に対しては、即「通報」という対応をするのも当然だろう。だが、今回の件が子供達を励ます意味合いで声を掛け、そして「通報」されてしまった“としたら”、大人が見ず知らずの子供達に対して気安く声を掛けるのは、益々難しくなるだろう。
「キャプテン翼」は読んだ事が無いので、ロベルト本郷なるキャラクターは全く知らないのだが、「王貞治氏が中学生の時、隅田公園のグラウンドで野球の試合をしていた所、犬の散歩中に其処を偶然通りかかった荒川博氏(当時は、毎日オリオンズの現役選手。)が其の素質の高さを感じ、右打ちから左打ちへの転向を勧め、後年は師匠と弟子という関係になって、“世界の王”を作り上げて行った。」という有名過ぎる逸話を思うと、大人の荒川氏が王少年に声を掛けなかったら、“世界の王”は生まれていなかったかもしれない。だから、ロベルト本郷の話を持ち出すネット・ユーザーが多いのも判る。
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「寅さんはOK、山下清はNG 『浮浪罪』とは一体?」(AERA【2012年12月10日号】)
「6月下旬頃から9月16日深夜迄の間、田原本町内に於て、働く能力が在り乍ら、収入も無いのに仕事もせず、一定の住居を持たないで彷徨いていた男(54歳)を、軽犯罪法違反で現行犯逮捕しました。」。
住居不定、無職で彷徨いているからといって逮捕するなんて、遣り過ぎ感が在る。此れではホームレスや放浪の旅をしている人達は、皆逮捕され兼ねないだろう。男は一体、何をしたというのか。
9月16日午後10時半頃、田原本町宮古の京奈和自動車道に自転車で侵入している男が居ると通報が入った。県警高速道路交通警察隊が現場に向かうと、其処は歩行者や自転車の通行が禁じられている「自動車専用道路」だった。
此の為、隊員は男に警告。更に、自転車も盗品の疑いが在るとして、田原本署員に連絡した。自転車は他人名義だったが男は窃盗を否定し、結局、軽犯罪法1条4号の「浮浪の罪」を適用したと言う。
抑、「浮浪の罪」とは何なのか。軽犯罪法1条4号には、こう書かれている。
「生計の途が無いのに、働く能力が在り乍ら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方を彷徨いた者。」。
軽犯罪法1条4号を文字通り解釈すれば、ホームレスの多くは逮捕されてしまうのか。日本一周をしている旅人や、日本中を放浪した天才画家の山下清はどうなのか。寅さんは?松尾芭蕉や西行も逮捕されるのか。
「ホームレスは、当て嵌まるでしょう。放浪している人も厳密に言えば当て嵌まる人は居ますが、日本一周等の目的が在れば『浮浪』には当たりません。」。
家事事件、一般民事事件に詳しい広瀬めぐみ弁護士(第二東京弁護士会)は、次の様に話す。
「ホームレスも社会の脅威になっていなければ、逮捕迄はされないでしょう。芭蕉や寅さんも同じです。唯、山下清さんは、結構難しい問題を孕んでいる。彼の風体で其処此処を歩いていたら、何とかして欲しいと思う人も居るかもしれません。」。
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奈良県で現行犯された男性に付いては、自動車専用道路に自転車で侵入していた事に加え、其の自転車も盗んだ“可能性”が高い事からも、「逮捕自体」は致し方無いと思うが、問題は「『浮浪罪』という罪状を適用しての逮捕が、果たして適切だったのか?」という点だろう。
「社会的に存在してはいけない(と考える)人間ならば、どんな罪状で逮捕&排除しても構わない。」という発想が根底に在るのならば、其れは非常に危険。何しろ「自分に反対する人間は全て左翼!」と決め付ける幼稚な人間が国のトップに居るのだから、誰もが不当な罪で逮捕されてしまう事は、決して無いとは言えないのだ。
年寄りが子供に道を聞くのを見られて嫌がらせで通報されたら犯罪者
大人が子供が危ない遊びをしてるのを見て注意しても子供が腹を立てて警察に言ったら犯罪者
障害を持った成人が電車やバスの座席にカバンを置いてる子供に座りたいから退けてくれるとお願いするも子供が腹を立てて警察に言ったら犯罪者
普通に生活して真面目に生きて来た人が突然犯罪者になる美しい国ニッポン
その内にアベちゃんの気に入らない人を合法的に葬る為に新しい刑法が出来るかも・・・また想像で独裁者扱いしてごめんなさいアベちゃんf(^_^;
なんで「小鳥」にさらわれるのか不思議でしたが、「子取り」だったんですね。サーカスで演技する子供を見ると、さらわれた子供だろうか、と半信半疑だったのも今は昔。
すこし前までは「知らない人に付いて行ってはいけません」だったのが、今では「知らない人に声をかけられたら警察に通報」なんですか・・・。
地域全体で大人が子供を見守る、という風習が廃れてきたツケなのかなとも・・・。
「地域情報」を掲示板形式で載せるサイトが結構在りますが、知人が住んでいる地域のサイトでは、「最近、近所の公園にホームレスが徘徊している。」というのから始まり、「缶拾いをしているのは違法行為だ。」、「汚い人間がフラフラされると、街の品位が下る。」等々、恐らく同じ人間が“執拗に”ホームレスを叩く書き込みが目立ったそうです。挙句に「皆さんでホームレスを叩き出しましょう!」という書き込み迄。明々白々な迷惑行為を受けたならば話は別ですが、こういうのは「弱い者を叩いて、普段の憂さを晴らしたい。」という思いしか感じられず、凄く嫌です。「もし自分が彼等と同じ立場になったなら。」という想像が出来ないのだろうし、そういう事を言うと「全く在り得ませんが、其れが何か?」と子供の様な言い返しをするのでしょうけれど・・・。
「コトリ」の件、童謡「赤い靴」で「“異人さん”に連れられて 行っちゃった♪」を「“良い爺さん”に連れられて 行っちゃった♪」だと許り思い込み、「『良い爺さんに連れられて 行っちゃった♪』んだったら良い話なのに、何で此の曲はこんなに哀しい曲調なんだろう?」と子供の頃不思議だった事を思い出します。(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/836ff7fa7a57450fcb919a1afb94d328)
「個の尊重」というのが行き過ぎ、其の結果として「人間関係の希薄さ」がどんどん進んでしまった。人との触れ合いに煩わしい面が在るのは確かだし、自分もそういった煩わしさは好きじゃないけれど、余りにも希薄になってしまうのも問題。
自分も子供が好きなので、街中で見掛けるとつい頬が緩んでしまうし、時には頭を撫でたり、話し掛けたくもなってしまう。昔は実際に頭を撫でたりもしていたのだけれど、昨今は控えてしまうケースが結構在りますね。矢張り「不審者と捉えられてしまうのではないか?」という恐れが在るからですが、こういった所からも「社会から、潤いが消えて行っている。」というのを感じますね。「社会から、潤いが消えて行っている。」というのは「何事にも無関心な人達を生み出す。」事にも繋がるだろうし、延いては「コミュニティーの“完全”崩壊」に到るのではないかと。