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綺麗な海に面した玻璃ヶ浦で計画されている、海底鉱物資源の開発。其の説明会に招待された天才物理学者・湯川学(福山雅治氏)は、川畑重治(前田吟氏)&節子(風吹ジュンさん)夫妻が営む旅館「緑岩荘」を滞在先に選ぶ。其処には彼達の甥で、小学校5年生の柄崎恭平(山崎光君)が、夏休みで泊りに来ていた。
次の朝、堤防下の岩場で、緑岩荘に宿泊していたもう1人の客・塚原正次(塩見三省氏)の変死体が発見される。元刑事の死という事件に図らずも直面した湯川は、川端夫妻及び彼等の娘で環境保護活動に奔走する成実(杏さん)が、塚原と意外な関係で繋がっている事を知る。
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「天才物理学者の湯川が、一見『超常現象』とも思われる不可解な事件を、『科学』によって解決して行く。」という所謂「ガリレオ・シリーズ」は、東野圭吾氏の代表作と言っても良い。其の第6弾「真夏の方程式」を原作とした、映画「真夏の方程式」を観に行って来た。
前田吟氏や風吹ジュンさん、塩見三省氏といったヴェテラン役者の演技も素晴らしいが、恭平役の山崎光君の演技も非常に良かった。小猿っぽい顔が愛らしく、子供嫌いの湯川が、人懐こい恭平と少しずつ打ち解けて行く展開は、何とも微笑ましい。
「理科が苦手。」という恭平の為に、湯川が或る“実験”を行う事になるのだが、「一方的に知識を与えるのでは無く、好奇心を擽り乍らも、自分で考えさせる事の大事さ。」を改めて感じた。
原作と比べると、登場人物を絞り込んだ感じが在る。記憶違いで無ければ、成美と共に環境保護活動をしている男性が登場し、「彼が犯人か?」と読者にミスリードさせる様な展開が原作には在ったけれど、映画では其れが無かった。此の点に付いては賛否両論在ろうが、個人的には「展開がスッキリして、良かったのではないか。」と思っている。
原作のレヴューでも書いたが、「愛する人間の為の献身」というのにはグッと来た。又、「心に大きな傷を抱え、成長して行かなければならなくなった恭平に、子供嫌いの湯川が見せる思い遣り。」というのも、心に強く残るシーン。
総合評価は、星3.5個。
自分も「真夏の方程式」読みましたよ。
面白かったので、映画も観に行こうと思っています。
今から楽しみです。
気に入った作品が映像化された際、其の期待度が高い故に、ガッカリさせられる事が結構在ります。東野作品の場合は概してガッカリさせられる事が多かったのですけれど、今回の「真夏の方程式」はオーソドックスな演出という事も在り、中々の出来だったと思います。
今後とも、何卒宜しく御願い致します。