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大学での講義の傍ら、付属女子高の非常勤講師を任された渋谷一樹(しぶや かずき)は、以前、暴漢から助けた生徒・二ノ宮莉音(にのみや りおん)と思わぬ場所、誘拐事件の関連現場で再会する。旧知の間柄で在る警視庁捜査1課の今尻(いまじり)によれば、莉音は催眠状態で“空間に残された思念”を読み取る能力を持つと言う。心理学者として催眠導入も出来る渋谷は、莉音とコンビを組み、世間を震撼させる連続誘拐事件の謎に迫るが・・・。
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第11回(2012年)「『このミステリーがすごい!』大賞」で“隠し玉”に選ばれ、5年前に上梓された小説「残留思念捜査(サイコメトリー) オレ様先生と女子高生・莉音の事件ファイル」(著者:あいま祐樹氏)。
主人公の1人は、「催眠状態で“空間に残された思念”を読み取る能力を持つ。」という二ノ宮莉音で、非常にオカルトチックな設定。でも、彼女はのほほんとした美少女キャラで在り、もう1人の主人公・渋谷一樹は俺様キャラのイケメン非常勤講師という、如何にもなライトノヴェル設定。実際、表紙に描かれた2人のイラストも、ライトノヴェル感に溢れているし。だから、オカルトチックな設定がされているものの、全体的には軽い乗りを感じる。
話が彼方此方に展開していて、纏まりが無い。範疇としてはミステリーという事になるのだろうけれど、肝心な謎解きの部分が余りにも弱く、イケメン先生と美少女とのイチャイチャ劇という印象が強い。
「隠し玉として、上梓する程の内容か?」というのが、正直な感想。ライトノヴェルが好きな人は別だが、ミステリー好きの読者だと、非常に物足り無さを感じると思う。
厳しいかも知れないが、総合評価は星2つ。