昨日の記事「“御友達”を、守り抜く!」の中で触れ様かとも思ったが、焦点が暈けてしまいそうだったので、今日、別記事として書く事にした。
「黒川弘務検事長の賭け麻雀問題」で気になった事の1つが、“権力とメディアとの距離感”だ。報道によれば、「黒川検事長は今月に入って2回、産経新聞社の記者2人と朝日新聞社の元検察担当記者1人と賭け麻雀をしていた。」と言う。又、「黒川検事長は彼等と数年前から複数回、賭け麻雀をしており、送り迎えもして貰っていた。」とか。
メディアに関わっていた人達の話を見聞すると、「政治家等の権力者と、共に飲み食いしたり、麻雀等をしたりという事は、大昔から在った。」様だ。時には賭け麻雀をした事も在ったと思う。決して許される事では無いけれど、「“時代”が違った。」というのは在るだろう。今ではどんな理由が在るにせよ、賭け麻雀は非難されて当然だ。
メディアに関わる人間が権力者に近付くのは、「より詳しい情報を得る。」という意味から、完全否定はしない。「権力者から奢って貰ったりして、弱みを握られる。」なんて事は許されないが、「“適度な距離感”を保ちつつ、権力者に関して“是々非々”で報じる姿勢を守る。」ので在れば、問題は無いと考える。
問題なのは「政治評論家を名乗るも、安倍晋三首相から何度も只飯を食わせて貰い、安倍首相の太鼓持ち&スポークスマンにしか過ぎない某爺さん。」の様に、権力に呑み込まれてしまう事だ。今回の産経&朝日の連中は明らかに一線を越えており、非常に問題だと思う。
安倍官邸の太鼓持ち&スポークスマンの某爺さんで私が真っ先に思い当たるのは、最近露出度の高い田崎某氏。
違うかもしれませんが(苦笑)。
京都出身の元官房長官・野中広務氏が回顧録のような形で、毎年慣例として官房機密費から政治部記者や政治評論家たちに、数十万~数百万の現金を渡していた、と告白していました。
どこまで真実か知りようもありませんが、領収書不要で何に使われているかわからないこういう金も、元をたどれば税金。
そんな金で飼い馴らされたジャーナリストが、官邸に都合の悪い発言をできるわけもないですね。
権力者におもねり諫言が出来ない御用学者や御用ジャーナリストが国を亡ぼすのでしょう。
誰の事かすぐ分かります(笑)。
だけどもう一人、政治ジャーナリストの第一人者と言われながら、安倍首相ベッタリの太鼓持ちの方がいます。私はその方はもっと許せないと思います。
5月17日のフジテレビの報道番組にリモート生出演したこの女性ジャーナリスト、Sさんは、「取材してみますと、もともとの((注)黒川検事長の定年半年延長の)アイデアは検察庁、法務省から上がって来たものを官邸がそのまま受け入れただけ。内閣が恣意(しい)的に黒川さんを半年延長したことではない」と発言しました。つまり内閣が独断で決定したのではないと言いたいわけです。
これに対してやはりリモート出演していた元検事の若狭勝弁護士は、「まったくもって事実と反する。実質的な発案者は官邸、内閣で間違いない。ただ形式的な国の組織としては、検察庁は法務省、法務大臣が管轄してますから形の上では法務大臣から上申した形は当たり前なんです。表面的なところを捉えて時系列で法務省から来たという話は、本当に極めて表面的で実態を捉えていない」と反論しました。
この若狭さんの反論はしごくまっとうです。森雅子法務大臣はご存じのように発言支離滅裂でシドロモドロ、とても大臣が務まるような人材ではないのに、首相が自分の言いなりになるというだけでネジ込んだ操り人形ですから、首相から法相に、この案件上げよと依頼し、それを自分たちで閣議決定したという、いわば自作自演だと言えます。
もし本当に検察庁からこれが上がって来たのなら、法相は最初からそう答弁すればいいのに、これまでそんな事まったく言ってません。
むしろ一部の報道では、検察庁では今年8月に稲田現検事総長が引退し、林検事長を後任とする案がまとまっていたのに、官邸がゴリ押しして稲田氏を2月に辞めさせ、黒川さんを検事総長にしようとしたが稲田氏がこの案を拒否したので、それで官邸は仕方なく黒川さんの定年延長を無理やり決定した、というのが真相のようです。これから見ても検察庁から黒川さん定年延長を持ち出したというのは嘘だという事が分かります。
そしてこのSさんのテレビ発言後、安倍首相はやはり突然「この案件は検察庁、法務省から上がって来た」と国会で言い出しました。これから見ても、首相とSさんはズブズブの関係だというのが丸分かりです。
おそらく首相から相談され、苦肉の策でSさんが首相に入れ知恵したのでしょう。実際首相とSさんはネットのテレビ番組で何度も共演してます。
単にマスコミで首相寄りの太鼓持ち評論するだけならまだ可愛げがあります。だけどこの発言は、首相を守る為に、虚偽(だと思います)ニュースをマスコミを通じて流したわけですから、とても罪が重いと言えます。
最近のSさんの論調は、週刊誌の連載を読んでても、あまりに首相擁護が目立ち過ぎて痛々しいほどです。もう引退した方がいいんじゃないかと思いますね。
某爺さん、悠々遊様の御指摘は正解です。
大分昔に書いた事ですが、官房機密費の出所が血税で在る以上、其の使途は明確にされるべき。勿論、スパイ活動の様な国家の基盤に関わる事に使われたりもしていましょうから、「全てを、直ぐに公開する。」という訳にはいかないでしょうが、「一定期間を経たら、原則的に全てを公開する。」という形にしないと駄目。どうせ為政者や其の取り巻きの飲み食いに、多くが費やされているでしょうけれど。
Sさんとは、S井Yこさんの事ですね。Kei様が掛かれている番組は偶々見ていましたし、彼女が週刊誌に連載しているコラムも時折読んでおりますが、某爺さん同様に「安倍首相の賛美在りき。」というスタンスが、全てに於いて貫かれていますね。
彼女が日テレのニュース・キャスターを務めていた頃は、こんなエキセントリックな感じはなかった。右翼ビジネスに嵌ってしまったのか何なのかは判りませんが、是々非々で論じられない以上、タレントという肩書なら別ですが、ジャーナリストという肩書は付けるべきでは無いでしょうね。
弁護士にして、昔は外国人タレントとして良くメディアに登場していた男性。昔、彼が新聞紙上だったと思いますが、「日本国憲法は、世界に誇れる素晴らしい法律。絶対に改正すべきでは無い!」といった趣旨の主張をしていたのを覚えているのですが、今は「日本国憲法は害!直ちに改正すべきだ!!」みたいな事を主張している。時の経過と共に、考え方が変わるという事は在る。だから、宗旨替え自体は「在り。」だと思うけれど、あんなにも賛美していたのだから、宗旨替えをする以上は、其の理由を明確にすべきだと思います。
彼も「安倍首相の賛美在りき。」という安倍親衛隊の1人ですが、所謂“極右本”を書いて稼いでいる。こういう連中は、百害在って一利無し。