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「膨らみ続ける富裕層の資産 1%が世界の半分所有」(1月20日付け東京新聞【夕刊】)
貧困問題に取り組む国際非政府組織「オックスファム」(本部:英国)は19日、世界の富裕層上位1%が所有する資産が2014年、全世界の資産の48%を占めたと発表した。
此の儘格差が広がれば、来年には過半数に達し、残り99%の合計を上回ると指摘している。
2011年にニューヨークで起きた運動「ウォール街を占拠せよ」では、1%の富裕層に富が集中する現状に批判が広がったが、以後も地球規模で格差拡大が続く実態が浮き彫りになった。
証券会社のデータや米経済誌の長者番付を分析した報告書によると、上位1%が持つ資産は2009年に全体の44%だったが、此の5年で4ポイント上昇。1%の人々の平均資産は約270万ドル(約3億1,500万円)に上った。
上位80人の資産の合計は、2010年の約1.5倍の計1.9兆ドル(222兆円)。下位50%、約35億人を合わせた資産と略同じとなった。
世界の政財界トップが集まる「世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)」が22日に始まるのを前に、オックスファムは「富裕層と貧困層の格差は急速に広がっている。世界のリーダーは今こそ、公平さを阻害している強大な既得権者に立ち向かうべきだ。」と訴えている。
オックスファムは貧困の根絶を目指し、各国で人道支援活動や政策提言を行う国際非政府組織。英オックスフォードの国際本部を本拠に、日本を含む17ヶ国に拠点組織が在る。
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「世界の富裕層上位1%が所有する資産が2014年、全世界の資産の48%を占めた。」というのも驚きだが、「上位80人の資産の合計は、下位50%、約35億人を合わせた資産と略同じとなった。」というのには唖然とするしか無い。
以前にも書いた事だけれど、「『金持ち=悪』と十把一絡げにして批判する風潮」は好きじゃない。金儲けは決して悪い事では無いし、「金持ち=悪」と十把一絡げにして批判するというのは、やっかみしか感じられないので。
とは言え、此処迄格差が拡大してしまうのは好ましく無い。「世界の富裕層上位1%が所有する資産が、全世界の資産の約半分を占めた。」一方で、働けど働けどかすかすの生活しか送れない人達が増加するのでは、勤労意欲を削がれてしまい、延いては経済が益々低迷して行くのは目に見えているから。
金儲けは決して悪い事では無い・・・そのとおりだと思います。向上心の現れの一つでしょう。
しかし、資産はある一定限度を越えると、努力しなくても勝手に増えると言うのも事実。よほどの浪費でもしない限り遊んで暮らせ、しかも増える一方の資産を子や孫に残せる。
一方で努力だけでは底辺から抜け出せない人たちが大勢いる。
その現実を目の当たりにすると、金持ちは貧乏人の努力の結晶を掠め取る。と言うのもあながち間違った考えではないと思います。
なんでも平等と言う悪平等には賛成できませんが、せめて努力によって得られる果実が、その努力に見合うよう公平にすべきだと思います。
自分の場合はどうか・・・努力が苦手な人だったので、今の暮らしが相応だと言えるかも(苦笑)。
偉そうな事を書いていますが、自分も金持ちに対してやっかむ気持ちが無い訳では在りません。
「何でも平等と言う悪平等には賛成出来ませんが、せめて努力によって得られる果実が、其の努力に見合う様、公平にすべきだと思います。」というのは、全く同感。当ブログで何度か指摘していますが、「世襲政治家が、政治団体を経由させる事で、相続税を実質的に零にしている。」等、金持ちにはおかしな“抜け道”やら“優遇措置”が在ったりするのは許されない事だし、改善すべきだとも思っています。
兎に角、真っ当に働いている人間が、真っ当な生活を送り難い環境に在るというのは、労働意欲を削ぐ結果となるのは確かでしょうね。
其れが違法行為で無い限り、どういう形で金儲けをし様とも、社会の仕組みとして「在り。」なのは仕方無い事なれど、「親から莫大な資産やコネを受け継ぐのは、其の人物の“才能”なのだ。」と言い切った知り合いの言葉には、どうしても納得が行かない自分が居ます。“運”と言うならば未だしも、“才能”では無いと思うからです。
どういう世の中になろうとも、真面に働く事がアホらしくなり、安直な方向へと流れてしまう人が多くなる様な事だけは在って欲しく無い。
昨年、麻生財務相が「此の2年で、株価は1万7千円迄上がった。円安にも振れた。其の結果として、企業は大量の利益を出している。出していないのは、余程運が悪いか、経営者に能力が無いかだ。」とコメント。大企業は別にして、中小企業では株価アップや円安進行が経営状態の改善に必ずしも直結しないというのに、十把一絡げ的に批判する姿勢には疑問を感じました。
今年に入り、彼は「投資や賃上げをせずに、御金を貯め込む企業は“守銭奴”。」と言いましたが、内部留保を積み上げる一方、賃上げは行わない企業が結構在り、此の主張に関しては納得出来る所が在った。(そういう主張をしておき乍ら、麻生氏が経営する企業が、莫大な内部留保を積み上げていたのは、「天に唾吐く行為だな。」と笑ってしまいましたが。)
「純利益が対前年で250%の好業績なのに、ベアは全く無し。従業員に払う位なら、金融商品でも買って儲けたいという、アベノミクスの流行に乗っかった経営者の判断。」というのは、全く以て酷い話ですね。「自分達の事だけしか考えず、従業員の事なんぞは一顧だにしないという企業。」ならば、従業員達に「勤労意欲を高めろ!」というのは難しいでしょうね。