ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

盲目的な追随主義を続けていたら、同様の事件は繰り返される

2015年01月22日 | 時事ネタ関連

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安倍首相を猛批判『御前十字軍に参加した。』 イスラーム国殺害予告」(1月20日、zakzak

 

日本人2人の殺害を警告した過激派「イスラーム国」戦闘員と見られるヴィデオ声明は次の通り。

 

[日本政府と日本の人々へ]

「日本の首相へ。御前はイスラーム国から8,500km離れているにも拘らず自発的に十字軍に参加した。日本は女性と子供を殺害、イスラーム教徒の家を破壊するの1億ドルを得意拠出した。従って、(後藤健二さんと見られる男性をナイフで指し乍ら此の日本国民(の解放)には1億ドルが掛かる。又、イスラーム国の拡大を阻止し様とする為に、別途1億円を拠出したから、(湯川遙菜さんと見られる男性を指して)此の日本人は更に1億ドル掛かる。日本の国民へ。御前達の政府はイスラーム国と戦う為に、2億ドルを支払うという最も愚かな決定をした。御前達には、2人の日本人を救う為、政府に2億ドルを支払うという賢明な決断を迫る猶予が72時間在る。然もなければ、此のナイフが御前達の悪夢となるだろう。」。

 

中東歴訪中の安倍晋三首相は18日午前(日本時間同日夕)ヨルダン首都アンマンアブドゥッラー国王会談した際、イスラーム教スンナ派過激組織「イスラーム国」対策として120億(約1億ドル)の円借款による財政支援表明した。殺害予告は、此の支援に言及したと見られる。

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此のヴィデオ声明が報じられて以降、ネット上では又候「殺害予告された2人は、危険地帯なのを判っていた上で入り込み、そして捕まったのだから自己責任。殺されても仕方無いし、日本政府はこんな連中を助ける必要は無い。」という、所謂“自己責任論”を主張する目に付く

 

こういった事件が起こる、見受けられる“光景”では在るけれど、多くは「“自己責任”という尤もらしい大義名分振り翳し乍ら、実際にはストレス発散図りたいが為だけに、嬉々として“集団リンチ”を行っている。」のが実情な気がする。自分にとって最愛の人が囚われの身となった場合でも、同じ様に「自己責任だから、殺されても仕方無い。日本政府は、助ける必要無し。」と、彼等は言えるのだろうか?

 

囚われの身となった人達の中には、確かに非難されて仕方無い様な場合も在る。でも、だからと言って「助ける必要無し。」とするのは違うと思う。2年前の記事「非難されて当然だが・・・」の中でも記したが、国家は自国民が生命の危機陥った際、全身全霊捧げて、其の救出に当たるのが“義務”。と考えているからだ。卑劣テロ屈してはならないけれど、“同時に”日本政府は、自国民の救出に全身全霊を捧げなければいけない。「自国民を守る!」というのは、そういう事だ。

 

で、今回の件だが、イスラーム国の戦闘員と見られる男の主張は、全く以て理不尽。理不尽な点を1つ1つ挙げるのもアホらしい程だが、其の最たる部分は「2億ドルを要求する根拠」だ。

 

歴代首相の中で最悪の人物」とし、過去に何度も其の言動を批判している安倍首相だけれど、少なくとも今回に関して言えば、「2億ドルはイスラーム国を叩き潰す為の“軍事支援”では無く、イスラーム国の為に苦しめられている人々への人道支援”として拠出する。」事を安倍首相は明言している訳で、此の事を以てして「女性と子供を殺害、イスラーム教徒の家を破壊する為。」とか「イスラーム国の拡大を阻止し様とする為。」とするのは筋違い

 

イスラーム国の連中が誤解しているのか、其れとも判っていて態と話を掏り替えているのかは不明なれど、そういった筋違いさを、日本政府はきちんと説明する必要が在る。

 

今回の件で改めて思うのは、「集団的自衛権容認」に舵を切った日本の事。3年前の記事「自民党圧勝に対する懸念」の中で、イラク戦争に突入した経緯踏まえアメリカに対し、盲目的追随主義を続けている日本は、集団的自衛権を容認する事になると、不毛で理不尽な戦争に巻き込まれ兼ねないという懸念を記した。

 

今回の様に、“軍事支援”では無い“人道支援”の場合でも、誤解乃至は意図的に悪用され、日本人が生命の危機に陥るのだから、「集団的自衛権の容認」という形で、「アメリカへの盲目的な追随主義を更に加速化させます!」という宣言をした日本に対して、今後、同様の理不尽な事件が繰り返される様に思う。


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8 コメント

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Unknown (マヌケ)
2015-01-22 17:44:04
日本には関係のない戦場で、かつて命を落としたジャーナリストがいます。 ロバート・キャパとともに沢田教一や一之瀬泰造などを憧れをもってみた若者は多かったです。 確か開高健さんもベトナムから月刊プレイボーイに記事をよせたりしていました。 今では、どういうわけか戦闘地域にジャーナリストが入ることを変人のようにバカにしたり、自己責任だから命を助けるなとすら思うような人が多くて嘆かわしいです。 危険な場所にはメジャーなマスコミの社員が入っていけない代わりに彼らがカバーする部分、需要は大きいのではないでしょうか。 そこで何が起こっているのか正しい報道がなされない、虐殺が起きていても闇に葬られたり、救える命があることを世界に報道できないこともあります。危険を顧みずにジャーナリスト精神を貫こうとする姿に昔は感動したものです。 若者にはその精神に少しくらい共鳴するものを感じて欲しいものです。 時代が違うと言えばそれだけなのですが、私たちの若い頃との違いがなんだか残念なくらいガッカリします。 血迷ってイスラム国に参加したいというのとはわけが違うのですから。 そもそも見ず知らずの他人を匿名でネット上で叩く行為を卑怯なことと思わないところが根本的におかしい。 そこまでむきになる変なエネルギーは何が理由なのか知りたい気もしますが。 彼らの何がそんなに腹が立つのでしょうか?
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>マヌケ様 (giants-55)
2015-01-22 19:07:34
書き込み有難う御座いました。

今回の件、湯川遙菜氏に関しては共感出来る点が無いけれど、後藤健二氏に関しては、彼の地に入った動機は理解出来ます。「市井の人々が、何れだけ苦しい目に遭っているのかを、自分の目で確認し、少しでも多くの人達に知って貰いたい。」という思いが、彼の此れ迄の活動から窺えるからです。生きて行く以上、御金儲け的な部分が全く無いとは言わない。でも、其れを上回る“熱い思い”が、自分には感じられる。

話は一寸ずれますが、サザンの桑田佳祐氏がライヴで不謹慎な言動をしたとして非難されましたね。確かに其の言動には不謹慎さを感じる点が在ったし、其の点では非難されるのも止むを得ない。しかし、非常に嫌な感じがするのは「天皇に対して敬愛の念を示さなければ、日本人では無い。」という妙な押し付けをする人達が居る事。「日本人ならば天皇を100%敬愛する筈で、そうじゃ無ければ在日だ!」とする主張には、呆れ果てるを通り越して、もう笑うしか在りません。

色んな日本人が居るのが普通。天皇を敬愛する人も居れば、何とも思わなかったり、嫌ったりする人だって居る。そんなのは、個人の全くの自由。

なのに、何でも彼んでも”1つの型”に押し込め、其れに少しでも当て嵌まらない人間は排除する。そんな風潮が、「絆」を妙に強調し出した3.11以降、凄く強まっている様な気がします。

「命を懸けて、真実を報じる。」、そういう姿勢は在って良いし、寧ろ無かったら、為政者にとって好都合な、そして人類にとっては不幸な社会になってしまう。なのに、“自分が理想とする型”に嵌まっていないからという理由だけで、そういった人達を“自己責任”という錦の御旗を掲げ、徹底的に排除し様とするのは、非常に怖さを覚えます。
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Unknown (AK)
2015-01-23 02:12:18
>米国盲従

米国以外(たとえばEU諸国、豪州、更には立場の違うロシア)も反イスラム過激派路線なのだから一国だけ関わらない、昭和時代のような考えは無理があるのでは。おそらく湾岸戦争あたりが契機だったと思う。もっとも、日本国の警察や防衛省、外務省には湾岸戦争もだが、むしろダッカ事件のトラウマが非常に強いのかもしれないが。

>自己責任

後藤氏にそれを当てはめるのは酷と思う。
。(後藤さんには「自己責任」の批難もあるかもしれないが、同情論のほうが強いと感じるが。私の感覚では。正直あの湯川氏を探しにいかなければよかったのにという感想は当然ある)

またしても’ダッカ’が関わってくるが、ネットでやたら声の大きい方の多くは心なしか、’ダッカ事件’の当事者や当事者の属する世代、グループへの「怨嗟」が大きいように思う。
当時を知るものとしては、大学生や若者の一部は彼らにあこがれたり、彼らにある意味で近い立場の人(小田実とか)は旬の文化人だった。それが「ピースボート」にもつながると思う。その一方で大多数の一般人は彼らをよく思っていなかったろうし、欧州、イスラエルに当時駐在したり、旅行したような「特権階級」は彼らのせいで実害を被った人も多かったと思う。

心なしか、日本では(米国なんかもそうかもしれないが)良くも悪くも「個人で」海外で活動する人間には冷ややかと思う。一方でアルジェリアでテロリストに襲われた日揮の関係者には同情が集まったのは記憶に新しいと思います。
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>AK様 (giants-55)
2015-01-23 14:50:36
書き込み有難う御座いました。

防衛体制や海外情勢等を鑑みると、アメリカと歩調を合わせて行かざるを得ない(行くのが現実的)なのは判っているのですが、日本政府の「何処迄も、付いて行きます、無条件で。」といった姿勢には、どうしても疑問を感じてしまいます。

“天秤外交”を行う中国の強かさには舌を巻かざるを得ないけれど、ああいう姿勢は海外から信頼を置かれないのも事実。とは言え、日本の様に「何でも彼んでも追随。」というのも、違う気がするんです。

ダッカ事件、間違い無く「日本の外交」に大きな影を落とした事件でしょうね。外交は非常にシヴィアな面が多々在りますが、彼の事件に関して言えば、「“情”に重きを置き過ぎた。」と批判されても致し方無い部分は在りましょう。

外交は非常に難しい。“常識”とされた物も、時代の移り変わりと共に、“常識”で無くなる事も在る。

唯、飽く迄も、此れは自分の考えなのですが、「人」が十人十色で在る様に、「外交」も色々な「形式」が在って良いと思うんです。何でも彼んでもシヴィアに切り捨てる外交形式が在る一方、「情」に重きを置く(置き過ぎるのは問題ですが。)という外交形式が在っても良いと。そういう形式だったからこそ、日本は概して海外から“悪い印象”を持たれないで来たという面も在ると思うし。まあ、時代は変わっていますから、従来の儘で今後も通じるという訳では無いけれど・・・。

「心なしか、日本では(米国なんかもそうかもしれないが)良くも悪くも『個人で』海外で活動する人間には冷ややかと思う。」、此れは確かに在りますね。恐らくは、日本人って「グルーピズム(集団主義)」が強い国民性だからだと思います。海外に出張する機会が結構在りましたが、彼の地に駐在する人達の中には、兎に角“群れたがる人”が非常に多く、一人で動きたい人間の自分としては、結構辟易としましたし。
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チキンハートの裏返し? (AK)
2015-01-24 23:47:59
>自己責任

何となくだが、企業や国家の命令で行ったわけではない人間が残酷な目にあっているのを見聞きするのは辛いから、というのが本音という気も。
それほど企業や国家が「滅私奉公」を強いる存在(であった)ということの裏返しとも思うが。
管理人氏は2003年だったか2004年だったかの人質事件をどう思っていたかは存じ上げないがあの時は人質本人や家族が左派団体に関連していたことがバッシングの元だったと思う。これもある意味「ダッカ」に絡むけど、「その手の団体の方&上から目線ボランティア好き」への嫌悪というか。私はあの時のバッシングには正直唖然としましたけどね。ひでーなあと。まあそりゃ好きで行ってんだから自己責任といえばそうかもしれんが。私も85年の日航機事故の後飛行機(東亜国内航空だったが)に乗ろうとして家族がぶーぶーいうから「落ちたら保険金出るから勝手にそれで楽しくやってくれ!」と捨て台詞はいたことが(苦笑)。

冷静に分析すると家族・関連団体が「イラク派兵反対」に家族の不幸を利用しようとしている、と捉えられたこともバッシングの一因のような気がする。
後藤さんの母親の会見、テレビで見た分には「あの世代のいいとこの奥様の話し方だなあ」ぐらいに思ったが、やや奇妙なことを長々と言っていたということを知ってチと「あちゃー」と思いました。あのよくわからない政治観?の感じもまああの世代のプチインテリ婆様に多いかもしれない。まあ本人も正常な精神状態ではないとはいえ、揚げ足とられちゃいますね、ありゃ(とほほ)。テレビはそこカットして正解でした。
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>AK様 (giants-55)
2015-01-25 01:39:57
書き込み有難う御座いました。

「企業や国家の命令で行った訳では無い人間が、残酷な目に遭っているのを見聞きするのは辛いから、というのが本音という気も。」、成る程、「自己責任」という言葉を使う事により、「自分は、此の一件とは無関係なんですよ。」と自分自身を納得させ、其の事で辛さから逃避するという心理ですね。そういった面は、在るかもしれません。

抗議の一環として座り込みを行い、警官達が排除し様とすると、明らかに自ら意識してひっくり返り、「痛い!!暴力は止めて!!」なんぞと叫ぶ光景を見てしまうと、正直冷めます。(逆に、警察官達が公務執行妨害を適用する為、そういった事をするケースも在る様ですが。)又、事件や事故を利用して、方向違いのプロパガンダを行うというのも、右左に関係無く、共感出来ません。

後藤氏の母親の会見、自分はチラッとしか見ていないのですが、精神的に追い込まれている(で在ろう)事は加味しても、一寸違和感を覚える内容では在りました。色んな意味で政治意識が高い方なのかもしれないけれど、ああいう場では「家族としての素直な心境」のみを吐露する事が、個人的にはベターに思います。

先程、「拘束されている邦人の1人が、殺害されたと思われる。」との報道が在りました。どういう理由が在るにせよ、こういった蛮行は許されない。殺害が誤報で在る事を願うと共に、一刻も早く拘束が解かれ、無事に帰国される事を祈るのみです。
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あの3人の時に比べて (AK)
2015-01-28 00:58:10
左派リベラル?(正直、過激派の残党に「リベラル」って名称を使ってもらいたくないのだが)はあまり背景を報道されない殺された人のことをかなりけなしてバカにしてるので、「ネトサヨ」も自己責任論好きネットウヨ(?)ネット評論家?と変わらないかも・・・

一例
ttp://blog.livedoor.jp/shunzo480707/archives/4815023.html
コメントもひどいものが並ぶ。コメント主のリンク先も「反帝反スタ」とか思わず、1970年代かと思うようなのが並ぶ(ちなみに反帝国主義(=米国、日本)、反スタ(=スターリニズム、ソ連、日本共産党)。

高遠さんがあんなにけなされたのに後藤さんが聖人のように扱われてることに嫉妬してんのかな。

>母親

こういう時だからああなってしまうのだろうが、カーチャン、家で休んでなさい、と思うな。
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>AK様 (giants-55)
2015-01-28 01:19:10
書き込み有難う御座いました。

学生運動等をリアル・タイムで経験していない自分からすると、「非現実的な極論許りがなり立て、少しでも違う主張は徹底的に排除し様とする。」という意味に於いて、正直「極右」と「極左」に大きな違いを感じなかったりします。

「人の命」が懸かっているというのに、遺体の写真を面白おかしくネット上に拡散させている連中も異常ならば、「殺害期限迄残り○○時間」なんぞとカウント・ダウン表示をする放送局等、マスメディアの対応にも異常さを感じたりする部分が。
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