歌や映画で見聞し、実際に足を運んだという場所が幾つか在る。今で言う所の“聖地巡礼”に近い物だが、中でも「凄く感動した!」という場所も。
歌で言えば、「雨の御堂筋」【動画】の中で歌われた「御堂筋(大阪市)」が断トツ。(御堂筋は、「大阪ラプソディー」【動画】でも歌われていた。)大阪には住んでいたけれど、何しろ赤ちゃんの頃だけなので、記憶は皆無に等しい。(何故か、自宅近所に在ったというスーパーの狭い通路や暗い裸電球の事は覚えている。)社会人になって以降、プライヴェートで大阪を旅行した事は在ったけれど、御堂筋に行く機会は無かった。だが、30歳になって少しした頃だったろうか、仕事で大阪に出張した際、夜に御堂筋を初めて訪れた。偶然では在るのだが、其の日は雨が降っており、正に“雨の御堂筋”だった。雨に濡れた御堂筋の光景は、想像していた以上に雰囲気が在り、「遂に来れたんだ。」と感動したっけ。
同じ大阪の「法善寺横丁」も、「月の法善寺横丁」【動画】の中で歌われていた事から、ずっと「訪れてみたいなあ。」と思っていた。矢張り夜に歩いたのだけれど、“歌の世界を感じさせる雰囲気”が残っていて、「来て良かった。」と思った。(「大阪ラプソディー」の中でも、法善寺は歌われていた。)
「大林宣彦監督の作品が大好き。」というのは 過去に何度も書いた。2年前の記事「青春映画ベスト10」で2位に選んだ「転校生」【動画】が特に好きで、何度見た事か。「大林監督の故郷でも在る広島・尾道を舞台に、身体が入れ替わってしまった中学生の男女を描いた作品。」で、尾道の風光明媚さにも魅了されてしまった。印象的なシーンは幾つか在るけれど、「主人公の2人が、階段を転げ落ちた時に体が入れ替わってしまう。」というシーンが最も印象的。30代になってからだったと思うが、此の階段が在る「御袖天満宮」を初めて訪れた時は、「此処で、彼のシーンは撮影されたのか。」と感動したり、出来る事なら自分も階段を転がり落ちたかった程。
好きな洋画の1つ「ローマの休日」。「イタリアのローマを親善訪問した某国の王女が滞在先から飛び出し、市内で出遭った新聞記者との1日の恋を描いた作品。」だが、「グレゴリー・ペック氏が扮する新聞記者が、オードリー・ヘプバーン演さん扮する王女を驚かそうとして、伝説に基づき、悪巫山戯をする。」というのも、有名なシーンの1つ。其れは、「『真実の口』の中に手を入れて、抜けないという演技をした。」のだ。「『真実の口』の中に手を入れた時、偽りの心を持った者だと、手を抜く時に手首が切り落とされる、手を噛み切られる、又は手が抜けなくなるという伝説。」を“悪用”した訳だが、初心な王女は本当に手が抜けなくなったと思い、叫び声を上げた後に泣き出してしまうのだ。オードリー・ヘプバーンさんの清らかさも相俟って、忘れられない名シーン。
「真実の口」を訪れたのは28歳の時で、「稍薄暗い場所に小ぢんまりと設置されていた。」のは意外だったが、名シーンが撮られた現場に立てた事に感動。「グレゴリー・ペック氏同様、『真実の口』手を入れ、抜けなくなった演技を自分もした。」事は言う迄も無い。