2年前の記事「断トツで好きなミュージカル映画」で書いた事だが、ミュージカル映画が大好き。夢中になって観たのは1970年代位迄の作品で、断トツで好きなのは「サウンド・オブ・ミュージック」【動画】。最低でも10回は観ている。主役のマリアを演じたジュリー・アンドリュースさんの歌声が最高だった。
「サウンド・オブ・ミュージック」が公開されたのは1965年だが、其の1年前、ウォルト・ディズニー・カンパニー製作のミュージカル映画「メリー・ポピンズ」【動画】が公開されている。主役のメリー・ポピンズを演じたのは矢張りジュリー・アンドリュースさんで、「魔法が使える、美しくて優しい乳母。」という役所だった。「断トツで好きなミュージカル映画」の中で記した様に、此の作品はミュージカル映画の中で9番目に好き。
「メリー・ポピンズ」(以降、“前作”と表記する。)は1910年のロンドンを舞台にしていたが、今回観て来た「メリー・ポピンズ リターンズ」(以降、“今回の作品”と表記する。)は、其れから20年後のロンドンが舞台となっている。
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バンクス家の長男マイケル・バンクス(ベン・ウィショー氏)は、今では家族を持つ親となり、父や祖父が働いていたロンドンのフィデリティ銀行で、臨時の仕事に就いていた。然し、大恐慌時代のロンドンでは金銭的な余裕が無く、更にマイケルは妻を亡くした許りで、家の中も常に荒れ放題。バンクス一家は、窮地に追い遣られていた。
そんな中、更に追い打ちを掛ける様に、融資の返済期限切れで家を失うピンチ。其の時、彼の“略完璧な魔法使い”メリー・ポピンズ(エミリー・ブラントさん)が風に乗って、彼等の元に舞い降りる。20年前と全く変わらぬ容姿の彼女が起こす奇跡で、バンクス一家は幸せを取り戻す事が出来るのか?
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前作でバートとミスター・ドース・シニアの2役を演じていたディック・ヴァン・ダイク氏が、今回の作品では、ミスター・ドース・シニアの息子で在るミスター・ドース・ジュニア役でカメオ出演している。今年で94歳を迎えるとは思えない程、切れの在るダンスには敬服。
又、前作でバンクス家の長女ジェーン・カロライン・バンクス役を演じていたカレン・ドートリスさんも、今回の作品では通行人役としてカメオ出演していたと言う。(自分は気付かなかった。尚、前作でマイケル・バンクス役を演じていたマシュウ・ガーバー氏は、1977年に21歳の若さで亡くなっている。)ジュリー・アンドリュースさんにもカメオ出演の依頼をした様だが、「エミリーさんのショーにして欲しい。」として断られたとか。個人的には残念な話。
今回も“ディズニー”が製作という事で、実写とアニメーションを織り交ぜた映像は実に美しいし、“夢”を感じる。ディズニー・ファンでは無いけれど、こういう映像を見ると“現実”を忘れられ、楽しい気持ちになる。
前作を全く知らず、今回の作品を見たとしたら、もっと高い評価をするかも知れない。でも、自分の様に、前作に魅了された者からすると、どうしても物足りなさを感じてしまう。エミリー・ブラントさんの演技が悪いとは言わないが、ジュリー・アンドリュースさんには及ばないし、何よりも前作で使われた「チム・チム・チェリー」【歌】等の名曲が、今回の作品では全く使われていなかったのは、残念の一言に尽きる。(「何処で使われるのだろう?」と、最後の最後迄期待していたのに・・・。)
総合評価は、星3つとする。