アイス・バケツ・チャレンジ:筋萎縮性側索硬化症(ALS) の研究を支援する為、バケツに入った氷水を頭から被るか、又はアメリカALS協会に寄付をする運動。「先ず『アイス・バケツ・チャレンジ』を受ける事を宣言してから、バケツに入った氷水を頭から被り、そして次に此のチャレンジを受けて貰いたい人物を2人から3人程度指名する。此の様子を撮影した動画を、FacebookやTwitter等の交流サイトで公開して、チャレンジ完了となる。指名された人物は、同様に氷水を被るか、又は100ドルをALS協会に寄付するか、或いは其の両方を行うかの何れかを、24時間以内に選択する。」というのが基本ルール。
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「武井壮 氷水被らぬ理由は明確『公費対象の問題』、『水の問題』」(8月23日、スポニチ)
タレントの武井壮(41歳)が23日、自身のツイッターを更新。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を支援する活動「アイス・バケツ・チャレンジ」に参加しない理由を3度綴った。
「氷水を被らなかった理由は、『ALSは確かに大変な難病だけど、公費対象になっている事。』、『他にも難病だけれども、対象にならず苦労している方が居らっしゃる事。』、『多くの国で、生活に利用出来る衛生的な水が手に入らない方々が居る事。』、『以前から寄付行為は、勧誘やキャンペーンで行わないと決めていた事。』等です。バケツに付いては、此れ迄とします!世界中に幸せを生める様な男になろうと努力します!!」。
支援の輪が広がる一方、氷水を被る事に賛否両論の声も。武井は21日に早々と「思う所在って、氷水は被りません!」と宣言。インターネット上には、称賛の声が相次いだ。
「アイス・バケツ・チャレンジ」を評価しつつも、「自分の思う優先順位で自分の戴いた給与の中から寄付する先、金額を決めているだけなので、何も考えを変える事は在りません。私は、少し違う形で支援致します。」(22日)と自己流を貫く事を表明している。
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「金爆・鬼龍院『違和感』氷水被らず指名もせず 風邪対策で墨汁」(8月24日、スポニチ)
「ゴールデンボンバー」の鬼龍院翔(30歳)が22日夜、自身のブログを更新し、動画をアップ。難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者を支援する活動「アイス・バケツ・チャレンジ」の挑戦者に指名されたが、氷水は被らなかった。
ブログで「僕はネットニュース等で何と無く見掛けてはいましたが、でも深くは調べていませんでした。ネットニュースを見た感じ、良い事を連鎖させる映画『ペイ・フォワード』を思い出しました。しかし、何だか形容し難い違和感を感じたのも事実です。其れを未だ、僕は上手く言葉に出来ない様です。」と、其の理由を説明。
「結論として、僕は寄付させて戴きます。そして、次の人は指名しません。デリケートな事なので賛否両論在るかと思いますが、僕が出した結論です。」とした。
又、動画で氷水を被らない理由に、全国ツアー中の為「風邪を引いてしまうといけない。」事も付け加えた。唯、「パフォーマーの端くれとして、公に動画をアップするという事は、パフォーマーで在るべきと思ったので。」と温かい墨汁を頭から被った。
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数日前から、矢鱈とマス・メディアで取り上げ出した「アイス・バケツ・チャレンジ」。ビル・ゲイツ氏や孫正義氏、レディー・ガガさん等、世界中で著名人が氷水を被る動画を目にして、最初は微笑ましさを感じていたのだが、徐々に懸念も出て来た。鬼龍院氏は「何だか形容し難い違和感」と記しているが、恐らく其の「違和感」というのは、自分の懸念と同種なのではないかと思っている。
「アイス・バケツ・チャレンジ」に対しては、賛否両論在る様だ。否定的な意見としては「氷水を被る事は、単なる『社会貢献ごっこ』に過ぎない。」、「自らの宣伝や売名の為に参加しているだけで、ALS治療への貢献には繋がっていない。」、「チャレンジは、水の無駄使いで在る。」等が代表的。
世の中には、様々な意見が在って良い。だから、今から書く事は飽く迄も私見で在り、其れが絶対的に正しいとか言う積りは無いし、他者に私見を強いる積りも無い。其れを理解した上で、読んで戴きたい。
先ず、此の手の話が報じられると、必ず「著名人による売名行為だ!」とか「社会貢献ごっこだ!」といった批判が起きるけれど、過去に何度も書いている様に、「仮令『売名行為』や『社会貢献ごっこ』で在ったとしても、“何もしないで批判しているだけの人間”よりも“実際に行動している人間”の方が評価出来る。」と自分は思っている。
批判者は概して、「何をした所で批判する。」事が多く、「アイス・バケツ・チャレンジ」を敢行したら「売名行為!」と、そして敢行しなかったらしなかったで「社会貢献の意識が薄い!」なんぞと批判するのではないか?ALSという難病の存在を多くに知らしめ、多額の寄付が集まっているという現実を前にすると、自分は「アイス・バケツ・チャレンジ」を否定出来ない。
又、「チャレンジは、水の無駄遣いで在る。」という意見も判らないでは無いが、多くの人の“志”を考えると、否定せんが為の後付け的な理由の様にも感じられる。
では、「此のチャレンジに付いて、全面的に賛同しているのか?」と問われれば、答えは「否。」だ。「“今のスタイル”では、賛同仕兼ねる。」というのが、正直な考えだ。
「鬼龍院氏が綴っている『違和感』が、自分の懸念と同種なのではないかと思っている。」と上記したが、更に推測で言えば、武井氏等拒否している人達も、恐らくは同じ懸念、即ち「“今のスタイル”では、賛同仕兼ねる。」という思いが在るのではないだろうか。
社会貢献は愛国心等と同様、他者から強いられてどうこうという物では無い。「此のチャレンジを受けて貰いたい人物を2人から3人程度指名する。」、「此の様子を撮影した動画を、FacebookやTwitter等の交流サイトで公開する。」、「指名された人物は、同様に氷水を被るか、又は100ドルをALS協会に寄付するか、或いは其の両方を行うかの何れかを、24時間以内に選択する。」という“縛り”には、例えは悪いけれど「24時間以内に此の手紙(乃至はメール)を知り合い○人に送らないと、貴方に不幸が訪れます。」というチェーン・メール(不幸の手紙)と似た匂いを感じてしまう。
単に「氷水を被らせたい。」という悪意で次の指名者を選択したり、チャレンジを拒否した事で「乗りが悪い!」とか「社会貢献意識が薄い!」等の難癖を付け、虐め行為と転じさせる事は、「何でも彼んでも難癖を付け、集団リンチする事を好むという、我が国で強くなって来ている風潮。」を考えると、充分在り得る。又、「アイス・バケツ・チャレンジ」を装った詐欺事件というのも、今後は起こりそうな気も。
縛りを無くし、「自分は、こういう形で社会貢献します。」というのを、個々人が“自由意志”の下で“勝手に”行うのがベター。「アイス・バケツ・チャレンジ」の様に爆発的な広がりは無いかもしれないけれど、様々な懸念を考え合わせると、そう思う。
半年程前だったでしょうか、付近に“住民達の憩いの場”が設けられるという事で、「就いては、設置の為の寄付金を御願いします。任意ですが、寄付金額は5千円以上。各家庭に、担当者が御伺いします。」との回覧板が回って来ました。任意と言い乍ら、「寄付金額は5千円以上」、加えて「各家庭に、担当者が御伺いします。」というのでは、此れは最早強制としか思えない。
ネット上に存在する下種な輩は、仰る様に全体から見れば一部だと思うし、そういう“構ってちゃん”の話を取り上げるのは、連中にとって“喜び”以外の何物でも無いのも判ってはいるのですが、叩かれるべきでは無い者が叩かれるというのは、どうしても看過出来ない。
ネット上だけなら未だしも、こういった取り組みが現実社会で“虐め”という形で悪用され兼ねないのは、憂うる事ですね。