ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

宙に浮いた生命保険金

2014年08月05日 | 時事ネタ関連

*********************************

漂う生命保険金 受取人他界認知症・・・請求無く未払い」(8月4日、朝日新聞

 

生命保険に入っていた高齢者が亡くなった事を保険会社把握せず、遺族等が保険金を受け取っていない事例が多い事が、生命保険大手の調べで判った。保険金の受取人が既に亡くなっていたり、認知症等を患ったりして、請求出来ない事が増えているだ。

 

明治安田生命保険が昨年以降、90歳以上の契約者約1万1千人の全員を調べた所、2割当たる約2千人は既に亡くなっていたが、保険金を払っていなかった。大半は、保険料の払い込みが終わり、亡くなる契約内容が適用される終身保険だ。総額は判っていないが、専門家等によると、高齢者の保険金の平均は300万円程度と見られ、2千人分だと計約60億円になる。

 

第一生命保険も、2年前に91歳以上の契約者に電話調査し、連絡が付いた約7割の内、数%の契約者の保険金を払っていなかった事が判ったと言う。明治安田と第一は、保険金の支払い漏れが判った時点で、受取人が誰か調べ、既に大半の支払いを終えたとしている。最大手の日本生命保険住友生命保険の2社も、年内の調査を検討しており、支払い漏れは更に増えそうだ。

 

明治安田の調査で支払い漏れが判った福岡市の80代の男性は、2007年に亡くなっていた。保険金の受取人だった妻は、更に其の7年前に他界していた。夫婦には子供が無く、保険金は、法律相続が認められている親族等(法定相続人)が受け取る。担当者は戸籍を調べて親類割り出し、保険金の事を伝えたが、「振り込め詐欺と間違えられ、中々信じて貰えなかった。」と言う。

 

保険会社は、受取人等から請求が無ければ、保険金を払う義務は生じないが、契約者が亡くなった事が判れば、受取人等に知らせて払う様にしている。

 

契約者が保険料を払っている間は、支払いが滞る等して亡くなった事が判るが、保険料の支払いが終わった高齢者の場合は、転居等で連絡が途絶えている事も在る。請求が無ければ、保険会社が契約者の死亡を把握するのは難しく、支払い漏れが起きる可能性が高くなる。

*********************************

 

3年前の記事「もしもの時に備えて」に詳細は記したが、自分(giasnts-55)が10代半ばの頃に病気で急死した父の生命保険に付いて、亡くなってから10年程経った頃に、意外な話を母から聞いた。亡くなる半年程前、父が母に「今入っているのに加えて、XX(外資系の生命保険会社)の生命保険にも入る事にしたから。」と話していたが、其のXXの保険証書が見当たらなかったのだと言う。

 

「何で当時、XXに確認しなかったの?」と問う自分に、「だって保険証書が見当たらないし、そんな状況で確認したって、相手にもされないと思ったし。」と答えた母。「保険料を自動引き落としにしていたならば、父が亡くなって以降は引き落とせない事から、XXから何等かの連絡が在った。無かったという事は結局、XXには加入していなかったのだろう。」という結論に達したが、生命保険会社に対して「勧誘するだけ勧誘して、実際に加入したらほったらかし。」という根強い不信感も在った事から、「契約者で在る父が亡くなった(で在ろう)事は把握していても、遺族からの請求が無いのを良い事に、黙りを決め込んだのかも。」という疑念が、完全に晴れる事は無かった。

 

そういう意味で、今回の様な調査を生命保険会社が行ったというのは、非常に良い事だと思う。「契約させ、保険料を払い込ませれば、後は知った事では無い。」というのでは、余りに不誠実だから。

 

昨日の早朝、ラジオ番組(「生島ヒロシのおはよう一直線」)内で経済アナリスト森永卓郎氏が、数年前に亡くなった実父の話をされていた。途中から聞いたので断言は出来ないのだが、恐らくは今回の“宙に浮いた生命保険金”のニュースに関連しての話だったと思うのだが、「実父が亡くなった際、少なからずの銀行に預金等をしていたと思われるが、通帳やメモ等が見当たらず、実際に何処の銀行に幾ら預けているのかを調べ上げるのが大変だった。」との事。

 

今と比べると、口座を開くのが簡単だった昔。実父の話等から少なからずの銀行に口座を開いていたのは判っていたけれど、具体的な事は全く知らなかった森永氏。思い当たる銀行に問い合わせるも、単に銀行名だけでは無く、「○○銀行のXX支店」といった感じで、支店名迄具体的に伝えないと、調べてさえくれないのだとか。

 

仕方無いので、実父宛てに届いていたダイレクト・メール類をチェックし、漸く具体的な銀行名及び支店名が把握出来たのだが、次に銀行から要求されたのは御父様が生まれてから亡くなる迄の全てが判る戸籍謄本を、漏らさずに揃えて欲しい。という事。愛人や隠し子等、他に把握出来ていない法定相続人が存在しないかを、確認する為だとか。

 

そんな感じで、途轍も無い時間と労力費やし、何とか実父の口座内容を教えて貰える事になった森永氏だが、或る銀行の口座には1,200円にしか入っていなかったとか。銀行員から「如何致しましょうか?」と尋ねられたが、費やした時間と労力の半端無さから、ムカッと来た森永氏は「相続権放棄します!」と速攻で答えたと言う。其の気持ち、良く判る。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 履き違え | トップ | 人間は、何と愚かな生き物よ »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
知らない人が多いのですよね… ((まめ)たぬき)
2014-08-05 14:32:26
我が家の場合、牛さんのリストラされる前の職場が生命保険会社だったので
この辺りの事情には牛さんが明るいのですが
…ほんと、面倒そうです。

戸籍をさかのぼらねばならないので、
(今は、戸籍を取り寄せるときに面倒だから、と転居するたびに本籍地を変える、という人も結構いらっしゃるようですが)
本籍地の変更はおすすめいたしません、はい。
返信する
>(まめ)たぬき様 (giants-55)
2014-08-06 01:13:40
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

ずっと本籍地を変更しない儘でいたのですが、戸籍謄本等を取り寄せる際、其の本籍地迄取りに行かなければいけない等、面倒さが在った事から、数年前に本籍地を移しました。でも、仰る様に、本籍地を変える事での不都合というのも在るんですね。

今回のニュース、色々勉強になりました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。