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「TBS駒田健吾アナ『日本の小説や映画は、戦争を美化している気がする。』と指摘」(7月31日、TOPIC NEWS)
30日放送のラジオ番組「デイ・キャッチ」(TBSラジオ)で、TBSの駒田健吾アナウンサーが、「日本の小説や映画は、戦争を美化している気がする。」と語った。
此の日の放送の中で、米国では毎日22人の退役兵士が自殺、現役兵士は今年の上半期で161人が自殺している事を伝えた。
此の問題に関連し、スタジオでは戦争を題材とした映画や小説の話題に。ジャーナリストの北丸雄二氏が、ヴェトナム戦争を題材にした映画「ディア・ハンター」で戦場へ行った人、戦場から帰って来た人の心の傷に付いて触れた。
すると、其の話を聞いていた駒田アナは、「個人の感覚」とした上で、「どうしても小説や映画っていうのは、日本で描かれているのは一寸美化されている作品が多いのではないかと思ったりする。」と意見を述べた。
駒田アナは、出身地で在る神戸の空襲や、祖父の兄弟が戦争で亡くなった話を祖父母から聴いたり、沖縄の平和祈念公園で自分と同じ「駒田」という名前がずらっと並んでいるのを見た経験も在って、其の様に感じる様になったのだと言う。
そして、駒田アナは「最近流行っている小説も、敢えて名前は言いませんけれども、どうしても何かこう美化されている感じがして。」と指摘。「退役軍人の自殺だとか心の傷だっていうのは、中々描く方も難しいのか、面倒臭いのか判らないけれども、無い様な気はするんですよね。」と、日本での戦争の描かれ方に疑問を呈した。
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最近、TV番組を見ていて“或る事”を良く感じていたのだが、先日、週刊誌に連載されている漫画の中で、登場人物の1人が同じ思いを口にしていたのを目にし、「そう感じていたのは、自分だけじゃ無かったのか。」と独り言ってしまった。「最近、日本の凄い所を矢鱈と強調し、集められた外国人達が其れを、此れでもかと言わん許りに大絶賛する様なTV番組が余りにも多くないか?日本の素晴らしい技術を取り上げたりするのは良いんだけれど、『日本って、こんなに凄いんですよ!』と“自画自賛”している様なのは、何か好きじゃない。」という趣旨の発言。
「和風総本家」【動画】の様に、匠の技を“自然体”で紹介してくれるTV番組は好きなのだが、「日本人が自分達を自画自賛し、其れを外国人に大絶賛させるという演出。」は、正直鼻白んでしまう。日本人で在る事に誇りを持つのは大事だが、だからと言って「過度に自画自賛する。」というのは、日本人の良い面で在る(と思っている)「奥床しさ」に反する感じが在り、個人的に好きじゃないのだ。
過去に何度か書いているけれど、所謂「自虐史観」は自分も好きじゃないけれど、必要以上に「自虐史観からの脱却!」を叫んでいる人達には、「日本にとって不都合な事は、仮令其れが事実で在ったとしても、全て『事実では無い!自虐史観で、捻じ曲げられている!!』と主張し、好都合な事は仮令捏ち上げで在っても、『全て真実!』と主張する様な輩。」が目立つ。
そういう連中は判で押した様に、「自虐史観を信じ込んでいる連中は、自分自身に自信を無くしてしまっている。だから、自虐史観から脱却しなければいけない。」と口にする。でも、自分から言わせれば、「そういう事を主張している連中こそが、自分自身に自信を無くしているのではないか?」と思ったりする。自分自身に自信が無いからこそ、必要以上に「日本」や「日本人」を自画自賛したり、「嫌韓」や「嫌中」といった概念を振り翳し、他者を貶める事で、自分自身の自信の無さを埋め合わしている様に感じるのだ。
戦争で亡くなった人々を悼むのは、人として大事な事。でも、「御国の為に散った。」等、戦争を美化する様な方向で取り上げるのは、戦争で命を落とさざるを得なかった人達に対する冒涜だと思う。況してや、「日本」や「日本人」を高めんが為、戦争を美化しているとしたら、其れはとんでもない履き違えだろう。