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「菅野 どうしても巨人『険しい道でも、小さい頃からの夢。』」(11月21日、スポニチ)
日本ハムへの入団を拒否した東海大の菅野智之投手(22歳)が21日午後、記者会見を行った。
プロ入りせず、社会人野球のチームにも入らずに1年間“浪人”する事を選んだ右腕は「遠回りになるかもしれないが、(巨人で野球を遣るというのが)小さい頃からの夢。」と説明。来年ドラフト会議で指名されて巨人に入る道を選んだ。
菅野は最終的に決めたのは前日の20日と述べ、21日午前中に東海大の横井人輝監督が日本ハムに連絡した。「沢山悩んだ。険しい道になるかもしれないが、其れも自分の力に変えて。大きくなって来年のドラフトを迎えたい。」と話した。
社会人や独立リーグ、海外のプロ球団等に進んだ場合は来年のドラフト会議で指名を受ける権利を失う。其の為アマチュアを含めた特定のチームに所属せず、東海大等の施設でトレーニングを続ける予定。1年間実戦から遠ざかるが「或る意味、自由が利く。マイナス面よりプラスの事を考えたい。」と前向きに話した。
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菅野投手がファイターズへの入団を拒否し、浪人の道を選択した。ドラフト会議が行われた翌日の記事でも記したが、「菅野投手は、ファイターズ入りした方が良い。」というのが自分の考え。
「ジャイアンツに入りたい。」という菅野投手の思いが、「伯父で在る原辰徳氏が、監督を務めているから。」という理由から来る物なのか?其れとも「ジャイアンツというチームに、ずっと憧れていたから。」という理由から来る物なのか?先ずは其の辺が良く判らず、後者の理由ならば未だしも、前者の理由ならば「原監督が再来年以降、ジャイアンツの監督を務めているかどうか判らないのだし、浪人する事で生じる様々なリスクを考えると、労働環境の悪くないファイターズに一日も早く入り、プロ選手として活躍した方が良い。」と考えたからだ。散々“遠回り”をした結果、ジャイアンツに入った江川卓投手が、プロの世界で“短命”に終わってしまった事等を思うと、余計に浪人生活を送る事に反対だった。
しかし「入りたいチームを選択出来ない選手達にとって、取り得る選択肢は『指名されたチームに入る。』か、『指名を拒否する。』しか無い現実。」が在る中、悩みに悩んだ末の結論だったのだろうから、全くの部外者の自分が「ああだこうだ。」と此れ以上指摘するのは僭越だろう。
「ファイターズに入った方が良い。」と思い続けていた自分だけれど、1人のジャイアンツ・ファンとしては「そんなにも『ジャイアンツに入りたい。』と思ってくれる選手が居るのは、嬉しい事だなあ。」という思いも正直在る。他チームから2度の指名を受けるも、「どうしてもジャイアンツに入りたい。」という思いから拒否した長野久義選手に対して、少なからずのジャイアンツ・ファンが「何とか、彼の願いを叶えさせて上げたい。」と思ったで在ろう様に、今の自分は「菅野投手が来年、ジャイアンツに入れると良いな。」という思いになっている。険しい道程だろうけれど、菅野投手を応援したい。
そんなにもジャイアンツ入りを望んでいる選手が居るというのに、肝心のジャイアンツがドタバタ劇を繰り広げているのは本当に情け無いし、残念で在る。「しっかりしろ、ジャイアンツ!!」と言いたい。
「一番弾けていたのは・・・」という記事の中でもチラッと触れたけれど、清武英利元球団代表にも問題は在ったと思っている。しかし彼が推し進めて来た「金に飽かせて他所から“ビッグ・ネーム”を掻き集めるのでは無く、出来る限り自分のチームで選手を育成すべき。」というスタンスは絶対に間違っていないと思っているし、清武氏を“完全追放”した事で、ジャイアンツが悪しき方向に戻ってしまう事を憂う。
唯、誤解しないで欲しいのは、自分は「他所から戦力補強を、一切しては駄目。」と主張しているのでは無いという事。出来得る限り自分のチームで選手の育成を図り、其れでも“足りない部分”がどうしても出て来てしまったら、“きちんとルールに則った上で”、足りない部分を他所から戦力補強をするのは、全く悪い事では無いのだから。
他所様のチームの選手を「ああだこうだ。」言うのはとても失礼な事だけれど、例えば「今オフにFA宣言をするのではないか?」と噂されている選手で言えば、ベイスターズの村田修一選手やホークスの杉内俊哉投手の名前が、「ジャイアンツが獲得を狙っている。」として報道で挙げられている。何方も良い選手なのは事実だけれど、ジャイアンツの現状を考えると、村田選手の獲得は疑問を感じる。
逆に「今季は“信頼出来る先発投手”が内海哲也投手と澤村拓一投手の2人だけだった事。」、そして「其の内海投手が、来年オフにもメジャー移籍を決断する可能性が在る事。」等を考え合わせると、杉内投手にジャイアンツが注目するのは、決して方向違いでは無い。
杉内投手が実際にFA宣言をした“ならば”、そしてきちんとルールに則った上での事“ならば”、ジャイアンツが彼の獲得に動くのを、自分は否定しない。勿論、「ジャイアンツが、『自前で戦力を育成する努力』を怠らない。」という大前提は、絶対に死守されなければいけないが。
朝の9時前という時間に監督から「今日記者会見をします」という電話。そして本人が午後4時から記者会見をした。
それで断ったことになると、彼自身本当に思っているのでしょうか?
ファイターズ側が「正式回答だとは思わない」という反応を見せているのも、この「断り方」が引っかかっているのだろうと思います(チームディレクターさんがラジオで慎重に言葉を選びながら語っていたことによれば、長野選手の時は、きちんとした断り方だったとか)。
……もっとも菅野投手のお父様おじい様からしてみれば、ファイターズこそが無礼非礼の極みなのでしょうから、そんな相手にはこの程度の対応でいいのだということなのかもしれませんが……。
読売新聞とスポーツ報知にだけ先駆けて記事が載ったことといい、複雑な思いを強いられる一件ではありました。
先達てに週刊誌で取り上げられていたのですが、近頃は何でもかんでもメール連絡で済ます人が増えているのだとか。メールは便利だけれど、例えば「病気で会社を休む場合」等に電話では無く、メールを送り付けるだけで済ましてしまうというのは、流石にどうかと感じます。自分が古いのかもしれませんが・・・。
学生とはいえ、ドラフト1位で指名された選手が、其の断りを他者に委ねるというのも、病気で会社を休む場合にメール送付だけで済ますのと似た、相手に対する非礼さを自分も感じます。原貢氏はファイターズの指名の仕方が非礼と憤っていましたが(以前にも書きましたが、自分はファイターズの遣り方が非礼だとは全く感じないし、其れを非礼とする原氏の方がどうかと思っています。)、百歩譲ってファイターズの遣り方が非礼で在った“としても”、自ら(原氏自身がでは無いけれど。)もが非礼な遣り方で返すならば、其れは同類と言わざるを得ないでしょうね。
菅野投手としては「自分で断るのは嫌。」という思いが在ったのかもしれないけれど、其れでは「学生時代に恋人を妊娠させ、彼女や彼女の親が責任を迫った際、父親に“処置”を一切任せて、自分は逃げ隠れに徹していた。」と週刊誌で報じられていた元小泉チルドレンの誰かさんと一緒。(彼が偉そうに上から目線で語る度に、政治家時代の好い加減さも加わって不快感を覚える自分ですが。