東京新聞の一面コラム「筆洗」。6月25日付け(朝刊)の内容は、次の通り。
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「筆洗」
「いろはに、金平糖、金平糖は甘い、甘いは砂糖、砂糖は白い、白いは兎・・・。」。単語を繋いで行くので、尻取り歌と言う。「さよなら三角、又来て四角、四角は豆腐、豆腐は白い、白いは兎・・・。」。幼き日、友と別れ、夕餉の家へ帰る道を思い出す人も居るか。
何時、誰が作ったか判らない。地域で、歌詞も異なる。大阪では、「ダイヤモンドは高い、高いは通天閣、通天閣は怖い、怖いは幽霊・・・。」と言う。
最初の言葉が経過、順序を辿り乍ら、全く別の言葉に変化して行く強引さが、子供には愉快で、歌い継がれたか。
法人税引き下げ問題で在る。閣議決定した「日本再興戦略」によると、数年で20%台迄下げたいと言うが、政府の言い分は強引な尻取り歌に聞こえる。法人税を下げる。下げたら、海外からの投資が増える。増えれば、雇用増にも繋がる。雇用が増えれば、国民は大喜び。
2番も在る。法人税を下げる。下げたら企業は設備投資、研究開発に金を回す。回せば成長。成長すれば賃上げ。賃上げで、国民は大喜び。
金平糖が兎になる程、強引で怪しい。海外から投資を呼び込める根拠や企業が設備投資、況してや賃金を喜んで上げる保証は何処にも無い。其の財源を、どう捻り出すかも見えぬ。国民が、「無傷」で済むかどうか。政治の尻取り歌は「国民は困っています。」と、先ず歌い出すべきだろうに。
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「政府の言い分は強引な尻取り歌に聞こえる。」と記されているが、全く同感。「強引な尻取り歌」で在り、「『風吹けば桶屋が儲かる』と同じ屁理屈」と言っても良い。「一部の大企業等、自分達の“サポーター”を富ませる事で、政治献金やら集票の増加に繋げる。」というのが最大にして唯一の目的で、一般国民の事なんぞ歯牙にも掛けていない。」というのが、本当の所だろう。
「日本再興戦略」の胡散臭さに付いては、「筆洗」内で端的に記されているので、敢えて此れ以上は書かない。今日の記事で取り上げたかったのは、「尻取り歌」に付いてで在る。
「いろはに、金平糖、金平糖は甘い、甘いは砂糖、砂糖は白い、白いは兎・・・。」や「さよなら三角、又来て四角、四角は豆腐、豆腐は白い、白いは兎・・・。」という尻取り歌は、幼少期に良く口遊んだもので、懐かしさが込み上げて来る。だが、大阪で口遊まれていたと言う「ダイヤモンドは高い、高いは通天閣、通天閣は怖い、怖いは幽霊・・・。」というのは初めて知った。
以前、「一掛け二掛けて」や「そうだ村の村長さん」の歌、そして「スキー」の替え歌が、地域によって様々なヴァリエーションが在る事を紹介した。「いろはに・・・」や「さよなら三角・・・」、「ダイヤモンドは高い・・・」も検索してみると、地域によって幾つかのパターンが在る様だ。
詳細は「風景 うた しりとり。Part2(続編ってこんなふうに生まれるんだあ)」、「mixiコミュニティ 子供の頃の言葉」、「大手小町 いろはにこんぺいとう、こんぺいとうはあまいの続き」、「いろはにこんぺいとう/高いは十二階」を見て戴けたらと思うが、此方を見て「デブデブ百貫デブ 車に轢かれてペッチャンコ・・・」という尻取り歌も、良く口遊んでいたのを思い出した。
興味深いのは「スキー」の替え歌もそうだったけれど、多くの尻取り歌が「光るは親父の禿げ頭」等、親父を揶揄する内容で終わっている事。地域に無関係で、そうなっているというのが笑える。
又、「貫」なんていう重さの単位は使っていなかった子供達が、普通に「百貫=デブ」と結び付けていたのも面白い。