芸能人の訃報に触れた際、其の名前を見聞して「誰?」と判らなくても、顔写真を目にして「嗚呼、此の人か。」と思う事が在ったりする。役者で言えば、主役を務めるタイプでは無く、名前も知らないけれど、でもドラマ等で良く顔を見掛ける人物が当該。
子供の頃、特撮番組で良く“マッド・サイエンティスト”役を務めていた大月ウルフ氏(ピアニストのフジ子・ヘミングさんの実弟でも在る。)や、気弱な中高年男の役柄が似合う沼田爆氏なんぞも、其の名前を知ったのは、随分後になってからだった。
昨日、訃報が流れた横山あきお氏(享年83)の場合も、最初は「誰?」という思いだった。男性器を膃肭臍に見立てたキャラクターが印象的な「やる気まんまん」等、成人向け漫画を描かれていた横山まさみち氏の名前と勘違いしたが、同氏が11年前に亡くなられている事を思い出し、「横山あきお」の名前で検索して、「嗚呼、此の人か。」と判った次第。
【横山あきお氏】
近年もドラマ等でちょこちょこ顔を見掛けていたが、昔で言えば「アイフル大作戦」【動画】や「特捜最前線」【動画】等、人気ドラマに脇役で良く出演されていた。怪しげな神父役の印象も強いが、大好きで見ていた「ウルトラマンA」【動画】の第40話「パンダを返して!」【動画】では、薬屋「パンダ堂」の店主役を務めていたっけ。合掌。
話はガラッと変わるが・・・。
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「自民・鈴木章浩都議、塩村氏に野次を謝罪 辞職はせず」(6月23日、朝日新聞)
東京都議会で晩婚化対策を質問していた塩村文夏都議(35歳)が、「早く結婚した方が良い。」と野次を浴びた問題で、自民党の鈴木章浩都議(51歳)が23日、記者会見し、発言を認めて謝罪した。自民会派を此の日離脱したが、議員辞職はしない考えを示した。
鈴木氏は会見で「不適切な発言で、多大な御迷惑を御掛けした。」と頭を下げた。18日の都議会で質問に立った塩村氏が、「女性が1人で妊娠、出産、育児で悩んでいる。」と問題提起した時に、「早く結婚した方が良いんじゃないか。」と野次を飛ばした事を認めた。
都議会自民党の吉原修幹事長は「御詫び申し上げる。」と述べた。19日から所属議員への聞き取り調査を進め、23日に鈴木氏から報告を受けたと言う。
鈴木氏は会見前、塩村氏に謝罪に訪れた。「1つ進んだ。唯、少し遅かったのではないか。」と話した塩村氏は、他に耳にしたという「産めないのか。」等の野次に付いて、鈴木氏に調査の協力を求めた。
鈴木氏は、此の野次に付いては発言していないと説明している。
鈴木氏は大田区選出で、現在3期目。自身のホームページでは「女性が働き易い社会の実現」を挙げている。18日の都議会後、発言を否定した事に付いて「逃げていたと言われても仕方無い。謝罪の機会を逸してしまった。」と述べた。
石破茂・党幹事長は「党を預かる責任者として御詫びしたい。遅かったという御叱りには、申し訳ないと思う。」と述べた。
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18日の都議会後、全て日を改めて少なくとも3回は「自分は言っていない。」としらばくれていた鈴木都議。質問する記者に対し、「あんた、何なんだ!?」と恫喝する様な場面も報じられていた。其れで「謝罪の機会を逸してしまった。」とは、良くも言えたもの。素っ惚けて逃げ切ろうとしていたが、問題が大きくなり過ぎ、逃げ切れなくなったので、認めざるを得なくなったというだけだろう。「厚顔無恥な政治家」の典型と言って良い。
「魚釣島に無許可で上陸」した件は扨措き、此の御仁は「海外視察時の報告書を、他者の文章丸写しで出して問題になった過去。」が在る。そういうアホな政治家は他にも居たが、此奴の凄い所は「2005年にばれて問題となったというのに、其の翌年の2006年にも又、丸写しをして問題になった。」という点。「血税を使っての“観光旅行”」だから、視察に値する文章を自ら書く事が出来なかったという事なのかもしれないが、今回の件といい、“人としての質”に疑問を感じる。
ばれる前、「(今回の)野次を飛ばした都議は、辞めるべきか?」という記者の質問に、「ええ。」と平然と答えていた鈴木都議。政治家にとって「言葉」は「魂」で在り、言った以上は見苦しい言い訳をせず、すぱっと辞めるべきだ。
「野次は議会の華」と言う人が居る。全面的には賛成出来ないが、当意即妙でウイットに富んだ、人を不快にさせるのでは無く、ニヤッとさせてしまう野次ならば、自分は否定しない。でも、昨今の議会の野次はどうだろうか?
人気司会者の宮根誠司氏が、自分は好きじゃ無い。「大嫌い」という迄では無いが、「嫌い」なのだ。「『番組を見ている人を笑わそう。』という意識が余りにも出過ぎて、人と話している時には、“のべつ幕無しに”話を茶化そうとする。だから、人の話を真剣に聞かずに、途中でバシバシと話を遮る。」所が、見ていて非常に不快だから。
昨今の議会では、こういった“宮根的野次”が非常に目立つ。「野次る事自体が目的となってしまい、のべつ幕無しに相手の話を遮る。」というのは、真面な社会人としておかしい。与野党問わず「下品な野次は駄目。」と口では言い乍ら、自分達は平然と下品な野次を飛ばしているのが現状。恥ずかしい限りだ。
同感です。宮根氏に限らず、「視聴者を笑わせよう」「存在感を示したい」という意識が強すぎて、悪乗りしたり焦点を当てるべき人よりも自分が目立とうとしたりする人物が目につきます。複合的な要素が絡んだデリケートな問題を取り上げる際に、こういう出演者が揃っていると、話が中途半端になって視聴者に誤解を与えるもとになりかねない。
件の都議、釈明会見でさらにセクハラの上塗りをしましたね。問題点をわかっていないようです。結婚するかしないか、仕事と家庭を両立するか家庭に入るか、子供を作るか作らないか、家庭を持たない人が別の面で社会貢献するかしないか等はあくまで本人が選択するものであり、どの選択をしたとしても安心して暮らせるようにするのが政治の務めのはず。「独身子無し女性が、既婚で不妊や育児に悩む女性の意見をくみ取って代弁することが、そんなにおかしいことですか?」と問いたい。あの野次は「自分は立場の違う人の意見に対する想像力もないし、くみ取ることもできません」と言っているようなものだと思います。
或る事象に関して、受け取り手がどう感じるかは、人其れ其れ。そういう意味では、今回の野次も受け取り方は色々在るでしょうから、今から書く事は、飽く迄も“私見”という事で捉えて戴ければと。
先ず、今回の野次に付いて、“極右系のサイト”に、「『結婚した方が良いんじゃないか?』という野次は一切無かった。マスゴミの捏造だ!」とし、証拠の動画を挙げているのを見掛けました。YouTubeを始めとして、フル・ヴァージョンでの動画を幾つか確認しましたが(https://www.youtube.com/watch?v=L0am0NYfDZo)、明らかに言っている。証拠とされる動画は“意図的な加工”がされており、所謂「捏造認定好きの人達」の手法には辟易としてしまいました。
ネット上では、「『結婚した方が良いんじゃないか?』というのは“親心的な発言”で在り、問題とは思えない。」とする書き込みも見受けられました。本当に此の言葉を、“親心的な発言”と捉えて良いのだろうか?自分は「否。」と思います。
第1に、塩村都議が質問事項を口にしている際、「其の件はおかしいんじゃないか?」等、質問の“趣旨”と関係している野次ならば判るのですが、「結婚した方が良いんじゃないか?」というのは、全く趣旨とは無関係な野次で在り、此の点に於いて「質問を妨害する為の野次」と捉えられる。
第2に、人は其れ其れの「価値観」を有しており、他者の「価値観」を強いられる言われは無いという事。結婚したくても、経済面等の理由から結婚出来ないケースも在る。又、「結婚自体をしたくない。」とする価値観だって、持つのは自由の筈。
下品な話で申し訳無いのですが、「恋人を大事に思っているからこそ、結婚する迄は肉体関係を持ちたくない。」とする考えだって在っても良いのに、他者から「本当に愛していたら、押し倒してでも肉体関係を持つべき。」なんて“強いられたら”、そんなのは大きな御世話だし、当事者にとってみれば不快以外の何物でも無い筈。
1対1で「価値観の強要」をされるのも嫌な物なのに、公の場で、尚且つ言われる筋合いの無い「結婚した方が良いんじゃないか?」と言われるのは、より強要性が高いと思うのです。
男女に限らず、何等かの理由を持って、結婚しない(乃至は出来ない)ケースだって在る。其れなのに、「未だ結婚しないの?」とか「早く結婚した方が良い。」と言われるのは、当事者にとって耐え難いストレスとなる事も在る。中には「結婚しないなんて、真面な人間とは言えない。」といった“感情”を含ませて口にする人も居たりしますから、こんな「価値観の強要」は良い事とは思えない。
今回の「結婚した方が良いんじゃないか?」という野次、自分は「セクハラ発言」というよりも、「“価値観の強要”というハラスメント」の方が的を射ている様に感じています。
安倍政権発足以降、「愛国心」だ「売国奴」だという「型に嵌った1つの価値観」だけを強いる様な風潮が強まっている事に、何とも言えない嫌な感じを受けています。
兎にも角にも、鈴木都議の野次は“親心的な発言”とは言えないし、非難されて仕方無いと思う。そして散々しらばくれていて、「野次を飛ばした人間は、議員を辞めるべきと思うか?」という質問に対し「ええ。」と言った以上、逸早く辞めるべきでしょうね。
曰く、「結婚して所帯を持って家族を養う責任を持ってはじめて一人前」と。
余計なお世話! と言いたいところですが、身近な人からこんな風に言われると、男の自分ですら多少のプレッシャーを感じたのですから、悩みを抱える女性なら尚更と察します。
親心と強弁するなら、結婚、出産、育児の障害になっている社会不安を先ず解消するのが、本当の親心でしょうね。
ぷりな様や悠遊遊様が書かれておられる事に、全く同感です。
老若男女を問わず、他者の価値観を全面否定するだけで無く、自分の価値観を無理強いするなんて論外。「~じゃ無いと、一人前じゃ無い。」といいステレオタイプな価値観を口にする人が居ますが、自身に其の価値観を当て嵌めるのは勝手なれど、他者に無理強いするなんて本当に大きな御世話。「犯罪を犯してはいけない。」とかいうなら話は別ですが、「結婚」や「出産」等、個々人の事情や理由が色々在る問題には、他者が深入りすべき物では無いと思うし。
「君、あんな野次は困るねえ。政権の支持率が下がったら、不味いから。まあ、数の論理で抑え込めるから良いけどさ。此れからは、適度な所で止めておきなさいよ。」、「はい、判りました。此れからは、多少手を抜いて遣ります。」、「そうそう、多少で良いからね。ハッハッハ。」。そんな会話が、自民党内では交わされていそう。
都議会では結局、鈴木都議の野次だけを問題として、他の野次に関しては不問で逃げ切る事にした様です。ほんの一部の野党は抵抗した様ですが、殆どの野党も与党に迎合。「自分達も同様の野次を飛ばしているから、下手に追及し過ぎると、ブーメラン現象となって我が身に降り掛かって来るから。」という事なんでしょうね。
今回の件では、「結婚していない塩村都議が悪い。結婚していれば、こんな野次は飛ばされなかったのだから。」という声が、ネット上でちらほら見受けられましたが、全くの暴論。
「夜、野外を歩いていた女性が、暴漢に襲われて殺害された。」りすると、「夜中に、歩いていた女性が悪い。」なんぞと言う馬鹿が居ます。こういう輩は、女性が家の中で殺害されたら、「鍵を掛け忘れた女性が悪い。」と、鍵を掛けていた場合には「補助鍵をしていなかった女性が悪い。」等、結局は何等かの理由を付けて批判したいだけ。悪いのは犯罪者で在り、被害者が批判される筋合いは無い。
「消費税増税で国民に重荷を背負わせる以上、議員定数を減らして、国会議員も重荷を背負わなければいけない。」と尤もらしい事を口にし乍ら、もう1年半も議員定数削減は果たされていない。否、する気なんぞ、端から無いのでしょうね。増税は、とっくに開始されたと言うのに。国民の批判が或る程度迄高まらないと、自分達に不都合な事をする積りは無い。鈴木都知事が野次を認める迄の経緯は、今の政治家達の本性を映し出している様に思います。