
幼少期、NHKで放送されていた連続TV人形劇「新八犬伝」【動画】を夢中になって見ていた。此の番組によって自分は歴史に興味を持つ様になったのだが、「新八犬伝」の後番組「真田十勇士」【音声】にて、歴史好きが確定したと言って良い。
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関ヶ原の戦いから10年以上経ち、徳川家康(松平健氏)は天下統一を目前にしていた。豊臣秀吉の遺児・秀頼(永山絢斗氏)の母で在る淀殿(大竹しのぶさん)は豊臣家復興の妄想に駆られ、徳川との対立を深めていた。
世に言う「大坂冬の陣」が始まり、豊臣方の武将達が次々と大坂城に入城する中、一際異彩を放つ一団が居た。彼等は天下の名将として名高い真田幸村(加藤雅也氏)を筆頭とした、真田十勇士だった。
戦力の乏しい豊臣方の期待は、一心に幸村達に注がれていたが、実は幸村は男前が過ぎる許りに周囲から勘違いされ、凡庸な武将で在るにも拘らず、天下の名将に祭り上げられていただけで、彼が大活躍したエピソードは、偶然が重なったに過ぎなかった。
其処に現れたのが、詰まらない世を面白く生きる為、“抜け忍”となった猿飛佐助(6代目・中村勘九郎氏)だった。己の虚像と実像のギャップに苦しむ幸村と出会い、自分のはったりで幸村を本物の立派な武将に仕立て上げて見せ様と思い立った佐助は、同じ抜け忍の霧隠才蔵(松坂桃李氏)等9人の仲間を集め、陰日向に幸村を支えて来たのだった。
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先日、「大坂の陣に関して、当時、駐日していたオランダ人が書き残していた文書が、ハーグ国立文書館で新たに確認された。」というニュースが報じられた。「歴史というのは、天下を取った人間によって都合良く変えられて、伝わって行く事が結構在る。」というのは珍しく無く、歴史学者達の研究により、“事実”が明らかになったりする。今回の文書の場合、(自国の歴史に関する事柄では無いという点から)バイアスが掛かっていないで在ろう外国人が記した物なので、新たな事実が明らかになる可能性が在り、非常に興味深い。(膨大な量という事で、全ての翻訳には可成りの時間が掛かりそうだが、既に「戦況が不利となった為、徳川方に寝返ろうと大阪城に火を放った大名が居たが、彼等は逃げる前に秀頼により、城壁から突き落とされて死んだ。」等の生々しい記述が明らかとなっている。)
そんな大阪の陣を描いたのが、今回観て来た映画「真田十勇士」で在る。此の作品の監督は堤幸彦氏という事も在り、“従来の真田十勇士の世界観”を思いっ切り裏切ってくれる。雄々しい名将として描かれるのが常な真田幸村が、実に頼り無くて凡庸な武将という設定だったり、十勇士の1人・筧十蔵(高橋光臣氏)がオカマっぽいキャラクターになっていたりするのだから。
「歴史物として、全く評価出来ない。」と、此の作品を批判する人も居る様だ。最後のどんでん返しも含め、コミカルな部分が少なく無いのも、真正面から歴史を捉え様とする人にとって、不快さを感じるのかもしれない。
でも、「真田十勇士」は元々“講談”によって広まった話で在り、登場する真田幸村&大助(望月歩氏)は実在の人物なれど、十勇士達はモデルになったと思われる実在の人物は居ても、基本的には架空の人物。だから、「真田十勇士」は大阪の陣という歴史的な出来事を舞台にした、奇想天外なフィクションで在り、娯楽小説という位置付けと、自分は考えている。そういう意味で、今回の「真田十勇士」は娯楽作品として「在り。」だと思うし、そんなに悪い出来では無かった。
真田大助を演じている子、パッと見た時に「あれ?」と思った。相手の心の奥底迄見通した様な、曇りの無い澄み切った目に見覚えが在ったからだ。「映画『ソロモンの偽証 前篇・事件』で柏木卓也(「そういうのを、口先だけの偽善者って言うんだ!」という台詞が印象的。)を演じてた子じゃないかな?」と思ったら、矢張りそうだった。見ている者を惹き付けて離さない、実に良い目をしている。
上で書いた様に、娯楽作品として割り切って見れば、自分としては結構楽しめる内容。総合評価は、星3.5個とする。
私の記憶では、子供のころ貸本の漫画で読んだような・・・。
ワクワクと心躍らせる物語で、猿飛佐助、霧隠才蔵と共に記憶に残る名前が三好青海入道。
実は結構大人になるまで、真田家家臣と言えば、この十勇士が実在だと信じていました(苦笑)。
「真田十勇士」の様な冒険活劇は、子供心をぐっと掴んで離さない物が在りますよね。連載当時にリアル・タイムで読んでいた訳では在りませんが、「少年ケニア」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%91%E5%B9%B4%E3%82%B1%E3%83%8B%E3%83%A4)や「ビリー・パック」(http://blogs.yahoo.co.jp/kaze2010_case_case/10107949.html)等の漫画も、自分にとってはそんな存在。
「真田十勇士」は何人かの作家によって著されていますが、NHK連続TV人形劇の場合は、“シバレン”事、柴田錬三郎氏の原作を基にしていました。人形劇となった段階で、十勇士達の設定が大分変えられ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E7%94%B0%E5%8D%81%E5%8B%87%E5%A3%AB_(NHK%E4%BA%BA%E5%BD%A2%E5%8A%87))、「霧隠才蔵が金髪のイギリス人。」だったり、「筧十蔵の正体は、中国人・劉十天。」だったりと、実に奇抜な設定で、其れが又、子供だった自分を惹き付けた物。(豊臣秀吉の人形なんぞは、顔や喋りが当時の首相・福田赳夫氏そっくりだったのも御愛嬌。)因みに、悠々遊様が触れておられる三好清海は、石川五右衛門の息子という凄い設定でした。
自分も十勇士は実在の人物とずっと思い込んでいた口で、そうじゃないと気付かされた切っ掛けは、(真田十勇士が)作品によって十勇士の顔触れ(名前)が違っていたからでした。(印象に残っている勇士の1人「穴山小助」が、出て来ない作品の存在で。)
つまり、大坂落城の際に連れ出された次男が
敵将の伊達政宗の陣に逃げ込み、東北人らしい叛骨精神で匿ってくれ、維新まで仙台藩士として生きてきた…という家系です。
でも真田は「盛られ過ぎ」てのが子孫としても正直な感想です。慶應義塾大学の理工に真田教授という方がいまして、こちらは幸村の兄貴の方の子孫の方。知人の紹介でお逢いした事があります。まぁ400年前に親戚だった他人って、変な感じでしたが。この方はマスコミにも露出するし、パレードにも出る方だから、日頃はトークに気をつけてるらしいのですが、まあ遠いルーツを共有する者として、本音を漏らしてくれました。
実際、ボケッとしてると殺されちゃう時代に生きてきたのだから、其なりに有能ではあったのだろうけど、だからって英雄って程じゃないでしょう。…って。
真田丸とか「盛りすぎ」ですよ。
真田は国衆で大名じゃない(大名になったのは兄貴だけ)から、戦国大名として扱われるのも違和感がありますしね。
御先祖を世間の方に、持て囃していただけるのは感謝をいたしますが、正直、何だかなぁ?
てのが真田ブーム?への感想です。
ドラマ「真田丸」の中でも、「真田の知略は、親父の真田昌幸による物で在って、息子の幸村が如何程に関与していたか疑わしい。」みたいな台詞が在りました。そういう意味では、真田一族に関して“盛られ過ぎ”という部分も在るのでしょうが、でも凡人の自分からすると真田一族には「そう在って欲しい。」という希望も含め、憧れめいた思いを持ってしまいます。
以前、当ブログの中でチラッと触れたと思うのですが、我が家は上杉謙信の末裔に当たるとの事。とは言え、傍流も傍流で、血の濃さも怪しい。
唯、兄弟の友達が、武田信玄の末裔という事が判った時には、何とも妙な思いがした物です。