学生時代、勉強をし乍ら、ラジオの深夜放送を良く聞いていた。正直に言えば、深夜放送を聞くのが主で、其の序でに勉強をしていたという感じだったが。
夢中になって聞いていたのは「吉田照美のてるてるワイド」と「ビートたけしのオールナイトニッポン」で、“葉書職人”のレヴェルには到らないけれど、何度か投稿を番組内で読まれた事も在る。
ラジオ・ドラマというのも、結構好きだった。TV番組が「視覚」と「聴覚」で楽しむ媒体とすれば、ラジオ番組は専ら「聴覚」に頼った媒体と言える。例えばTVドラマの場合、満開に咲く桜を画面に映し出すだけで、見ている側に美しさが伝わるけれど、ラジオ番組の場合はそういう訳にいかない。桜がどういう感じで咲いているのかを判り易く、と言って説明過剰にならない様に表現しないといけないのだから大変だ。効果音の使い方も、TV番組以上に重要。
ラジオ番組だからこそ、より能力を発揮出来る人というのが居る。“ラジオ番組向きな人”と言っても良いのだろうが、個人的には大沢悠里氏や吉田照美氏、伊奈かっぺい氏なんかは、そういうタイプだと思う。彼等はラジオ番組の世界で超有名人となってから、一時期、TV番組にも出演する様になったけれど、結果的にTV番組で大成功を収めたとは言い難い。彼等が話術の達人なのは間違い無いのだけれど、“映像が見えてしまうTV番組の世界”では、“映像が見えないラジオ番組”で生きて来たテクニックが、どうしても過剰に感じられてしまったのだろうし、又、“ラジオ番組独特の間合い”も合わなかった様に思う。
ラジオ番組にはラジオ番組の、そしてTV番組にはTV番組の良さが在る。年齢を重ね、そういう思いが強くなっている。
その中でも毎日放送の「チャチャヤング」がわたしの人生に大きくかかわりました。
SF作家の眉村卓さんがパーソナリティで、その中で「ショートショートコーナー」があり、わたしは常連投稿者でした。
http://blog.goo.ne.jp/totuzen703/e/0590f0575707629e82e3fcb13ed89625
眉村さんとも、常連投稿者たちとも、いまもご厚誼をたまわり、わたしの大きな財産となっております。
今もラジオ番組は根強い人気が在る様ですが、昔、其れこそ我々が夢中になって聞いていた頃は、もっと人気が在りましたね。
実際に聞いた事は在りませんけれど、眉村卓氏がパーソナリティをされていたというだけで、凄く興味をそそられます。小松左京氏や星新一氏等と並び、同氏の作品を昔、好んで読んでおりましたので。
大好きな番組を聞いていて、突然、自分の投稿が読まれる。リスナーにとって、こんな幸せな事は無い。自分の場合は数回しかそういう機会が無かったけれど、たまたま録音していたテープは、今でも家宝にしている程。
雫石様の場合、当時の常連投稿の方々と現在も御付き合いされているとの事で、「良いなあ。」と羨ましいです。