ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「フォルトゥナの瞳」

2014年11月16日 | 書籍関連

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フォルトゥーナローマ神話に登場し、人々の運命を決めるとされる女神。運命を操る携え不定の運命を象徴する不安定な球体に乗り、幸運の逃げ易さを象徴する羽根の生えた靴を履き、満ちる事の無い幸運を象徴する底の抜けたを持つ。

【フォルトゥーナ】

 

4歳の時、火事で両親と妹を失い、以降は辛い日々を送って来た木山慎一郎(きやま しんいちろう)。28歳になった彼は或る日、“透けた”右手の男を目撃する。其の日以降、彼は手首や腕が透けている人々を見掛ける様になり、軈て「そういった人物は、遠からずに亡くなる運命で在る。」事を知る。彼は“他人の死が見える”、言わば“フォルトゥナーの瞳”を持つ人間だったのだ。

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百田尚樹氏の小説フォルトゥナの瞳」は、他人の死が見える瞳を持った人間を描いている。肉体の何処かが透けて見えた場合、其の箇所や透け具合によって、大体何の位で亡くなるかが判ってしまうのだ。、どういう理由で亡くなるのかは判らないし、絶対的に不可避な場合(病気等)を除いては、“フォルトゥナーの瞳”を持った人間が「死ななくて済む様に。」と関与する事で、其の人間は死ななくて済む事も。

 

本来死ぬ事になっている人間が死なずに済むというのは、其の後の世界に変化を生み出すという事。死ぬだった人間を助けた結果、後に其の人間が殺人を犯すと、死ななくて良かった人間が死んでしまった事になる。善意で人の命を救ったのに、結果としては別の不幸を導き出してしまう訳だ。

 

又、“フォルトゥナーの瞳”を持った人間が、死ぬべき人間を助けてしまった場合、自身の命を削るという仕組みになっており、そういった点からも“フォルトゥナーの瞳”を持った人間達は悩み苦しむ事に。

 

似た様な話を過去に読んだ様な、既視感めいた物が在る。キャラクター個々の“内面”の描かれ方が浅いし、ストーリー展開も読めてしまう。最後の落ちも、比較的早い段階で予想出来た。

 

百田作品にしては、正直がっかりな内容。総合評価は、星2.5個


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2 コメント

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Unknown (マヌケ)
2014-11-24 18:23:31
百田尚樹という人物が気持ち悪いので作品を読まなくなりました。たかじんとか、遭難しかかったなんとかしんぼうも気持ち悪いです。なぜあのような人達が持て囃されたりするのかわかりません。メディアに取り上げられる人物としての自制や品位がありませんね。
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>マヌケ様 (giants-55)
2014-11-24 21:57:03
書き込み有難う御座いました。


「自己責任」という言葉を振り翳し、他者を激しく罵倒していた辛坊治郎氏が、自らの身に「其れこそ、自己責任だろ?」と思ってしまう事態が降り掛かって来ると、余りにも見苦しい言い訳で誤魔化した。(http://blog.goo.ne.jp/giants-55/e/faa542c8a72ecd8637e407a3c5d63a3b

“捏造記事”を書いた朝日新聞を野卑な言葉で罵り、「公の場で謝罪せよ!」と執拗に主張していた百田尚樹氏が、“ノンフィクション”と謳った自身の小説に付いて、一方向だけからの情報を元に、其れも全く検証する事無く、他者を罵倒する内容だった事が判明しても、言い訳にもならない言い訳を並べ立て、逆切れして誤魔化す。他者の捏造は絶対に許せなくても、自身の捏造は全く問題無いというので在れば、余りにも身勝手。

仰る様に、此の手の品位の欠片も無い、身勝手で傲慢な輩が、挙って持て囃されるのは、不快以外の何物でも無い。
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