ば○こう○ちの納得いかないコーナー

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約3分の1が絶滅の可能性!?

2019年02月14日 | 動物関連

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昆虫の『壊滅的崩壊』、地球規模で進行中 研究」(2月12日、AFPBB News

 

世界の全昆虫種の半数近くが急速な減少傾向に在り、其の3分の1程が地球上から姿を消す恐れが在るとの研究結果が、此の程発表された。「此れにより、食物連鎖や農作物の受粉に於て悲惨な結果が齎される。」と、研究は警告している。

 

今回の研究を纏め査読済みの論文は「人類が食物生産の方法を変えなければ、数十年後には全ての昆虫が絶滅の道を辿る事になる。」と結論付けている。此の論文は、4月に学術誌バイオロジカル・コンサヴェーション」に掲載される予定だ。

 

減少傾向は、静水域に生息する様々な昆虫種に見られ、こうした傾向に付いて論文は、過去5億年間で6回目となる「大量絶滅」の一環だと指摘している。我々は、ペルム紀末期や白亜紀末期以降の地球上で、最大規模の絶滅事象目の当たりにしている。

 

2億5,200万年前に起きたペルム紀末期の大量絶滅では、地球の生物種の9割以上が死滅した一方、6,600万年前の白亜紀末期に突如として発生した大量絶滅では、陸生恐竜が姿を消した。

 

オーストラリアシドニー大学のフランシスコ・サンチェス・バヨ氏と豪クイーンズランド大学のクリス・ウィクホイス氏の研究チームは、減少傾向に在る種の現在の割合は、昆虫種全体の41%で、脊椎動物背骨を持つ動物)の其れに比べて、2倍高いと推定される。と報告。又、「現時点で、昆虫種全体の3分の1が、絶滅の危機晒されている。」とした。

 

研究者等は、毎年1%が、新たに絶滅危惧種の仲間入りをする。と推定しているが、昆虫のバイオマス(生物量、生物体の総重量)は、全世界で年間約2.5%の割合で減少している。

 

研究結果に付いて論文の執筆者等は、「生態系の壊滅的崩壊を回避出来るのは、断固たる行動だけだ。」と警告し、「原野の回復と、農薬及び化学肥料の大幅な使用料削減が、昆虫の減少ペースを減速させる最善の方法で在る事が考えられる。」と述べた。

 

今回の研究では、世界各地で収集されたデータ70以上の内容が纏められた。中には、100年以上前に遡るデータも在った。

 

昆虫の減少と絶滅危機の理由に付いては、森林破壊、都市化、農地への転換等、生息域の変化が最大の要因として浮上した。其の次に大きかったのは、商業的農業に於ける農薬の広範な使用と汚染だったが、最大要因との差は大きく開いていた。

 

地球の生物種全体の約3分の2を構成する昆虫は、約4億年前に出現して以来、主要な生態系を支える基盤となって来た。然し、「昆虫が多くの脊椎動物のとしての重要な役割を担う事に付いては、忘れ去られている事が多い。」と研究チームは指摘する。

 

土竜ハリネズミ蟻食、そして蜥蜴両生類大半蝙蝠の多くは、昆虫を常食とし、子を育てる為に、昆虫に依存している。

 

然し、減少傾向の昆虫種によって出来た「穴」を別の昆虫が埋める事(バイオマスの急激な減少を補う事)は不可能と思われると論文には記された。

 

又、昆虫は、世界最多の受粉媒介者でも在る。カカオ珈琲アーモンドサクランボ等を含む世界の食用作物の上位115種の75%が、こうした生物による花粉の媒介(動物媒)に依存している。

 

然し、花蜂の場合では、局地的に6種に1種が既に絶滅している。地中海沿岸地方の食糞性コガネムシも大きな打撃を受けており、種全体の60%以上に、個体数の減少傾向が見られると言う。

 

個体数の減少が確認されている昆虫分類群の割合に付いては、英国が全体の60%で、次いで米国が51%、欧州全域が44%となっている。

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過去にも書いたけれど、38年前に「生物が一日一種消えてゆく ~滅びの動物学~」という本を読んだ時は、非常に大きな衝撃を受けた。「1日1種の割合で、生物が絶滅して行っている。」というのが、とても信じられなかったから。

 

今回の研究によると、「世界の全昆虫種の半数近くが急速な減少傾向に在り、其の3分の1程が地球上から姿を消す恐れが在る。」と言う。「約3分の1が絶滅する。」というのが、具体的に何の位先の可能性なのかは判らないが、「人類が食物生産の方法を変えなければ、数十年後には全ての昆虫が絶滅の道を辿る事になる。」という事から考えると、そんなに先の話では無いという事か・・・。


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