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悪党共に鉄槌を!
虐め、詐欺、パワハラ・・・道理や理屈ではどうにも成らない問題を解決する為、知恵を使って相手を罠に嵌め、自滅に誘う「クライム・プランナー」という影の存在が居る。渋谷の“のんべい横丁”でホット・ドッグとビールしか置いてない店のマスターをしている大柳竜司(おおやぎ りゅうじ)には、クライム・プランナーとしての過去が在った。其の彼の下に、「友人“メイテン”が血塗れで、高速道路に放置されていた。」という連絡が入る。
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13年前に江戸川乱歩賞を受賞した作家・翔田寛氏の小説「クライム・プランナー」は、「悪事を働き乍らも、温々と逃げ通している連中に鉄槌を下す3人。」の姿を描いている。“現代版・必殺仕事人”といった作品だ。
必殺仕事人の場合、悪人を殺す技を各人が持っている。詰まり、仕事人達が“直接”悪人達を手に掛ける訳だ。一方、今回の作品は、「大柳が考え出した計画を元に、彼を含む3人が悪人達を自滅に誘うのだが、直接的に手を掛ける訳では無い。」という違いが在る。大柳はまあそこそこの腕力は在りそうだが、残る2人は腕力的には頼り無いし、そういう意味では必殺仕事人の様な“爽快感”は無い。
“ラスボス”はそこそこ意外性が在るものの、“中ボス”に付いては予想が付いた。ストーリー的にも余り意外性は無く、全体的に凡庸な内容。「祖国なき忠誠」で感じた様な“深み”は皆無で、「翔田寛氏は、何でこんな作品を書いちゃったんだろう。」とがっかりさせられた。
総合評価は、星2.5個とする。