ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「架空犯」

2024年11月17日 | 書籍関連

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丸で幽霊を追い駆けている様だ。」。

焼け落ちた屋敷から見付かったのは、都議会議員と元女優夫婦の遺体だった。​華やかな人生を送って来た2人に、何が起きたのか?
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東野圭吾氏の小説架空犯」は、捜査1課強行犯係刑事五代努(ごだいつとむ)を主人公にした「五代努シリーズ」​の第2弾。2021年に上梓された第1弾の「白鳥とコウモリ」には総合評価「星4つ」を付けていたので、期待して読む事に。

「都議会議員と元女優夫婦の遺体が、彼等の焼け落ちた屋敷から発見された。」所から、ストーリーは始まる。最初は無理心中かと思われたものの、直ぐに殺人事件と判明したのは、余りに稚拙な"偽装工作の跡"が在ったからだ。其の後、"犯人"から脅迫が届くが、用心深さを感じさせる手口と、事件現場に残された余りに稚拙な偽装工作とのギャップに疑問を感じつつ、捜査に当たる五代努。捜査では所轄生活安全課に所属するの警部補・山尾陽介(やまお ようすけ)と組む事に成るが、定年間近のヴェテラン捜査員の言動に、五代は違和感覚えて行く。

「怪しそうな人間は、先ず"真犯人"では無い。」というのが、ミステリー常識。なので、如何にも怪しい或る人物に付いては、「事件に何等かの関わりは持っているだろうが、真犯人では無いな。」と早い段階で察しは付いた。「架空犯」というタイトルの「架空」という部分も、推理を働かせる上で大きなヒントと成ったし、東野氏にしては珍しく"凡その展開が読める作品"だった。

読んでいて、スッキリした気持ちには成れない内容人間の持つ身勝手さを痛感させられるし、報われ無さを感じたりもするからだ。「大なり小なり、人間には"裏"と"表"の部分が在る。」物だけれど、な感じを覚えてしまう。

"40年近く前の出来事と今回の事件との関係性"には、少々無理を感じ無くも無い。又、「凡その展開が読めてしまった。」という点も含め、東野作品としては及第点が与えられない作品だ。

総合評価は、星3つとする。


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