数ヶ月前に末期癌が見付かり、医者から「余命半年。」と宣告された高齢者が居る。彼は親族の知り合いの連れ合いで、70歳を超えた辺りから「自分は、もう充分生きた。何時死んでも、全く構わない。」と豪語していたが、余命宣告を受けてからは、癌に効果が在るとされる食べ物等を次から次へと摂取し始め、“生”への執着を露にし出したのだとか。「『何時死んでも、全く構わない。』と言っている人間程、実際に“死”と直面しなければならなくなると、“生”に執着し出す。」というのは良く聞く話だが、彼も例外では無かった訳だ。
で、件の男性、病院で治療を受けるも、酷い副作用が出る等し、家族も“其の時”が遠からずに訪れる事を覚悟していた。ところが、1ヶ月程前、彼の身体から癌が消滅していた事が判明。親族もそうだが、自分も其の話を聞いた時は、「本当に!?」と驚いてしまった。
「末期癌というのが抑、誤診だったのか?」、又は「治療が効果を発揮したのか?」。後者だとしたら、「(医者がより必死になって救おうとするで在ろう)著名人の癌患者が次々と亡くなっている中、“助からなかった人”と“助かった人”との差は何なのだろうか?」という疑問が湧く。癌に対して強い恐怖心を持つ自分なので、彼が受けた治療法等を詳しく知りたいのだが、如何せん直接的な知り合いでは無いので、確認出来ないのが何とももどかしい。
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「高額な癌治療薬等が医療費圧迫 緊急的に価格引き下げへ」(10月5日、FNN)
高額な癌治療薬等が医療費を圧迫しているとして、厚生労働省は、緊急的に価格を引き下げる方針。
肺癌等の治療薬「オプジーボ」は、効果が高いとされているものの、値段が非常に高く、一部の専門家の試算では、1年間使用すると、3,500万円掛かる例も在ると言う。
医療費が年々増加し、41兆円を突破する中で、厚労省は、「オプジーボ」の価格の引き下げを緊急的に行うと共に、使用出来る病院を、一定の施設を持った病院に限定する他、経験の在る医師に限定する方針。
価格の引き下げ幅は、最大25%を軸に議論を進めている。
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「オプシーボを1年間使用した場合、3,500万円掛かる例も在る。」という事で、其の高額さには驚かされる。唯、3,500万円掛かるといっても、治療を受けた患者が全額負担するという訳では無い。我が国には「高額療養費制度」が在り、年収に応じて設けられた“限度額”以上は“個人負担”しなくて良いからだ。とは言え、限度額を超えた分は血税で穴埋めされるのだから、“間接的には”個人負担分以上を支払わなければいけないのだけれど。
オプシーボは全ての癌に効果が認められている訳では無いし、又、副作用の問題も在るとか。加えて、高額な薬価というのが、癌患者の前に大きく立ちはだかっている。死の恐怖に怯える多くの癌患者を救う為にも、良い方向に向かって欲しい物だ。
税による医療費負担が減ることだし、価格が下がること自体は良いことですね。
昔から、薬くそうばい、という言葉がありますが、薬の原価に対し9倍の高値で売っていると揶揄する意味で、坊主丸儲け、と双璧です(笑)。
ただ、製薬会社の側からすると、新薬の研究開発・臨床に何年もの年月と莫大な費用が掛かっているから、原料と製造コストだけで判断されたらたまったものではない、との主張もわかります。
新薬の価格は開発経費を、推定される患者数で割って決めるのだとか。
この薬の場合、当初対象となっていたのが400人余りの患者数だったので、こんな高額になってしまったが、他の癌にも使えることがわかり、対象が一気に1万人以上に広がり、大幅なコストダウンにつながるのだそうですね。
いくら早期発見は完治率が高くなったとはいえ、癌と宣告されると真っ先に「死」を思い浮かべて狼狽するものです。
経験者として、お知り合いの男性の心境は察せられます(苦笑)。
大往生と言える年齢で亡くなった祖母は、身体が弱り始めた頃に「もう何時亡くなっても良い。」と語っていましたが、死が間近に迫って来ると、“生への執着”を感じさせる様な言動が在りました。超高齢な祖母ですらそんな感じなのですから、自分も同じ状況に置かれたら、屹度同様の言動をするのかもしれません。
今回のニュース、自分も最初は報道番組(「報道ステーション」)で知りました。製薬会社の状況も理解出来なくは無いし、「何とか言い解決方法はないものか。」という思い。