「○○さんの血管は細くて判り難いですね。」と、採血の度に看護師から言われる。その通りで、注射針を皮膚に一度刺しただけで済んだ例が殆ど無い。首を何度か捻り乍ら血管の位置を探り、やっと注射針を刺しても「あー駄目だ・・・。」と口にする看護師。酷い時は両腕に合計3度刺しても駄目で、ベテランの看護師が「私が変わりますね。血管がなかなか見付からないケースも慣れてますから。」と交代するも、「あれ?本当に判り難いわね・・・。」と困惑する在り様。結局、彼女は2度目で成功したが、この時は合計で5度注射針を刺された事になる。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_cloud.gif)
某俳優の様に、「注射が好き」という人が居ない訳では無い。彼の場合は“失恋レストラン”の様な理由から注射が好きというのでは無く
、栄養剤を打つ等して「健康になった気がするから。」という理由からの様だが、一般的には注射が嫌いな人の方が大多数だろう。注射針を何度も突き刺され、痛い思いを嫌という程している自分も、注射は大嫌いだ。
週刊現代の連載コラム「物は語る」。11月8日号は「注射針・注射器」に付いて、テルモ株式会社のスタッフに取材している。
先ず注射針の構造だが、ステンレスを筒状にし、それを引っ張って薄くして行く。太い部分や細い部分が出来ない様に延ばして行くのは、相当な技術が必要。そして求められる厚みになった筒を斜めに切って注射針となる訳だが、これだけでは竹槍の如く丸い、鋭利さの無い先端。そこで更に先端を削り、鋭く尖らせる作業が。即ち、注射針の先端は二段構造になっている訳だ。年間15億本前後製造されている注射針は、バリが出ない様に一本一本の先端を研磨するとか。
筆者の夏目幸明氏が、自身の経験を記している。先日、歯医者で麻酔を打った際、何故かチクッとした痛みの無いままに済んでしまったので、意外に思って医者に聞いてみた所、「最近の注射器は良いんですよ。」という答えが。その辺の事情をテルモのスタッフに確認すると、同社では外径が0.2mmしかない「ナノパス33」という注射針が在るそうで、近年は歯科医が麻酔に使用する注射針はこれに近い0.3mmの物が多く、それが故に痛みを感じなかったのではないかと。
「全ての注射針を極細タイプにすれば、痛みを感じなくて良いではないか?」という疑問は当然起こる所だが、そうも行かない事情が在る。点滴の様に大量の薬剤を注入する必要が在る場合、極細の注射針では注入に時間が何倍も掛かってしまうからだとか。「注入に時間が掛かっても構わないから、極細の注射針を使用して欲しい。痛いのは大の苦手だから。」という要望が患者から出るケースも在ろうが、これも受け容れられないケースが在る。薬液に粘りが在る場合は通りが悪いし、血液を抜く時に内側の径が小さ過ぎると、赤血球の膜い傷を付けてしまうから。「ナノパス33」は糖尿病のインスリン注射に用いられ、風邪の注射や献血の時には従来の針が使われるそうだ。因にテクモ史上最も太い注射針は外径1.6mmで、緊急に大量の点滴が必要な場合等に用いられるとか。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_6.gif)
太さだけでは無く、注射針には長さも色々在る。腕に注射する際、垂直に針を刺して、針の先端を血管の中で止めるというのは神業に近く、針を斜めに刺す事で先端を血管の中に止め易くするという理由から。肉付きの良い患者も居る訳で、看護師は状況に応じて注射針の太さや長さを選択している事になる。
「痛み」に付いても触れられている。概して人は痛みに敏感で、だからこそ危険から逃れ易いという面が在る。寒さを感じ取る「冷覚」は1c㎡当たり6~23個の“センサー”が人には存在しているが、温かさを感じ取る「温覚」は0~3個、圧力を感じ取る「圧覚」は25個程度。それに対して痛みを感じ取る「痛覚」は何と約200個も在るとか。だからこそ注射針を刺されると、あれ程迄に痛みを感じるのだ。尚、注射の痕を抑える事で痛みが軽減されるが、あれは「痛みの認識が圧感覚の影響で、別の何かに変わっている。」という説が有力。
「痛くない場所」というのも在る。肘がその最たる例で、肘は普段色んな場所に当たる為、そもそも感覚が鈍いからだそうだ。逆に指先は様々な感覚のセンサーが集中しているので、他の場所より痛みを感じると。又、一般的に注射針が刺される腕の内側が、実は痛覚が少ないというのは意外な話だった。「『痛覚が少ないから選ばれたというよりも、血を止めて血管を浮き立たせ易いから。』という理由で腕の内側が最初に選ばれたのではないか。」という事だが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyoko_cloud.gif)
某俳優の様に、「注射が好き」という人が居ない訳では無い。彼の場合は“失恋レストラン”の様な理由から注射が好きというのでは無く
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face2_grin_s.gif)
週刊現代の連載コラム「物は語る」。11月8日号は「注射針・注射器」に付いて、テルモ株式会社のスタッフに取材している。
先ず注射針の構造だが、ステンレスを筒状にし、それを引っ張って薄くして行く。太い部分や細い部分が出来ない様に延ばして行くのは、相当な技術が必要。そして求められる厚みになった筒を斜めに切って注射針となる訳だが、これだけでは竹槍の如く丸い、鋭利さの無い先端。そこで更に先端を削り、鋭く尖らせる作業が。即ち、注射針の先端は二段構造になっている訳だ。年間15億本前後製造されている注射針は、バリが出ない様に一本一本の先端を研磨するとか。
筆者の夏目幸明氏が、自身の経験を記している。先日、歯医者で麻酔を打った際、何故かチクッとした痛みの無いままに済んでしまったので、意外に思って医者に聞いてみた所、「最近の注射器は良いんですよ。」という答えが。その辺の事情をテルモのスタッフに確認すると、同社では外径が0.2mmしかない「ナノパス33」という注射針が在るそうで、近年は歯科医が麻酔に使用する注射針はこれに近い0.3mmの物が多く、それが故に痛みを感じなかったのではないかと。
「全ての注射針を極細タイプにすれば、痛みを感じなくて良いではないか?」という疑問は当然起こる所だが、そうも行かない事情が在る。点滴の様に大量の薬剤を注入する必要が在る場合、極細の注射針では注入に時間が何倍も掛かってしまうからだとか。「注入に時間が掛かっても構わないから、極細の注射針を使用して欲しい。痛いのは大の苦手だから。」という要望が患者から出るケースも在ろうが、これも受け容れられないケースが在る。薬液に粘りが在る場合は通りが悪いし、血液を抜く時に内側の径が小さ過ぎると、赤血球の膜い傷を付けてしまうから。「ナノパス33」は糖尿病のインスリン注射に用いられ、風邪の注射や献血の時には従来の針が使われるそうだ。因にテクモ史上最も太い注射針は外径1.6mmで、緊急に大量の点滴が必要な場合等に用いられるとか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_6.gif)
太さだけでは無く、注射針には長さも色々在る。腕に注射する際、垂直に針を刺して、針の先端を血管の中で止めるというのは神業に近く、針を斜めに刺す事で先端を血管の中に止め易くするという理由から。肉付きの良い患者も居る訳で、看護師は状況に応じて注射針の太さや長さを選択している事になる。
「痛み」に付いても触れられている。概して人は痛みに敏感で、だからこそ危険から逃れ易いという面が在る。寒さを感じ取る「冷覚」は1c㎡当たり6~23個の“センサー”が人には存在しているが、温かさを感じ取る「温覚」は0~3個、圧力を感じ取る「圧覚」は25個程度。それに対して痛みを感じ取る「痛覚」は何と約200個も在るとか。だからこそ注射針を刺されると、あれ程迄に痛みを感じるのだ。尚、注射の痕を抑える事で痛みが軽減されるが、あれは「痛みの認識が圧感覚の影響で、別の何かに変わっている。」という説が有力。
「痛くない場所」というのも在る。肘がその最たる例で、肘は普段色んな場所に当たる為、そもそも感覚が鈍いからだそうだ。逆に指先は様々な感覚のセンサーが集中しているので、他の場所より痛みを感じると。又、一般的に注射針が刺される腕の内側が、実は痛覚が少ないというのは意外な話だった。「『痛覚が少ないから選ばれたというよりも、血を止めて血管を浮き立たせ易いから。』という理由で腕の内側が最初に選ばれたのではないか。」という事だが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/flask2.gif)
その通りで、注射針を皮膚に一度刺しただけで済んだ例が殆ど無い。
首を何度か捻り乍ら血管の位置を探り、やっと注射針を刺しても「あー駄目だ・・・。」と口にする看護師。
酷い時は両腕に合計3度刺しても駄目で、ベテランの看護師が
「私が変わりますね。血管がなかなか見付からないケースも慣れてますから。」
と交代するも、
「あれ?本当に判り難いわね・・・。」
と困惑する在り様。
これ、まさしく僕ですよ。
最近太った事から、脂肪が多いから注射できないのでは、と言われる事もあるけど、痩せていた時からこうです。
血管が細いんですね。
腕で、注射できない時は手の甲で血管注射した時もありました。
一時期、体調を崩し頻繁に血管注射をしていた事があるので、僕の腕に今でもよく見ると注射痕があります。
でも、決してシャブ中ではありませんよ(笑)。
それぞれの感覚のセンサーの数って結構差があるんですね。勉強になりました
ナノパス33って確かテレビ番組の「カンブリア宮殿」にも出演されていた町工場の名物社長さんが開発した注射針でしたよね。あれいいなぁって見てました。
http://www.qurl.com/tvh9r
もちろんgiants-55さまがお書きになっているように全ての注射や点滴に用いれるわけではないのですが。
しかしそれでなくても最近の注射針は良く出来ていて、シリコンでスムーシングコーティング(すべりを良くしている)ので昔に比べたら痛みは少なくなっているそうです。
ちなみに当院では筋肉注射や局所麻酔には25ゲージ(普通は23ゲージ>数字が大きくなるほど針は細くなります)を使っています。静脈注射は21ゲージだっけ。これは大体どこでも同じかな。
痛みを少なくする注射には針の細さ意外にもコツがあって、例えば局所麻酔のときは麻酔薬を人肌に暖める、ゆっくり注射するなどあります。
ちなみに私も注射(されるの)は大嫌いです
私も痛い経験は数多くあります。
胃潰瘍持ちでして、胃から出血して4回入院しました。止血のため胃の内壁に止血剤を注射されたことがあります。
前立腺の針生検を受けたことも。歯槽膿漏で歯が痛んだことも。カッターで指を切って八針ぬった。いろいろ。
でも、一番痛かったのは、学生の時、漁労実習のおり、アイゴに刺されました。あれが一番痛かったです。
こういう記事(元記事)を読むと、「様々な分野に於いて、より良い商品の開発に励んでいる人達が居られるんだなあ。」と痛感させられます。シリコンを用いるとか、麻酔薬を人肌に温める等は、打たれる側への配慮が感じられますね。
イヤでもないです。
一瞬我慢すれば済みますので。
おそらくg-55さんとは違い
何度もやり直された記憶がないので
そこの違いなのでしょうね。
そりゃ1回に何度もされれば
嫌にもなるでしょう
記事を読んで、お察しします・・・
祖父母は病院で問題患者でした(苦笑)。具合悪いのに血管が細いから看護士が成功してくれない、何度も刺される。そら重病だわ年寄りだわ、なんだからヒステリックになりますわな。
怒りっぽかったので病院スタッフが怖々接していました。
俺もああなるだろうな…、いやだなー。
>シミケン
注射器フェチだったのか。
そういや西の御大・キース・リチャーズ(ローリングストーンズ)先生は注射がいやで最初はヘロイン等の類は経口摂取だったそうです
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%82%BA#.E3.83.89.E3.83.A9.E3.83.83.E3.82.B0.E5.95.8F.E9.A1.8C
http://abcdane.net/blog/archives/200704/keith_dasash_joke.html
↑
遺骨を食べる人というのは聞いたことあるがなあ…
血管の太さというのも、或る程度遺伝的要素が在るんでしょうかね?自分の場合、父母共に血管が細いと言われる事が多い(多かった)様で、自分も兄弟も細いとしばしば言われます。唯でさえ痛い注射、それを何度も打たれるのですから、普通の人以上に注射が苦手になるのも致し方無い事かと。Spa supernova様の御爺様&御婆様の御気持ち、良く判ります。
以前、ビートたけし氏が幼少時の思い出を語っていた際、検便の話をしていたのが笑えました。朝に便を採らなければならないのに、どうしても便が出ず、仕方無しに近所の犬の便をマッチ箱に持って行った同級生が居たそうです。そして数日後、担任が血相を変えてその同級生を呼びに来た。何でも「『人間からは通常出ない寄生虫が出た。』という事で、保健所が大騒ぎしている。」との事。呼び出されたその子は正直に事情を話し、大目玉を食らったとか(笑)。
健康診断も、こういった間抜けな話がまま在る物。自分が小学校の高学年だった頃、見るからにスケベそうな中年男子教師が居り、何故か女子の胸囲測定のコーナーに必ず座っていました。女子生徒達が何時も嫌がっていたのを思い出します。
しかも二度目は随分針でグリグリ探られたらしく、内出血しないか心配でした。
娘も採血しにくいタイプらしいのですが、5年通ってこんなに失敗したのは初めてでした。
二ヶ月に一回になったのはここ一年ほどの事で、それまでは頻繁に検査していたので、娘も慣れてしまって、下手な人を見分ける事が出来るようになったと豪語しています。
何でも「射す時に何かと言い訳じみた事を言ったり口数が多かったりする人は下手」なんだそうです (笑)。
本当かどうかはわからないのですが・・・