自分が手塚治虫氏の大ファンで在る事は、当ブログでも何度か書いて来た。彼の作品から得た知識、そして彼の作品が“導入部”となって得た知識は厖大な量で、彼の存在が無ければ今の自分は無かったと言っても良い。存命ならば、今年で傘寿を迎えた手塚氏。それを記念して早稲田大学・大隈講堂で開催された「手塚治虫ファン大会2008 in 早稲田」というイベントに、同好の士と参加した。
以前勤務していた会社の同僚が早稲田OBで、彼に連れられて何度か早稲田界隈を散策した事が在る。今から二十年近く前の話だが、その頃は未だバンカラな雰囲気の学生が僅か乍らだが居り、何とは無しに親しみを感じた物だが、昨日構内をぶらりと歩いた限りでは、今風の大学生で溢れ返っていて一抹の寂しさを感じた。
大隈講堂に足を踏み入れたのは、今回が初めて。大学入試で無謀にも早稲田を受験したものの、アッサリと“拒否”されてしまった学生時代。何ともほろ苦い思い出が在り、見学する事も無いままにこの年迄来てしまった。映像では何度も目にしている外観だが、重要文化財に指定されているだけ在って、ゴシック様式で歴史を感じさせる作り。昨年に内部を大幅改装した様だが、以前の姿がどんな風だったのか生で見れなかったのが残念。
肝心なイベントだが、豪華なゲストに魅了された。手塚氏の少し後輩という事で「ちばてつや氏(「ハリスの旋風」、「あしたのジョー」、「おれは鉄兵」等が好き。)と水野英子さん」が、そして手塚氏のアシスタントを務めていた「三浦みつる氏(「The・かぼちゃワイン」の“エルちゃん”が可愛かった。)と石坂啓さん」という、漫画好きには堪らない顔触れ。アトムの声を長年担当して来られた清水マリさんが、御元気な姿を見せていたのも嬉しかった。
以前紹介させて貰ったが、「手塚作品の中でも実写化が難しい作品」と思っていた「MW」が来年公開となるが、その一場面を見られたのも収穫。又、同様に「鉄腕アトム」をCGアニメ化した「Astro Boy」も来年公開予定で、これも一場面を見る事が出来た。手塚氏の没後20年に当たる来年に、彼の作品をモチーフとした映画が2つも公開されるのは非常に楽しみ。
イベントの最後、手塚氏の長男で在る手塚眞氏が面白い事を語っていた。「Astro Boy」の制作に当たり、香港&ロサンゼルスに拠点を持つCGアニメ・スタジオ「Imagi Animation Studios」と契約を結んだ際の逸話だが、「権利関係」の条項に目を通した彼は或る部分に驚かされたと言う。「この映画に関する権利は、○○に及ぶ物とする。」という部分で、彼は「全米及び日本」とか「全世界」という用語が書かれていると思ったのだが、何と其処には「全宇宙」と記されていたのだとか。近年のハリウッド映画では、この手の条文が珍しくないとか。スペースシャトルで人類が宇宙に飛び立っている今、「諸権利が全宇宙に及ぶ」となるのも時代の流れなのかもしれない。「ガラスの地球を救え!」と訴え続けていた手塚氏が存命だったならば、この条文に感慨を覚える事だろう。
以前勤務していた会社の同僚が早稲田OBで、彼に連れられて何度か早稲田界隈を散策した事が在る。今から二十年近く前の話だが、その頃は未だバンカラな雰囲気の学生が僅か乍らだが居り、何とは無しに親しみを感じた物だが、昨日構内をぶらりと歩いた限りでは、今風の大学生で溢れ返っていて一抹の寂しさを感じた。
大隈講堂に足を踏み入れたのは、今回が初めて。大学入試で無謀にも早稲田を受験したものの、アッサリと“拒否”されてしまった学生時代。何ともほろ苦い思い出が在り、見学する事も無いままにこの年迄来てしまった。映像では何度も目にしている外観だが、重要文化財に指定されているだけ在って、ゴシック様式で歴史を感じさせる作り。昨年に内部を大幅改装した様だが、以前の姿がどんな風だったのか生で見れなかったのが残念。
肝心なイベントだが、豪華なゲストに魅了された。手塚氏の少し後輩という事で「ちばてつや氏(「ハリスの旋風」、「あしたのジョー」、「おれは鉄兵」等が好き。)と水野英子さん」が、そして手塚氏のアシスタントを務めていた「三浦みつる氏(「The・かぼちゃワイン」の“エルちゃん”が可愛かった。)と石坂啓さん」という、漫画好きには堪らない顔触れ。アトムの声を長年担当して来られた清水マリさんが、御元気な姿を見せていたのも嬉しかった。
以前紹介させて貰ったが、「手塚作品の中でも実写化が難しい作品」と思っていた「MW」が来年公開となるが、その一場面を見られたのも収穫。又、同様に「鉄腕アトム」をCGアニメ化した「Astro Boy」も来年公開予定で、これも一場面を見る事が出来た。手塚氏の没後20年に当たる来年に、彼の作品をモチーフとした映画が2つも公開されるのは非常に楽しみ。
イベントの最後、手塚氏の長男で在る手塚眞氏が面白い事を語っていた。「Astro Boy」の制作に当たり、香港&ロサンゼルスに拠点を持つCGアニメ・スタジオ「Imagi Animation Studios」と契約を結んだ際の逸話だが、「権利関係」の条項に目を通した彼は或る部分に驚かされたと言う。「この映画に関する権利は、○○に及ぶ物とする。」という部分で、彼は「全米及び日本」とか「全世界」という用語が書かれていると思ったのだが、何と其処には「全宇宙」と記されていたのだとか。近年のハリウッド映画では、この手の条文が珍しくないとか。スペースシャトルで人類が宇宙に飛び立っている今、「諸権利が全宇宙に及ぶ」となるのも時代の流れなのかもしれない。「ガラスの地球を救え!」と訴え続けていた手塚氏が存命だったならば、この条文に感慨を覚える事だろう。
一度だけ手塚さんにお会いしたことがあります。
大阪でのSF大会のおり、私も主催者側に関わっていて、ゲストでお呼びしました。お会いして、ご挨拶をさせていただきました。
イベントに手塚さんを、お呼びすると、ギリギリまで予定が判らず、主催者はやきもきすることが多いようです。
でも、SF関係のイベントは、できるだけ出席するように心がけておられたようです。
日本では考えられない様な、馬鹿げた裁判が少なくないアメリカですが、「全宇宙に及ぶ」という表現は、その可能性がゼロで無いとは言え、何処かユーモアのセンスを感じますよね。
世界に誇れる日本文化の一つ「カラオケ」も、考案した人物は特許を取っていなかったので、全く利益を享受出来なかったとか。でも、「妙に特許を取得していたら、こんなにも世界的に普及していなかったと思うし、結果的に良かったのではないか。」と当人が笑って話していたのを見て、大人物だなあと感心しました。
そうなんですよね。手塚眞氏もチラッと話しておられたのですが、宇宙空間での上映っていうのも、最早夢物語では無い時代になりましたからね。60年以上前から、未来世界を描き続けて来た手塚氏。その中には、現実化した物も結構在ります。もし存命だったら、今の世の中をどう描くかも興味在りますね。
私はマキャヴェリの信奉者ではないですが、彼から学ぶべき点は少なくないと思います。
マキャヴェリといえば、目的の為には手段を選ばないと思われがちですが、最終的に追い詰められた場合のみで、それ以外は正論すぎる位、正論なのです。
果たして、彼が生きていたフィレンツェの状況と、我が国の状況は、同じように見えてくるのですが、、、。
(特許や著作権、版権、肖像権、人権など我が国の権利は、何時まで持つのでしょうか、、、)