「何回も遣られる訳にはいかないので、次は遣っ付けたい。」。
2位・ベイスターズとの3連戦を翌日に控えた9日、ジャイアンツの若き4番打者・岡本和真選手が口にした言葉だ。大言壮語事は無く、寧ろ寡黙なタイプの彼が、こういう強気な発言をするのは珍しい。
「何回も遣られる訳にはいかないので、次は遣っ付けたい。」とした相手は、昨夜の試合でベイスターズの先発を務めた今永昇太投手だ。今季、今永投手の対ジャイアンツ戦の成績(9月9日時点)は「2勝2敗」(防御率:3.75)と五分なれど、直近の2試合では「5回1失点」、「6回無失点」とジャイアンツが2連敗している。ジャイアンツにとって非常に苦手な投手の1人だが、岡本選手は今永投手に対し「10打数1安打5三振」と、完全に抑え込まれている。
昨季は4番打者として覚醒した感の在った岡本選手だが、今季は打撃面で苦しんでいる。良い状態が長続きせず、不調状態に入ると長く抜け出せない。「同じ様な攻めで打ち取られ、肩を落としてベンチに戻る。」という彼の姿を、今季は何度見た事か。元々感情を表に出す選手では無いけれど、「少しは『悔しい!』という気持ちを、全面に出してくれよ!」と怒りを覚えた事も。
昨夜の試合、今永投手を相手に5回迄「1安打」だけに抑え込まれていたジャイアンツ打線。岡本選手も2打席で「三振&四球」と抑え込まれ、今季は今永投手に対し「11打数1安打6三振」という事に。
そして、「1対0」とベイスターズのリードで迎えた6回表のジャイアンツの攻撃。2死1塁で打席に入った岡本選手は、大の苦手・今永投手から左中間に2ランを放ち、ジャイアンツは「1対2」と逆転。
岡本選手は8回表にも(今永投手からでは無いけれど)連続ホームランを放ち、ジャイアンツは「2対4」でベイスターズに勝利。マジック・ナンバー「9」を再点灯させたのだった。
正直、試合前は岡本選手に期待していなかった。有言実行の男に脱帽。