「我が国では此処数年、二輪車事故死の件数自体は減少傾向なれど、中高年の其れに関して言えば、増加傾向に在る。」のだそうだ。「若かりし頃に二輪車に乗っていたものの、暫く乗らない時期が在り、時間に比較的余裕が出て来た中高年になって再び乗り始めた人達が、若い頃と同じ感覚で乗った所、肉体等の衰えから操作ミスをして事故死する。」というケースが多いとか。
5年前の記事「人に見られたくない姿」で書いた様に、自分も若い頃と同じ感覚で行動し、醜態を晒してしまった事が在る。人間誰しも加齢と共に、肉体等は衰えて行くもの。其れを真正面から受け止めた上で行動しないと、思わぬ大事故を招いてしまう。
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「餅を喉に詰まらせる事故多発、全国で9人死亡」(1月2日、読売新聞)
餅を喉に詰まらせる事故が各地で相次ぎ、読売新聞の2日夕の纏めでは、1~2日に全国で少なくとも128人が救急搬送された。
此の内、東京都と千葉県の各3人と大阪府、青森県、長崎県の各1人の計9人が死亡。心肺停止も13人に上った。
東京消防庁によると、1日正午頃、東京都国分寺市の男性(84歳)が、自宅で家族と餅を食べた際、喉に詰まらせて死亡。江東区でも男性(76歳)が死亡した。
長崎県平戸市では、神社で振る舞われた善哉を食べ、餅を詰まらせた80歳代の男性が死亡した。
東京消防庁は「餅は小さく切り、乳幼児や高齢者と食べる時は、周囲が注意を払う様にして欲しい。」と呼び掛けている。
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毎年、「餅を喉に詰まらせて救急搬送され、亡くなってしまった。」というニュースを、正月に見聞する。其れも、決して少なからずの数でだ。被害者は概して、嚥下力の弱い人達。年端の行かない乳幼児は別にして、高齢の被害者の場合は、上記した「中高年の二輪車事故死」と同様に、若い頃の感覚で餅を飲み込んでしまうというのも、大きな要因ではなかろうか。
「餅は小さく切って食べる。」というのは、餅を喉に詰まらせない為の大事な対処法と思うが、“抑論”として「喉に詰まり難いレヴェルに小さくカットされた餅」を、乳幼児や高齢者向けに販売したらどうか?
若しかしたら、既にそういった物が販売されているのかもしれないけれど、そうだったら、より多くの人が其の存在を認識出来る様に、もっとアピールが必要だろう。
蒟蒻ゼリーを喉に詰まらせて窒息死した幼児の遺族が、製造元に対して「製造物責任法(PL法)に違反している。」として訴えましたが、3年前だったかに「蒟蒻ゼリー自体に危険性が在る訳では無く、問題は“食べ方”に在る。」として、遺族側の控訴を棄却しましたね。身内を亡くされた哀しみは非常に理解出来るけれど、判決としては理に適った物だったと思っています。食べ物に異物が危険な混入していたとかなら話は別ですが、「喉に詰まって窒息したから違法。」というのでは、極端に言ってしまえばどんな食べ物でも危険となってしまうので。