池上彰氏の本「第三次世界大戦 日本はこうなる」を読了。非常に刺激的なタイトルだが、此の手の本に在り勝ちな「扇情的なタイトルだけれど、中身は全く無い。」という代物では無く、非常に勉強になる内容だった。
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意外と知られていないのは、横田基地に国連軍の司令部が置かれているという事。1950年に始まった朝鮮戦争では、アメリカを中心に16ヶ国の国連軍が組織され、韓国軍を支援して戦いました。其の時の国連軍の司令部は横田基地に置かれた訳です。
朝鮮戦争は1953年に休戦協定が結ばれましたが、飽く迄休戦で在って、戦争は未だ終わっていません。ですから、横田基地には今も国連軍の司令部が在り、屋外に国連の旗が掲揚されています。司令部には国連軍に参加しているカナダ軍等の将校も出入りしています。アメリカ軍将校だけでは無いのですね。
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「外国の飛行機等が日本の領空に許可無く侵入(領空侵犯)し様とした(した)際、自衛隊が此れを阻止し様と戦闘機を緊急発進させる事を『スクランブル』と呼ぶ。」が、「2021年度の1年間で、自衛隊が最もスクランブルを掛けたのは中国機で、何と722回だった。」とか。前年度と比べると264回も増えたそうだが、「約1.97回/日」というのは異常だし、日本国民の1人として非常に腹立たしい。
此の年、自衛隊がスクランブルを掛けた約72%が中国機で、次いでロシア機が266回(約0.72回/日)と約26%を占めている。詰まり、“2つの成らず者国”だけで約98%という事だ。
因みに、此方に「自衛隊によるスクランブル件数の変遷平成」が紹介されているが、「平成21年度(2009年)には、台湾機へのスクランブルが年に25回、其の他の国の飛行機等には年に31回だった。」とか、「平成25年度(2013年)には北朝鮮機へのスクランブルが年9回だった。」等、時代によってスクランブルを掛ける相手に変化が在るのも興味深い。