*********************************
「『同姓居るから、偽名に変えろ。』拒否の新入社員退職追い込む」(7月5日、スポニチ)
名字を変えて働く事を強要され、出社を拒否した事で不本意に退職させられたとして、元新入社員の男性(22歳)=岡山県=が、サプリメント製造・販売会社「健康体力研究所」(東京)に約1,000万円の損害賠償を求めて、岡山地裁に提訴した事が4日、判った。
訴状によると、男性は昨年8月に内定。今年4月1日の新入社員説明会で突然、社内に同姓社員が居るという理由で、名字を1文字変えて勤務する様命じられ、偽名の名刺を渡された。
男性の弁護士によると、本名での勤務を希望したが受け容れられず、4月2日以降、会社を欠勤。5月14日、会社から無断欠勤を理由とした退職勧告書が届き、一方的に退職させられたとしている。
*********************************
最初、此の記事を流し読みした際、 「同じ部内に“同姓同名”の社員が居るので、偽名に変えろと命じられた。」のかと思った。「そういうケースなら、社内外で区別に混乱を来す事も在りそうだけれど、何等かの方法、例えば別の部署に配属させる等で解決出来るだろうし、偽名に変えろなんて酷い話だなあ。」と。
しかし、良く読むと、「同姓同名」では無く、「同姓」なだけという事が判った。こんなケースなら、幾らでも世の中に在る。「鈴木」や「佐藤「田中」といった非常に多い姓が同じ部内に居るのは珍しく無いし、況してや今回の場合では、「同じ部内」というのでは無く、飽く迄も「社内」という、より広い範囲での話なのだ。
どういう状況で在れ、「偽名を使え!」という命令を会社が社員に対してするなんて言語道断。「名前」とは「アイデンティティー」の最たる物で在り、其れを強引に剥奪するというのは、“パワハラ”以外の何物でも無い。
訴えられた会社、社名は「健康体力研究所」というそうだが、「社員の(メンタル面も含めた)健康」をも考慮出来ないのならば、社名を変えた方が良いだろう。
ウチの会社には何組も同姓の人がいますが、別に支障なく日々仕事に励んます。
名前は大切ですね。私の「雫石鉄也」はペンネームで、もう40年以上使っています。同じような名前の作家、雫井脩介が、デビューどころか、生まれたころから、私はこのペンネームを名乗っています。本名よりも雫石の名を知っている人のほうが多く、私自身本名よりも大切に思っています。
仰る様に、同じ会社に同姓の人間が居るケースなんて、幾らでも在りますよね。仮令同姓同名だったとしても、そんなのは「知恵」で対応出来る。
今回のケース、全く意味が判らないのは、「偽名を強要する位の体質ならば、何故、採用段階で同姓の人間を撥ねなかったのか?」という点。「同姓だから、採用しない。」というのが許されない事は当然なのですが、こんな理不尽な事を平気でする体質ならば、採用段階で撥ねる事だって平気で出来たと思うんです。
某ジャイアンツの某ナベツネの如き人間がトップで、採用して以降に「同姓は許さん!偽名を付けさせろ!」なんぞという鶴の一声が在ったのだろうか?
「雫石鉄也」というペンネーム、40年以上も使われているのですね。そうなると、実名よりも愛着を感じられるというのも判ります。