「悪銭身に付かず」と言うが、自身の経験からも、確かにそんな面は在ると思う。勿論、自分の場合は「盗んだ金銭」では無く、賭け事等、「予想もしていなかった形で懐に入った金銭」。「泡銭」とは上手く言った物で、此の手の金銭が入ると、何故だか其の後には不測の事態が起こり、結構な額の金銭を支払わなければならなくなったりする。「天の差配」とでも言うべきなのか。
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「号泣・野々村県議に新たな疑惑続々・・・家電80万円、切手大量購入も」(7月7日、zakzak)
政務活動費の不正使用問題で注目される、兵庫県の野々村竜太郎県議(47歳)=無所属=の疑惑が止まらない。家電製品約80万円分を公金で大人買いしたり、1年間で切手代として約176万円を支出したり。特急で日帰り出張した当日が、大雨により多くが運休し、事実上、不可能だった事も発覚。議会で辞職勧告が突き付けられるのは不可避の情勢となって来た。
正に、疑惑のデパートだ。政務活動費の前身の政務調査費で、2012年4月に、大阪市内の家電量販店で約80万円の家電製品を一括購入していたと報じたのは、7日付けの日刊スポーツ。会議費としてアンプ等に約14万円、広報費としてプロジェクター等に24万円。此の他、パソコン等事務費に約42万円を支出していたと言う。
使い切れない程の切手を買っている事もバレた。野々村氏は2013年度、切手代として約176万円を政務活動費から支出。領収書が添付されていたが、使い道の記載は無かったとされる。
通常、送付先が多い場合、郵便局で郵送料を一括で支払うのが一般的だけに、不自然さが際立つ。
更に西宮市の自宅からJR城崎温泉駅(兵庫県豊岡市)に日帰り出張したという昨年9月2日は、大雨により特急の多くが運休し、日帰りが極めて困難だった事が判明している。
野々村氏は、城崎温泉への往復は、常に往復1万5,340円を申請。号泣した釈明会見では、経路に付いて記憶に無いとした上で、「出張はグリーン車を使った。」と発言。昨年9月2日は、普通電車を乗り継ぐ等すれば、日帰り出来なくは無いが、釈明した内容と辻褄が合わない。
野々村氏の不可解な政務活動費に付いて、兵庫県議会の梶谷忠修議長は7日、5つ在る会派の代表者を集め、対応や政務活動費のルールを協議した。
梶谷議長は冒頭、「野々村議員は説明責任を全く果たしておらず、議員としての資質に疑問を抱かざるを得ない。」と厳しく批判。野々村氏に対しては、最大会派の自民党議員等から「辞職すべきだ。」との意見が出ており、辞職勧告が出される可能性が在る。
号泣会見後、「此の儘では、自殺に追い込まれる。」と文書で報道各社に取材自粛を申し込んでから、雲隠れを続ける野々村氏。辞職勧告其の物には法的拘束力は無いが、議員生命は風前の灯火だ。
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世界中にアホさ加減を曝け出した釈明会見から1週間経つが、「次から次へと良くもまあ、疑惑が明らかになるものだ。」と呆れ返ってしまう。物的証拠が無いので断言は出来ないけれど、諸々の状況証拠を鑑みれば、「野々村県議が実際には行ってもいない場所へ行った事にし、其の交通費を懐に入れていた。」のは確実だと思う。
上記の家電製品代や切手代の他にも、スーパーで購入した商品を政務活動費で落としており、中には「39円」なんていうみみっちい請求額も在ったとか。
号泣会見後、「此の儘では、自殺に追い込まれる。」と文書で報道各社に取材自粛を申し込んだという野々村県議。そんな状況下、自身のブログでは記事の更新及び(書き込まれた)コメントの承認作業(見事な程に全て、好意的な書き込みだけになっているのが笑える。)は確り行っているのだから、大した物だ。
「自分は鉄道に詳しく無いので。」なんぞと釈明会見で言っていたが、鉄道ファンからは「効率良く運賃が稼げる手法を選択しており、寧ろ鉄道に詳しいと思う。」という指摘も在る。相当強かな玉なのかもしれない。
昨日、「説明出来ない政務活動費は、全て返還する。辞職を念頭に置いている。」と野々村県議は口にしたとか。「此れだけ疑惑が出て来たら、最早誤魔化し切れない。」と普通の人間なら思うだろうから、年貢の納め時と覚悟したのだろう。ちまちまと不正に溜め込んだ金銭も、結局は「悪銭身に付かず」という事か。
以前から何度も指摘している事だが、「議員が不祥事を繰り返すのは、“遣り得”と思っている人間が多いから。」だと思っている。例えば「不正が明らかとなった際には、不正に得た利益の3倍を強制的に返還させ、即座に議員を辞職させる。一定期間、議員職に戻る事は許されない。」といった厳しい“法的縛り”を設ければ、相当な馬鹿で無い限り、不正に手を染め様とは思わないだろう。
不正に手を染めていたならば、野々村県議が断罪されるのは当然の事だが、彼が無所属では無く、政権与党に属していたならば、曖昧な処分で済まされそうな気もする。
記事「実に幼稚」で記したが、「公費を私的流用している議員は、相当数居る。」と思われ、疑惑が明らかとなっても、適当な処分で御茶を濁されているのが現実。6月末から今月に掛けて、数多の国会議員が、“海外視察”と称する“海外観光旅行”に出向くという話も。
今回のアホ議員も合わせて、ホント、日本の議員は、国民の為に働く事よりも、当選したら金は自由に使い放題、贅沢三昧が出来て楽しいな、て事ばっかり考えている人種なんだ、と思えてなりません。
それにしても、もっと腹が立つのは、連日号泣会見の映像を何回も繰り返し放映したり、出張したという日のアリバイ崩しだとか、くだらん事ばっかりやってるマスコミのバカさ加減です。そんな事よりもっと伝えなければならないニュースがあるだろうに。うんざりです。
そして肝心なのは、野々村議員ひとりを血まつりに上げて、不正分を弁済させたり、辞職に追い込むだけで一件落着、とさせてはいけないという事です。
今回はたまたま回数が突出していたので槍玉にあがりましたが、ではこれが月に1、2回とか、年に数回程度だったら、ニュースに取り上げられる事もなく、闇に埋もれてしまったかも知れません。多分今回の件は、まだまだ氷山の一角のような気がします。
マスコミは、今回のような異常な(というか笑える)事案だけを面白おかしく取り上げるのではなく、情報公開で入手できる情報を細かくチェックし、世間の常識から考えてちょっとでもおかしな経費の使い方があれば地道に、粘り強くチェックし、追及するくらいの姿勢が必要でしょう。監視されてる、と思わせる事が、何より不正防止につながるのは本件のみならず、あらゆる諸問題に共通する対策なのですから。
今回のKei様からの書き込み、全く同感です。中には本質を突いた報道も在りますが、多くは「野々村県議=際物」といった扱いで、面白おかしく取り上げているケースですからね。
又、野々村県議の遣り方がアホ過ぎたというのが現実として在り、他の議員は「ばれない様に、適度に私腹を肥やしている。」というのが多いのではないかとも思っています。
「何故、同じ様な問題が繰り返されるのか?」を、マスメディアだけでは無く、国民も真剣に考えないといけない。制度的な問題も然る事乍ら、最大の問題は「直ぐに忘れてしまう国民性」に在るのではないか?一時的に「問題だ!」と大騒ぎするも、時間が経てば忘れてしまうというのでは、政治“屋”にとってこんなに遣り易い国は無いでしょう。
杉村元議員の名前が挙がっていましたが、7年前に彼が「夕張再生プロジェクト」の座長就任という“パフォーマンス”を演じ、「一生涯掛けて、此の問題に取り組んで行く!」と口にしていたのを、何れだけの国民が覚えているのか?「国会議員を辞めたら、もう知りません。」という事で良いのか?少なくとも自分は、彼が此の問題に今も取り組んでいるという話は見聞していません。莫大な血税を投じ、“おちゃらけタレント”を養成しただけという事実を、我々国民は恥じなければいけないのではないでしょうか。