ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

続・長期入院に関する所感

2023年08月23日 | 其の他

実質的には初めての入院”をした事を、先月の記事「長期入院に関する所感」で記した。約2週間の入院生活では、色々思い知らされる事が少なく無かったけれど、最も痛感させられたのは健康で在る事の有難さ。入院以前より「どんなに御金が在ろうとも、健康じゃ無かったら、何の意味も無い。」といった話を人から良く聞かされて来たし、自分も理解はしていた。でも、実際に入院し、様々な制限がされ、不自由な生活を送り続けた事で、健康の有難さを骨身に沁みる程思い知らされた。何事もそうだが、実際に自身が経験しないと、本当の部分という物は判らないのだ。

入院生活では、
医療スタッフの方々にとても御世話になった。特に看護師さん達には御世話になったし、彼女達の大変さを何度も目の当たりにした。物判りが良い入院患者許りでは無く、中には“召使い”に対する様な横柄傲慢言動をする者も存在していたが、そんな連中にも笑顔で対応している看護師さん達の姿には、頭が下がる思いしか無い。

採血の時等、看護師さん達と話す機会が結構在った。個人的に一番知りたかったのは、“新型コロナウイルス感染症流行での病院状況”に付いて。2020年~2022年の3年間と比べれば、規制緩められていたが、其れでも「移動出来るのは原則入院している階、其れも自分のベッドが在る“”だけ。」だったし、「部屋への見舞いは、事前申請した2人。」等、規制は少なからず在った。

でも、看護師さん曰く、「過去3年間は、こんな物じゃ無かった。『此れ以上無理。』という位の徹底的防御策を講じていたのに、何度も院内でコロナ罹患者が発生。『どういう形で、コロナが入り込んだのか?』と、皆が頭を捻っていた。そして、クラスターが発生し、医療崩壊状態に陥りそうになった事も何度か在り、本当にしんどかった。」と。正に、“地獄の様な日々”を送られていたのだ。

話を元に戻すが、入院生活で思い知らされた事は他にも在って・・・。

普段から「出来るだけ歩く。」事を決めている自分なので、「入院中は
グルグルと、丸でになったかの様に歩き回っていた。」のだが、何しろ移動出来るのは余りにも“狭い空間”に限られていたので、必然的に“限られた入院部屋”の前を通る事になる。何百回どころか、恐らくは千回単位になったと思うが、迷惑を掛けてはいけないので、部屋の前を通る際には一層、静かに歩く事を心掛けた

自分が入院していたのは“複数人部屋”だったが、中には“個室”も存在する。個室の前を通る事も在り、中から看護師さんに手を引かれた患者と出会した事も。或る個室から出て来たのは、80代と思われる女性。顔色は良く無かったが、手を引かれ乍らも自分の足で歩いていたし、看護師さんと会話もしていた。自分が入院して、3日目の事だったと思う。

で、自分の退院が間近になった頃、記憶違いで無ければ入院して10日目の事。ナース・ステーション前の広くは無いスペース、其処は“簡単なリハビリ”が行われたり、見舞客が待機する場所となっていたのだが、普段は余り人がないのに、其の日は“見舞客と思われる集団”が立っていた。全部で9人、皆私服姿。年齢は10代位から60代位とばらばら。「今日は、何でこんなに見舞客が多いのかなあ?入院患者1人に付き、1日面会出来るのは2人迄なのに。」と不思議に思っていたら、彼等は全員、1つの入院部屋に入って行った。上記した高齢女性の個室の中へ。

「え、何で??『地獄の沙汰も金次第』って言うけれど、金持ちが入る個室も、見舞客の人数制限対象外って事か?」とやっかみつつ、普段通りに狭い空間を歩き回った。そして、何周か歩き回り、ナース・ステーションの前を通り掛かると、1人の看護師さんが小声で電話していた。院内への電話だったのだが、「〇〇号室の患者さんが亡くなられましたので、霊安室受け容れ態勢を御願いします。」と。

そう、9人がぞろぞろ入って行った個室の患者は、既に“亡くなられていた”。見舞いでは無く、亡くなったからこそ霊安室に移される前に、彼等は“御顔”を見に行かれたのだ。顔色は決して良くは無かったが、こんなにも早く亡くなられるとは思っても居なかった。「長期入院に関する所感」の中で書いたけれど、「直前迄普通に会話していた同室の男性が、突然心停止となり、心臓マッサージAEDによって蘇生した。」という状況も合わせ、世の中、特に病院では“生と死が隣り合わせ”なのだなあ。と痛感させられた。


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