ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

徳川家康役や吉田茂役等が忘れられない

2009年11月11日 | 其の他
昨夜は、2つの大きなニュースに驚かされた。1つは市橋達也容疑者が、大阪南港で逮捕されたというニュース。2007年3月、英会話学校講師のイギリス人女性リンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22歳)の遺体が発見された事件で、死体遺棄容疑で指名手配されていた市橋容疑者だが、発覚から2年7ヶ月以上経ってやっと事件究明へと進む事になる。リンゼイさんの遺体発見前に彼を職務質問をし乍らも、逃走を許してしまった警察。汚名返上に、相当力を入れて行方を追っていたと思う。何はともあれ、逮捕に到ったのは良かった。

福田和子服役囚如く、整形手術を繰り返して迄逃走していたと思われる彼。先日、名古屋で整形手術を受けた際、「市橋容疑者ではないか?」と疑った病院側の通報により、その“近影”が全国に晒されてしまった。多くの人の頭から事件の記憶が薄れかかっていたけれど、久し振りに足取りが判った事で一気に注目度が上がったのは確かで、「もう逃げ切れないだろうな。遠くない将来に、恐らく捕まるだろう。」とは予想していたけれど、これ程早く逮捕されるとは意外だった。何やかんや言われるけれど、我が国の警察は結構遣るものだ。

驚かされたもう1つのニュースは、俳優の森繁久彌氏が老衰にて96歳で亡くなられたというもの。年齢からすると大往生と言えるが、幼少時から知っている著名人が又1人鬼籍に入られたのは寂しい。

腹蔵無い自分の気持ちを書かせて貰うならば、森繁氏には複雑な思いを有している。以前の記事でも触れた様に、彼が主演した「駅前シリーズ」や「社長シリーズ」は大好きで、これ迄に何度も見返している。リスペクトする「喜劇人」の一人だったのだが、何時しか「役者」という方向へと立ち位置を変えて行った。その言動からは御笑いを軽んじる様な事も在り、御笑い大好き人間の自分としては「喜劇人としての過去を葬り去り、文化人として生きるという事か?御笑いを軽んじるというのは哀しいなあ。」と憤り&寂しさを彼には感じていた。とは言え、役者としての彼も素晴らしく、それ故に複雑な思いが在ったのだ。

複雑な思いを有し乍らも、「『ナンシー関 大ハンコ展』」や「孤独死」等、当ブログでは森繁氏に関する話を何度か過去に記している。それだけ常に気になる存在で、不謹慎なのは判っているけれど、著名人が亡くなった話を仲の良い知人とする際、「森繁は未だ元気なのにねえ。」と互いに冗談交じりで言うのが常だった。ナンシー関さんがしばしば取り上げる「森繁氏の寿命ネタ」が大好きだったのも、森繁氏に対する複雑な愛情が在ったのかもしれない。

映画やドラマ等に彼が出演すると、全体がバシッと引き締まる雰囲気が在った。上記した映画の他にも、忘れられない作品は数多い。ドラマ「白虎隊」で演じた井上丘隅役には、何度見ても泣かされたし、ドラマ「関ヶ原」や映画「小説吉田学校」での名演技振りから、徳川家康役や吉田茂役と言えば、森繁氏以外に考えられない。という思いが在る。

悔しいけれど、喜劇人としても役者としても超一流の人だった。「何でこの人が貰えて、あの人は貰えないの?」と疑問に思う事も少なくない国民栄誉賞だが、森繁氏が受賞出来なかったら、その価値は益々下がる事だろう。それ程に彼の功績は大きく、「芸能界に於ける大巨人」だったから。

奇しくも先達てNHKで森繁氏の懐かしい映像が流されていた。1985年に同局で放送された「ビッグ対談 舞台は人生 人生は舞台 杉村春子・森繁久彌」という番組の再放送で、大好きな女優の1人・杉村春子さん(文化勲章の候補に名前が挙がった際、「自分には大き過ぎる。」、「戦争中に亡くなった俳優を差し置いて、貰う事は出来ない。」と辞退した気骨も好き。)と森繁氏が演技論のみならず、人生に付いて等、様々な話を繰り広げていた45分間。傾聴に値する内容も然る事乍ら静寂な中で語る両名優の“絶妙な間”が素晴らしく、まるで一つの芝居を見ているかの様。再放送されれば、もう一度見たい番組だ。

御自身が作詞・作曲された「知床旅情」()は名曲だが、彼の歌う「ゴンドラの唄」(動画)もかなり良い。合掌

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3 コメント

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こんばんはです。^±^ノ (てくっぺ)
2009-11-11 23:14:07
先ほどまで「おじいさんの台所」を見てました。
南田さん、円楽師匠に続き、またも巨星が消えてしまいました。
でも96歳ですか。大往生ですね。
森重さんのご冥福をお祈りします。v±v
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Unknown (ハムぞー)
2009-11-12 23:54:42
さすがに大物、
号外になったのはさすがですし
(しかし某容疑者と抱合せの社も有)
死因が老衰とは、天寿を全うされた証明。
その点は特に、あやかりたいものです。

森繁先生というと思い出すのが
(芝居より何より)
「まだ若いのに」と弔辞を読む姿です。
しかしそれもここのところ
拝見してなかったですね。


森光子が「お会いできないと思うと寂しい」という発言に思わず
「****、***やん」(放送自粛)と突っ込んでしまいました。
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ハムぞー様 (giants-55)
2009-11-13 00:20:44
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

記事でも書いた様に複雑な思いは在るものの、森繁氏が素晴らしい役者の一人だったのは認めていますし、実際にその死に触れると寂しい思いは否めません。

彼の弔辞に関しては、ナンシー関さんも良くネタにしていましたね。「神は何と惨い事を為される。私よりも若い者を天に召されるとは。」といった弔辞が、「流石、森繁節!」なんて書かれていたのには苦笑。もう、あの弔辞も聞けないんですね。

“誰とは言いませんが”、文化勲章の授与が決まった際に「文化勲章を貰えるなんて、夢にも思っていませんでした。」という趣旨の発言をしていた女優が居ました。その方は「数年前から文化勲章の授与式の日をしっかり空けている。」と以前より週刊誌で報道されていたのに。くどい様ですが、“誰とは言いませんが”ハムぞー様の書き込みでふとそれを思い出しました。
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