カジノ合法化

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【刑法】

（賭博）
第１８５条　
賭博をした者は５０万円以下の罰金又は科料に処する。但し一時の娯楽に供する物を賭けたに留まる時は、この限りでない。


（常習賭博及び賭博場開帳等図利）
第１８６条１項
常習として賭博をした者は、３年以下の懲役に処する。

第１８６条２項
賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、３月以上５年以下の懲役に処する。
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一昨日、都内で「第２回カジノｉｎお台場」なるイベントが催された。我が国では刑法第１８５条及び１８６条にて賭博行為が禁じられている為にカジノの設置は認められていないが、近年「雇用創出＆経済効果による税収増を目的」としたカジノ合法化の動きが一部議員の間で活発化しており、今回の模擬体験イベント開催はカジノ合法化に向けて世論を盛り上げる意図が。自民党の観光特別委員会の下部組織「カジノ・エンターテイメント検討小委員会」の委員長を務める野田聖子議員が、このイベントに参加している姿が大きく取り上げられていた。

カジノ合法化をぶち上げる議員達は、「カジノ関連で多くの仕事が創出されるし、海外からカジノ目当ての観光客を多く出来、大幅な税収増が見込める。」と”薔薇色の計画”を口にする。しかし、それは本当なのだろうか？

我が国に於ける公営ギャンブルは、大きく分けて２つ。１つは「競馬、競輪、オートレース、競艇」という公営競技。そしてもう一つは、「宝くじ＆スポーツ振興くじ（ｔｏｔｏ）」という公営くじだ。

１９９２年に売上高８兆９，３２０億円を記録した公営競技だが、２００５年には５兆２，４４０億円迄減少。中央競馬を除く地方競馬、競輪、オートレース、競艇は全て売上が５０％以下迄落ち込んだという。嘗ては右肩上がりの売上増を記録していた中央競馬も、昨年度の売上は２兆８，２３３億円という事で、これは９年連続の減少となる。

公営くじのｔｏｔｏは売上低迷が続いている。２００５年の売上はピーク時の４分の１以下の約１４９億円迄落ち込み、これは採算ラインの４２１億円を大幅に下回る状況。２００５年度末の累積赤字額は約２２４億円と、１年間で７０億円も赤字が増大している。２００６年度の売上もほぼ横ばいで、累積赤字が更に増加するのは間違いない。そもそもｔｏｔｏの運営＆発売を行なっている独立行政法人「日本スポーツ振興センター」の上層部は、大半が文部科学省等からの天下り官僚で締められており、相変わらず高給を食んでいるというのだから腹立たしい。莫大な累積赤字は、実質的に血税で穴埋めされているというのに。此処に来てｔｏｔｏ廃止論が持ち上がっているというが、廃止されるなら廃止されるでとことん迄”甘い汁”を吸い尽くそうという厚顔無恥な輩が、この日本スポーツ振興センター内に少なからず居るのではなかろうか。

ｔｏｔｏ導入を声高に叫んでいた議員達の事を思い出し欲しい。「ｔｏｔｏの市場規模は２，０００億円近く在り、導入すれば大幅な税収増が見込める！」と、まるでカジノ公営化を叫ぶ議員達と同じ様な事を口にしていたではないか。そりゃあ政治家だって預言者では無いのだから、「１００％正確な予測をしろ。」なんて言うつもりは無い。だがそれにしたって、余りにも好い加減な導入根拠ではないか？ハコモノを作る際に打ち出される、滅茶苦茶な収益根拠と何等変わらない。

既存の公営ギャンブルが悉く低迷しているからといって、海外からの金銭が競馬等よりは見込めるカジノが同様に低迷するとは言えない迄も、「カジノを公営化すれば本当に薔薇色の未来がやって来るのか？」をきちんと理詰めで議論して行く必要は在るだろう。＊１

＊１　海外でカジノを公認している国が上手く行っているからと言って、それがイコール日本でも成功するという事には必ずしも直結しないと思う。日本には独自の文化＆風習が在り、カジノ公営化によるデメリットもしっかり検証す可きだと思う。