*********************************
「呼吸権を返せ! 大気汚染に抗議、台中・高雄でデモ」(12月27日、毎日新聞)
台湾で、大気汚染への市民の不満が募っている。台湾の中部と南部西側では、秋から冬に掛けて靄が掛かった状態になり、健康を害するレヴェルに達する日も在る。中部・台中市と南部・高雄市では、17日に汚染対策を求めるデモ行進が行われた。
「大気汚染反対」、「呼吸する権利を返せ。」。台中市のデモ行進で、参加者は対策強化を訴えた。台中市には大規模な石炭火力発電所が在り、微小粒子状物質「PM2.5」を含む大気汚染指数(AQI)で、「誰もが健康に影響が出る可能性が在る。」とされる「150超」が、11月は10ヶ所で延べ15回観測された。原因は発電所の排煙や車の排ガス、中国大陸から飛来するPM2.5等と分析されている。
台湾の頼清徳行政院長(首相)は21日に、新たな大気汚染対策を発表した。2030年迄に全ての公用車とバスを、電気自動車に移行。ガソリン燃料の新車販売を、バイクは35年、自動車は40年に禁止し、電動に切り替える。
*********************************
「呼吸権」というネーミングは実にダイレクトで、思わず笑ってしまったが、一般的に言えば「環境権」の事。中国の大気汚染が尋常ならざるレヴェルに達するのは、屡々報道されて知っているけれど、台湾も相当なレヴェルの様だ。
其処迄酷いレヴェルに達している原因に付いて「石炭火力発電所の排煙」、「車の排ガス」、そして「中国から飛来するPM2.5」等が挙げられているが、台湾での排ガス規制が甘いので無ければ、石炭火力発電所の影響が一番大きい様な気がする。
以前にも書いたけれど、自分が幼かった頃、近所の川はヘドロや投げ込まれた塵で悪臭を放ち、大気汚染も結構酷かった。此方の情報によると、「1955年~1965年の日本は、大気汚染が最も酷い状況に在り、硫黄酸化物や煤塵等による大気汚染により、視程は30~50mに迄落ち込み、自動車は日中でもライトを点けなければ運転出来ない状態で在り、硫黄酸化物による鼻を刺す様な臭いが立ち込める所も在った。」と記されている。
自分の幼少期は其処迄酷く無かったと記憶しているが、光化学スモッグ警報が良く発令されていたのは事実で、今の中国や台湾の大気汚染問題には、“嘗ての日本”を見ている様な感じがしたりも。