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のらりくらりの小泉さん(04/06/20)

 国会終了後の内閣総理大臣演説と記者とのやり取りを読みました。
演説の部分だけ見れば、もっともなことを言っているように見えていても、記者とのやり取りを読むと、こうも都合よく言えるものだと、開いた口もふさがりません。

たとえば、
「多国籍軍への自衛隊の参加は、これまでの自衛隊海外派遣の活動の枠組みを一歩踏み出し、今後、自衛隊の海外での活動が際限なく広がっていくのではないか?との国民の懸念に対してどう考えるか?」
との記者の質問に対して、
「多国籍軍全体の中で考えるが、あくまでも日本は日本のできること。日本にふさわしい支援活動を国民の理解を得られる形でしていかなければならないと。そういうことは、今もはっきりと米英とも了解を得ております」
との回答でした。
しかし、小泉さんが言うところの、
  多国籍軍全体の中で考えること と、
  あくまでも日本のできること、ふさわしい支援活動とは矛盾しないのでしょうか?

また、
「イラクに引き続き自衛隊が駐留するために、暫定政府と個別に協定を結ぶ方法もあると思うが、なぜ今回その方法ではなくて多国籍軍への参加なのか?」との記者質問に対しては、
「イラク暫定政府が国連に多国籍軍を要請しているから」との回答であり、多国籍軍への参加が必要な理由を尋ねているのに、その質問には答えていません。

また、さらに、
「人道・復興支援にできるだけ限定していくとのことだが、今も実際にイラクで活動している自衛隊は、航空自衛隊が米兵を輸送するような、安全確保支援活動もやっている。今後多国籍軍に参加すれば、より多国籍軍との連携が求められ、それは多国籍軍の指揮下には入らないと言えるのか?」との質問に対しても、
「今までも人道支援、復興支援が中心だが、中にはそれは米軍に対して機械等を支援活動する、必要な部品等、実際の生活をする面において輸送などをする場合もある。だけど、主として、日本は人道支援、復興支援活動だ。」
と言いつつ、その後続けて
「多国籍軍に参加する各国との協力関係を考えると、各国が必要な生活、あるいは活動をする場合に、どのような支援が必要かというのは、その国々との協力関係を考えながら支援をしていきたい。」
と小泉さんは答えていて、
結局、「人道支援、復興支援に限定していく」と言った自らの言葉をすぐに翻してしまっています。
言葉遊びをしているのではないのです。
のらりくらりの質問の受け流しは、私たち国民に対する姿勢ものらりくらりにしか見えません。
詳しくは【内閣総理大臣演説】
第159回通常国会終了後の小泉内閣総理大臣記者会見(H16.6.17)
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2004/06/17press.html
をご覧ください。
もっと総理大臣の言葉は重みのあるものであってほしいものです。

(1)独自の指揮命令系統を維持
(2)活動は非戦闘地域に限定
(3)活動はイラク特措法の人道支援活動に限る
(4)武力行使と一体化しない
という4原則ですが、戦場で日本だけ口約束だけで、勝手に判断できるのでしょうか?
また、国会の審議もなく、閣議だけで決まるのなら、国会の意味は何なんでしょうか?国民への説明は不要なんでしょうか?
自衛隊の海外派兵、有事法制、そのうえ多国籍軍参加、そして、教育基本法で愛国心の強調と、どんどん軍国化しています。本当に今のままでいいのでしょうか?のらりくらりではなく、ちゃんと議論して、その過程を国会で見せて欲しいと思います
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