児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

土のにおい

2021-01-23 | 物語 (電車で読める程度)
砕けた硝子細工が
雨に打たれて泣いていた

吊るされたぷーちゃんも
雨に打たれてないていた

少女が生きた世界は
小銃が当たり前で、

野晒しのまま朽ちた笑顔に
ねじ曲げられる前の優しさを思い浮かべた


【おわり】


8㎜フィルムの劣等感

2021-01-23 | 物語 (電車で読める程度)
また夢をみた
しみったれたライブハウスで
誰かの出番を待っているような
そんな時間

職場の仕事ができる先輩方が、
ひどくつまらなそうに僕の話を聞いていた

よく思い出せないけれど、

休日の過ごし方を聞かれた気がした
図書館で本を読み
少し散歩に出かけて
服は毎年同じもので
たまに珈琲を淹れて

そんなことを話したような気がした

ぱっとしない日常をまるで卑下するように話すことがどこか悔しくて
気付かれないように、あえて胸を張った。


ほらね、退屈な人でしょ

後輩に話す先輩方の目は僕をみていなかった




目覚めれば雨が降っていた。

妻がいなくなった最初の朝だった。




【おわり】