また夢をみた
しみったれたライブハウスで
誰かの出番を待っているような
そんな時間
職場の仕事ができる先輩方が、
ひどくつまらなそうに僕の話を聞いていた
よく思い出せないけれど、
休日の過ごし方を聞かれた気がした
図書館で本を読み
少し散歩に出かけて
服は毎年同じもので
たまに珈琲を淹れて
そんなことを話したような気がした
ぱっとしない日常をまるで卑下するように話すことがどこか悔しくて
気付かれないように、あえて胸を張った。
ほらね、退屈な人でしょ
後輩に話す先輩方の目は僕をみていなかった
目覚めれば雨が降っていた。
妻がいなくなった最初の朝だった。
【おわり】