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辞と詞と

2023-09-13 | 日本語文法論議23




日本語文法議論23913     
     祖先は字を知り文字に辞をとらえるがすぐにも詩句を学び詞と辞とを区別し文章を章句に学び句を編み出す。 

辞と詞と言の意味を見出し項目にする日本国語大辞典の説明に、項では事と同語源とするが、その語誌になるとその説明が少し曖昧で、一語に両義があるということではなくという、次のようである。 
> 「事」は「言」に表われたとき初めて知覚されるという古代人的発想に基づくもの。時代とともに「言」「事」の意味分化がすすみ、平安時代以降、「言」の意には「ことのは」「ことば」が多く用いられるようになる  日本国語大辞典より

古今和歌集仮名序にある、ことわざ に国学者は注目をしていた。
>世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて言ひ出いだせるなり。

辞をコトバと、それを辞賦により、詞を言による語と詞賦でとりいれて、章句を文章に学びしてきた。辞と詞を類別して言葉にとらえるようになるのはいつのころからか、万葉歌にそれを言及し、手爾葉大概抄でその意識は明確であったかと思う。姉小路式を経て和歌の秘伝となる言葉の使い方は日本語の語学書であったろうか。

一方で、時代を経て、言語四種論に、詞の類別を説いた。
>「三種ノ詞」 (体ノ詞、 作用ノ詞、 形状. ノ詞) との関連を窺えると、 朖は 「三種ノ詞」 は 「詞」、テニヲハは「声」
時代が下って、時枝学説に拠る仮説は言語過程説として鈴木朗のとらえ方を詞辞の2大別の分類をする。

これは近代以降の文法学者に見られる詞辞の分類である。


     








 
 

https://www.kyoto-up.or.jp/books/9784876982103.html
発行年月: 2012/06
「姉小路式」テニヲハ論の研究
劉 志偉
>内容
「テニヲハ」とは、助詞・助動詞・接尾語等の品詞類を指す総称であるが、漢文訓読の際に加えられた「乎古止點」に由来するとされる。しかし、後に「テニヲハ」と呼ばれるものは漢文の訓点から離れ、日本語に即して論じられていく。著者は「姉小路式」を取りあげ、日本語独自の文体に即して発達した「テニヲハ」の本質を明らかにする。
プロフィール
劉 志偉(りゅう しい)(LIU ZHIWEI)
中国杭州市生まれ
2009年3月京都大学大学院人間・環境学研究科共生文明学専攻修了。
博士(人間・環境学)。
京都大学国際交流センター、京都大学高等教育研究開発推進機構、同志社女子大学、立命館大学の非常勤講師を経て、2011年6月より首都大学東京人文科学研究科日本語教育学教室の助教を務める。
財団法人新村出記念財団第28回研究奨励賞受賞
主な著作
「「姉小路式」及びその周辺に於ける「休めの類」」(『日本語の研究』5—3(『国語学』通巻238号)、日本語学会、2009年7月)
「テニヲハ研究書と連歌論書における文法事項の交渉—「姉小路式」の記述を手掛かりに—」(『日本語の研究』6—2(『国語学』通巻241号)、日本語学会、2010年4月)
「中国語における文の中核的な述語に先行する要素の配置について」(『類型学研究』3、類型学研究会、2011年4月)
目次
序 論
第一章 「はねてにはの事」を中心として
  はじめに
  第一節 「疑ひ」の言葉と「はねてには」
  第二節 「疑ひ」の意をもたない表現と「はねてには」
  第三節 「治定」と「疑ひ」
  第四節 連歌論書における「らん」の捉え方
  まとめ
第二章 係助詞の捉え方(一)—「ぞ」「こそ」の巻
  はじめに
  第一節 「ぞ」の巻について
  第二節 「こそ」の巻について
  第三節 「ノベ」・「ツヅメ」・「ツメ」の三者の関係について
  第四節 「ぞかよ」から見る連歌論との交渉
  まとめ
第三章 係助詞の捉え方(二)—「や」の巻
  はじめに
  第一節 「や」の巻について
  第二節 単独の「や」に関する分類
  第三節 複合形の「や」に関する分類
  第四節 『大概抄』・連歌論・「姉小路式」における「や」の比較
  第五節 口合ひのや
  まとめ
第四章 係助詞の捉え方(三)—「か」「かは」の巻
  はじめに
  第一節 「か」の巻について
  第二節 「しか」の「し」は「過去のし」か
  第三節 「かは」の巻について
  第四節 「疑ひ」か「問ひ」か—「姉小路式」の「や」と「か」
  第五節 「こそ」・「ぞ」の記述と比較して—係結びの観点から
  まとめ
第五章 「姉小路式」及びその周辺に於ける「休めの類」
  はじめに
  第一節 永山の「休めの類」を中心に
  第二節 「姉小路式」の「休めの類」をめぐって
  第三節 初期のテニヲハ秘伝書における「休めの類」と伝統歌学の関係
  第四節 テニヲハ研究書における「休めの類」の流れ
  第五節 「休めの類」と「魂入れべきてには」
  むすび
第六章 「姉小路式」における修辞表現について
  はじめに
  第一節 省略に関する問題(第八巻)
  第二節 重出に関する問題(第十巻)
  第三節 相通に関する問題(第十一巻の後半とその他)
  第四節 「ことば」と「てにをは」
  まとめ
第七章 「姉小路式」における歌末への関心
  はじめに
  第一節 「しをといふてには」(第七巻)
  第二節 「ころとまり」(第十二巻)
  第三節 「にて」・「して」・「みゆ」(第十三巻)
  第四節 「かなといふてには」(第十一巻の前半)
  第五節 「留まり」と「止め」との関係
  まとめ
第八章 「姉小路式」の証歌について
  はじめに
  第一節 証歌の出典について
  第二節 和歌集別と歌人別の調査
  まとめ
第九章 テニヲハ研究書と連歌論書における語学的事項の交渉
  はじめに
  第一節 初期のテニヲハ秘伝書に先行する連歌論書について
  第二節 なぜ連歌論とテニヲハ論が影響し合うようになったのか
  第三節 個々のテニヲハの交渉(連歌論書から初期のテニヲハ研究書へ)
  第四節 『抄之抄』以降の交渉の軌跡
  第五節 連歌論とテニヲハ論が影響し合う過程の一私案
  まとめ
付録一 手耳葉口伝 懐紙作法 全
付録二 証歌の表記上のずれについて  
      




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