如才の語は女在と表記したところから発音とともに変化したようだ。
滑稽本、江戸後期の人情本とともに中本に見えるが、その前には、浮世草子に、女在なき女郎というのがある。
如才ない人だ、どんな人か。
要領がよい、たちまわりがうまい、とか、そういう意味になる。
そつなくやる、そして、うらやむように言うと、ずるがしこいとなる。
頭の回転の速さもあって、それほどに悪い意味はなかったものだが、言い回しの古さから、良い意味がとらえにくくなったのだろう。
ちょうどよろしくしていると理解すればよいのだが、そうはいかない。
グーグルを5ページ繰ってみて、それなりの解説があるものの、如才ない、ぬかりない、というふうである。
如才を如在とも書くとすると、語源用法を確かめることになる。
日本国語大辞典の項目の初めに、見える。
http://japanknowledge.com/psnl/display/?lid=2002022738738274ilT5
>(「論語‐八侑」の「祭如在、祭神如神在」による語)神・主君などが、眼前にいるかのように、つつしみかしこむこと。また、そのような態度で、ことをとり行なうこと。にょざい。
とあり、その用例は9世紀に見える。
時代が下がって、下学集には、
>*元和本下学集〔1617〕「如在 ジョサイ 此二字即尊敬之義也、然日本之俗書状云不存如在、大失正理也、論語曰、祭如在祭神如神在云々可思之也」
とあって、用法として書状に使われたようである。
項目の2になると、意味変化があらわれる。
>あるがままにすること。丁寧にしないこと。下に否定の語を伴って用いることが多い。
(1)(形動)(─する)気をつかわずにことをすること。形ばかりで、いい加減にことをすること。なおざりにすること。また、そのさま。疎略。等閑。不作法。ぞんざい。
この用法に、粗略、なおざり、不作法、ぞんざいなどが見える。、
名誤記、塵袋の用法はその使い方に、神を祭るという形式に、人の振る舞いがどう表れたか。
>*名語記〔〕六「しうと・しうとめに如在なる妻」
*塵袋〔頃〕一「人の懈怠なるをば如在なりとて、わろき事に思へり。〈略〉人の如在にてわろきと云ふは形の如くするまねをしてあるか、なきかの分なれば如在とかきて、をろかなる心をきらふ」
如在が形式ばかりのこととなっている。
この語だけを見れば、そのように使われることになったものだろうが、それを如才と表記して打消し用法になったのはどうしてか。
日本国語大辞典の意味項目は先に続いて、次の、記述説明がある。
>(2)(形動)手落ちがあること。手抜かりがあること。また、そのさま。抜かり。抜け目。欠陥。
つまり、この意義をとらえて、じょさいなし、となれば、その後系の用法である。
さらに日本国語大辞典を見ると、じょさいない、に立項があり、次のようである。
その意味変化を起こしたのは、じょさいなし、としての用法に、俗の意味合いがある。
つまりは、如在、女在となる、ジョサイなき という使い方には、形式だけのことを言いっていた。
それを尽くすこととしての如才と、軽んずるような行為の如才なき、である。
如才の語源を論語に求めるのは、文字のことであり、庶民の用法となるのは、女在ない、この表記にある。
東海道中膝栗毛の用例は、今日的な意味用法に通じ、その滑稽本、人情本での用法が、いわば期限となろう。
http://japanknowledge.com/psnl/display/?lid=20020227427aVcNwrSaf
じょさい‐な・い 【如在無・如才無】解説・用例
>
(1)人や物事に対して手抜かりがない。手落ちがない。なおざりにしない。気がきく。如才がない。
*室町殿日記〔1602頃〕六「貴方は公方家妻女は長慶がはらからの事に候へばたがひに如在なき為にかやうに申つけ候」
*寸鉄録〔1606〕「せはしく心にかけず、かんようのことに、如在(ヂョサイ)なく、心をつくすところさへちがはねば」
*評判記・色道大鏡〔1678〕四「我ために女在(ヂョサイ)なき人を、密によびたててくはしくとふべし」
*浮世草子・本朝桜陰比事〔1689〕三・七「万事のしかたに女在(ショサイ)なく自子にすこしも替る所なし」
*滑稽本・浮世床〔1813〜23〕初・下「しかし何一つ女在(ジョセヘ)ねへといふ内に万能に達して一心の足らぬ奴が多いものさ」
(2)抜け目がない。気がきいて調子がいい。愛想(あいそ)がいい。如才がない。
*浮世草子・西鶴置土産〔1693〕一・三「女在(ヂョサイ)なき女郎に 帥中間から讚を付さすはしれた事」
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕二・上「アノ小ぞうは如才のねへやつだ。〈略〉二文か三もんの餠だろふに、高くうって、しょてのそんをうめやアがった」
*人情本・春色梅児誉美〔1832〜33〕初・三齣「その本家へは彼鬼兵衛が、如才(ヂョサイ)なく機嫌をとり」
*すみだ川〔1909〕〈永井荷風〉三「世馴れた人の如才(ジョサイ)ない挨拶としか長吉には聞取れなかった」
なお、論語の原文は次である。
http://kanbun.info/keibu/rongo0312.html
論語 八佾第三 12
>
03-12 祭如在。祭神如神在。子曰。吾不與。祭如不祭。
祭まつること在いますが如ごとくす。神かみを祭まつるには神かみ在いますが如ごとくす。子し曰いわく、吾われ祭まつりに与あずからざれば、祭まつらざるが如ごとし。
祭如在 … 祖先を祭るときは、実際に祖先がそこにおられるように敬虔に祭る。
下村湖人(1884~1955)は「先師は、祖先を祭る時には、祖先をまのあたりに見るような、また、神を祭る時には、神をまのあたりに見るようなご様子で祭られた。そしていつもいわれた。私は自分みずから祭を行なわないと、祭ったという気がしない」と訳している(現代訳論語)
OKウエーブの回答
http://okwave.jp/qa/q688634.html
>如才ないは面と向かって言う言葉ではありません。何故なら気が利いて万事にぬかりなく、対人関係をそつなくこなす人を指し、半ば称賛、半ば皮肉をこめて使うからです。
「彼は如才ない男だ」とは言いますが「君は如才ないな」といわれたら「そうか?ありがとう」という気にはなりません。
人生を知り尽くした人が如才なく振舞える
ナッシーの語源帳
http://mobility-8074.at.webry.info/201508/article_7.html
>「如才ない」 は, 〈手抜かりがない〉 〈よく気が利く〉 〈人の気もちを上手に読みとることができる〉 というような意味で使われる時は,いいニュアンスのことばですが, 〈うまく立ち回る〉 〈八方美人的だ〉 というような,ちょっとマイナスのニュアンスで使われることもあります。
「じょさい」 はもともとは 「如在」 と書かれました。
「如在」 は 『論語』 の中のことばで, 〈神が目の前にいらっしゃるが如くに敬う〉 という意味でした。それが,もっと平易に,俗世間的に解釈されて, 〈あるがままに〉 〈気を遣わないで〉 〈手を加えずにそのままで〉 というような意味合いのことばになってきました。それがさらに 〈手抜かり〉 というマイナスのイメージのことばへと変わってきてしまいました。
現代では,後に否定の 「ない」 を付けた 「じょさいない」 の形でしか使われなくなりました。
如才ない:日本語はおもしろい
nihongohaomosiroi.seesaa.net › 難しい言葉
如才ない (じょさいない) 聞き覚えの有るような言葉だ。 しかし 思い出しません。 結構、年配者だったり、 テレビの中では使う。 これも、 .... 英語に興味があるか、ないか教えてください。 →(参考)日本語はおもしろい. (複数選択可能). 話せる。 話せない。 今勉強中。
クレバーってどういう意味ですか? - 「如才ない」「巧みな」「巧妙 ...
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp › ... › 言葉、語学 › 英語
2010/08/25 - 如才ない」「巧みな」「巧妙な」といった意味合いです。クレバーな選択、クレバーな動き、 ... すべてのカテゴリ 英語. 質問・相談; 知恵ノートを書く. 知恵袋トップ>; 教養と学問、サイエンス>; 言葉、語学>; 英語. 現在JavaScriptが無効になってい ...
研究社 新和英中辞典
如才がない <如才>
(1)〈あいそのよい〉 affable
〈調子のよい〉 《口語》 slick; smooth‐tongued
用例 あの家のおかみさんは愛きょう者で如才がない. The mistress of that house is overflowing with affability.
(2)〈器用に立ちまわる〉 smart; sharp; clever
〈巧妙な〉 skillful; 【形式ばった表現】 adroit
如才なく立ち回る
keep one's wits about one
play one's cards right
用例
私がいつでも出掛けられるように, (宿屋の)お内儀(かみ)は如才なく弁当の用意までしてくれていた. The proprietress of my inn had considerately even prepared a packed lunch for me, so I could go out whenever I felt like it.
日本語WordNet(英和)
如才ない
【形容詞】
1 suave, smooth, bland, politic
円滑に同意する、洗練度のある礼儀正しさ
(smoothly agreeable and courteous with a degree of sophistication)
he was too politic to quarrel with so important a personage 彼は、重要な人物との喧嘩に、あまりに賢明だった
2 debonair, suave, debonnaire, debonaire
洗練された魅力を持つさま
(having a sophisticated charm)
a debonair gentleman 華やかな紳士
滑稽本、江戸後期の人情本とともに中本に見えるが、その前には、浮世草子に、女在なき女郎というのがある。
如才ない人だ、どんな人か。
要領がよい、たちまわりがうまい、とか、そういう意味になる。
そつなくやる、そして、うらやむように言うと、ずるがしこいとなる。
頭の回転の速さもあって、それほどに悪い意味はなかったものだが、言い回しの古さから、良い意味がとらえにくくなったのだろう。
ちょうどよろしくしていると理解すればよいのだが、そうはいかない。
グーグルを5ページ繰ってみて、それなりの解説があるものの、如才ない、ぬかりない、というふうである。
如才を如在とも書くとすると、語源用法を確かめることになる。
日本国語大辞典の項目の初めに、見える。
http://japanknowledge.com/psnl/display/?lid=2002022738738274ilT5
>(「論語‐八侑」の「祭如在、祭神如神在」による語)神・主君などが、眼前にいるかのように、つつしみかしこむこと。また、そのような態度で、ことをとり行なうこと。にょざい。
とあり、その用例は9世紀に見える。
時代が下がって、下学集には、
>*元和本下学集〔1617〕「如在 ジョサイ 此二字即尊敬之義也、然日本之俗書状云不存如在、大失正理也、論語曰、祭如在祭神如神在云々可思之也」
とあって、用法として書状に使われたようである。
項目の2になると、意味変化があらわれる。
>あるがままにすること。丁寧にしないこと。下に否定の語を伴って用いることが多い。
(1)(形動)(─する)気をつかわずにことをすること。形ばかりで、いい加減にことをすること。なおざりにすること。また、そのさま。疎略。等閑。不作法。ぞんざい。
この用法に、粗略、なおざり、不作法、ぞんざいなどが見える。、
名誤記、塵袋の用法はその使い方に、神を祭るという形式に、人の振る舞いがどう表れたか。
>*名語記〔〕六「しうと・しうとめに如在なる妻」
*塵袋〔頃〕一「人の懈怠なるをば如在なりとて、わろき事に思へり。〈略〉人の如在にてわろきと云ふは形の如くするまねをしてあるか、なきかの分なれば如在とかきて、をろかなる心をきらふ」
如在が形式ばかりのこととなっている。
この語だけを見れば、そのように使われることになったものだろうが、それを如才と表記して打消し用法になったのはどうしてか。
日本国語大辞典の意味項目は先に続いて、次の、記述説明がある。
>(2)(形動)手落ちがあること。手抜かりがあること。また、そのさま。抜かり。抜け目。欠陥。
つまり、この意義をとらえて、じょさいなし、となれば、その後系の用法である。
さらに日本国語大辞典を見ると、じょさいない、に立項があり、次のようである。
その意味変化を起こしたのは、じょさいなし、としての用法に、俗の意味合いがある。
つまりは、如在、女在となる、ジョサイなき という使い方には、形式だけのことを言いっていた。
それを尽くすこととしての如才と、軽んずるような行為の如才なき、である。
如才の語源を論語に求めるのは、文字のことであり、庶民の用法となるのは、女在ない、この表記にある。
東海道中膝栗毛の用例は、今日的な意味用法に通じ、その滑稽本、人情本での用法が、いわば期限となろう。
http://japanknowledge.com/psnl/display/?lid=20020227427aVcNwrSaf
じょさい‐な・い 【如在無・如才無】解説・用例
>
(1)人や物事に対して手抜かりがない。手落ちがない。なおざりにしない。気がきく。如才がない。
*室町殿日記〔1602頃〕六「貴方は公方家妻女は長慶がはらからの事に候へばたがひに如在なき為にかやうに申つけ候」
*寸鉄録〔1606〕「せはしく心にかけず、かんようのことに、如在(ヂョサイ)なく、心をつくすところさへちがはねば」
*評判記・色道大鏡〔1678〕四「我ために女在(ヂョサイ)なき人を、密によびたててくはしくとふべし」
*浮世草子・本朝桜陰比事〔1689〕三・七「万事のしかたに女在(ショサイ)なく自子にすこしも替る所なし」
*滑稽本・浮世床〔1813〜23〕初・下「しかし何一つ女在(ジョセヘ)ねへといふ内に万能に達して一心の足らぬ奴が多いものさ」
(2)抜け目がない。気がきいて調子がいい。愛想(あいそ)がいい。如才がない。
*浮世草子・西鶴置土産〔1693〕一・三「女在(ヂョサイ)なき女郎に 帥中間から讚を付さすはしれた事」
*滑稽本・東海道中膝栗毛〔1802〜09〕二・上「アノ小ぞうは如才のねへやつだ。〈略〉二文か三もんの餠だろふに、高くうって、しょてのそんをうめやアがった」
*人情本・春色梅児誉美〔1832〜33〕初・三齣「その本家へは彼鬼兵衛が、如才(ヂョサイ)なく機嫌をとり」
*すみだ川〔1909〕〈永井荷風〉三「世馴れた人の如才(ジョサイ)ない挨拶としか長吉には聞取れなかった」
なお、論語の原文は次である。
http://kanbun.info/keibu/rongo0312.html
論語 八佾第三 12
>
03-12 祭如在。祭神如神在。子曰。吾不與。祭如不祭。
祭まつること在いますが如ごとくす。神かみを祭まつるには神かみ在いますが如ごとくす。子し曰いわく、吾われ祭まつりに与あずからざれば、祭まつらざるが如ごとし。
祭如在 … 祖先を祭るときは、実際に祖先がそこにおられるように敬虔に祭る。
下村湖人(1884~1955)は「先師は、祖先を祭る時には、祖先をまのあたりに見るような、また、神を祭る時には、神をまのあたりに見るようなご様子で祭られた。そしていつもいわれた。私は自分みずから祭を行なわないと、祭ったという気がしない」と訳している(現代訳論語)
OKウエーブの回答
http://okwave.jp/qa/q688634.html
>如才ないは面と向かって言う言葉ではありません。何故なら気が利いて万事にぬかりなく、対人関係をそつなくこなす人を指し、半ば称賛、半ば皮肉をこめて使うからです。
「彼は如才ない男だ」とは言いますが「君は如才ないな」といわれたら「そうか?ありがとう」という気にはなりません。
人生を知り尽くした人が如才なく振舞える
ナッシーの語源帳
http://mobility-8074.at.webry.info/201508/article_7.html
>「如才ない」 は, 〈手抜かりがない〉 〈よく気が利く〉 〈人の気もちを上手に読みとることができる〉 というような意味で使われる時は,いいニュアンスのことばですが, 〈うまく立ち回る〉 〈八方美人的だ〉 というような,ちょっとマイナスのニュアンスで使われることもあります。
「じょさい」 はもともとは 「如在」 と書かれました。
「如在」 は 『論語』 の中のことばで, 〈神が目の前にいらっしゃるが如くに敬う〉 という意味でした。それが,もっと平易に,俗世間的に解釈されて, 〈あるがままに〉 〈気を遣わないで〉 〈手を加えずにそのままで〉 というような意味合いのことばになってきました。それがさらに 〈手抜かり〉 というマイナスのイメージのことばへと変わってきてしまいました。
現代では,後に否定の 「ない」 を付けた 「じょさいない」 の形でしか使われなくなりました。
如才ない:日本語はおもしろい
nihongohaomosiroi.seesaa.net › 難しい言葉
如才ない (じょさいない) 聞き覚えの有るような言葉だ。 しかし 思い出しません。 結構、年配者だったり、 テレビの中では使う。 これも、 .... 英語に興味があるか、ないか教えてください。 →(参考)日本語はおもしろい. (複数選択可能). 話せる。 話せない。 今勉強中。
クレバーってどういう意味ですか? - 「如才ない」「巧みな」「巧妙 ...
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp › ... › 言葉、語学 › 英語
2010/08/25 - 如才ない」「巧みな」「巧妙な」といった意味合いです。クレバーな選択、クレバーな動き、 ... すべてのカテゴリ 英語. 質問・相談; 知恵ノートを書く. 知恵袋トップ>; 教養と学問、サイエンス>; 言葉、語学>; 英語. 現在JavaScriptが無効になってい ...
研究社 新和英中辞典
如才がない <如才>
(1)〈あいそのよい〉 affable
〈調子のよい〉 《口語》 slick; smooth‐tongued
用例 あの家のおかみさんは愛きょう者で如才がない. The mistress of that house is overflowing with affability.
(2)〈器用に立ちまわる〉 smart; sharp; clever
〈巧妙な〉 skillful; 【形式ばった表現】 adroit
如才なく立ち回る
keep one's wits about one
play one's cards right
用例
私がいつでも出掛けられるように, (宿屋の)お内儀(かみ)は如才なく弁当の用意までしてくれていた. The proprietress of my inn had considerately even prepared a packed lunch for me, so I could go out whenever I felt like it.
日本語WordNet(英和)
如才ない
【形容詞】
1 suave, smooth, bland, politic
円滑に同意する、洗練度のある礼儀正しさ
(smoothly agreeable and courteous with a degree of sophistication)
he was too politic to quarrel with so important a personage 彼は、重要な人物との喧嘩に、あまりに賢明だった
2 debonair, suave, debonnaire, debonaire
洗練された魅力を持つさま
(having a sophisticated charm)
a debonair gentleman 華やかな紳士