はからずも

中国は新型肺炎の対応に図らずも国力を露呈した。組織、体制の国の民度である。武漢の封鎖はいわば武力を背景とした政治思想によっていとも簡単に成し遂げるかのように見え、それは人民が刑罰を恐れたからに過ぎないとみられる。文明国家にして公衆衛生、医療システム、人員の配置に、常にそこにあるのは指導であり通達である。経済の勢いは見かけの中国の実力であったかと思わせるような、政治と社会と経済に見せるアンバランスである。武漢の国家非常事態に人民軍は出動していないのは民衆をまもるには、見えざる敵をまもるには銃弾は不要だからであろうが、あれだけ、人民に奉仕する精神をこの状況で威力を発揮できないのは、軍隊のボランタリーがないからに相違ない。統制を命令で成し遂げる限界が500万人民の武漢流出にはその後にも効果がない。サーズのときに見え隠れした国家的機密の情報は武漢の生鮮市場で同様に起こってしまったかと危ぶまれるのは、市場を封鎖してウイルス菌発生源を探索することすら可能でなくなったという、これまでに繰り返し現れた中国方式のやり口がある。中央政府と口にするだけで武漢市長は責任を覆った事実にはこの組織にはあり得ないことで、内外に見せた二重体制の秘密である。市長は責任を取らされることを、この事態では受け止めるが、その一方で見えざる追求は解決には何もならない。