特定秘密の保護に関する法律を読む 付けたり

条文を読んで思うところは、この法律の運用の仕方で変わることがあるかもしれないと思うことである。その変わることとは政府がかたくなに秘密を言い出すと世論が対峙して膠着してしまうことだろう。

いまこの法律に反対する意見がある。何に反対しているのかを条文を読んで考えてしまう。
反対の立場をとるなら、適正評価のために調査する権限が拡大しうることにある。
それが行政機関の長によって警察との情報のやり取りの中で調査が始まると、その権力において一般民衆に及ぶことがあり、その歯止めがなくなる内容を持っている。

特定秘密を守ることを決め、その漏洩には罰則をもってする。
そこまででよいはずだと思われるのは、この法律を作るきっかけにかかわることは何かと思う。

さかのぼれば中国漁船の尖閣諸島領海内での衝突事件があった。それは中国漁船が故意にぶつけてきたとする証拠ビデオの流出が問題となった。それが特定秘密となるかどうかはその後の議論であって、海上保安庁の職員にその流出に伴う罰則はなかったし、罪に問われることもなかった。

これは政府側の意図せざる結果であっていまとなっては結果的にその情報の漏洩は厳しく取り締まるべき対象となることが取り決められるようになったのだと思う。公務につく職員のお互いが監視しあうような法律となって、情報自体を隠ぺいするのは、それを扱う職員たちによってである。

対象となるのは、軍事防衛上の秘密である。機密とする内容となるか、それは政治、軍事防衛を政府、軍隊の枢密機関によって進めると、機密事項としてあつかわれてそれは極秘となってしまうのがこれまでのことである。この機密に対して、秘密とするのは軍事防衛にかかわる企業また産業としてそれを発注する側と受け取る側に秘密事項が指定されることにある。

米軍の基地を持つ日本のあちこちではその秘密にかかわることがあるだろう。軍事上の秘密である。その米軍との連携において日本の自衛隊がかかわればそれが軍事上の秘密となるのは想像できる。その指令を受けて扱う職員、業者は秘密を扱うことになり、それを守秘する、つまり、もらしてはいけないとの取り決めである。

ＮＳＣと呼ばれる、軍事上の作戦が展開される司令部を作ることは、日本の軍隊を同盟国並みにすることになり、そこにおいてあつかわれることがらの、秘密であることは同様に取り決められることになるのだろう。そういう事態が日本の周辺に差し迫っているということだ。どこの国も、また地域にも、戦争の準備ができてきたようなことである。

自分たちの国を自分たちが守る時代が繰り返されてやってきたのである。