1205 盛り付けの華やかな、例えば料理なら、味も濃いだろうかとあっさりした味を好むよう、ときには変えるかもしれないが、もともとの味のあっさりがそうではなくて、ひと味のそれだけのものだったら、おのずと比較するようになって、味の良しあしを言い出すことになる。それはいままでの一味しか知らなかった料理がいわば本物だとしていたような情勢で、その味付けが本物ではないのかもしれないと、ほかにも味わい深く料理を堪能することができるなら、勢い、好みに従うことになる。盛り付けの華やかなほうも、実は一味のものだったりすると、ますます、あれとこれという風に、舌が肥えて来る。 . . . 本文を読む