夏目漱石、夢十夜、1908年の7月から8月にかけて朝日新聞紙上で10回連載されたそうだ。それを、現代によみがえらせる、小説本文は現代仮名遣いの岩波文庫版に準拠ということである。
夏目漱石夏目漱石「夢十夜」:5
第五夜
何(なん)でも
神代(かみよ)に
軍(いくさ)
敗北(まけ)た
生擒(いけどり)
頃(ころ)
脊(せ)
髯(ひげ)
剣(つるぎ)
藤蔓(ふじづる)
漆(うるし)
素樸(そぼく)
真中(まんなか)
酒甕(さかがめ)
眉(まゆ)
接続(つなが)って
頃(ころ)
髪剃(かみそり)
虜(とりこ)
行(ゆ)かない
胡坐(あぐら)
藁沓(わらぐつ)
穿(は)いて
膝頭(ひざがしら)
編残(あみのこ)して
篝火(かがりび)
捕虜(とりこ)
一言(ひとこと)
抛(な)げて
剣(けん)
靡(なび)いた
楓(かえで)
掌(たなごころ)
相図(あいず)
鞘(さや)に
一目(ひとめ)
逢(あ)いたい
鶏(とり)
此処(ここ)
夜(よ)
更(ふ)ける。
度(たび)に
狼狽(うろたえ)たよ
焔(ほのお)
真黒(まっくろ)
眉(まゆ)
誰(たれ)
抛(な)げ込んで
暗闇(くらやみ)
弾(はじ)
楢(なら)
繋(つな)いで
鬣(たてがみ)
撫(な)でて
鞍(くら)
鐙(あぶみ)
裸馬(はだかうま)
太腹(ふとばら)
蹴(け)
篝(かが)
目懸(めがけ)て
蹴(けっ)て
蹄(ひづめ)
吹流(ふきなが)し
曳(ひ)いた
真闇(まっくら)な
傍(はた)
忽(たちま)ち
鶏(とり)
空様(そらざま)に
手綱(たづな)
蹄(ひづめ)
発矢(はっし)と
鶏(にわとり)
一声(ひとこえ)
緊(し)めた
緩(ゆる)めた
諸膝(もろひざ)
真向(まとも)
淵(ふち)
鶏(とり)
真似(まね)
天探女(あまのじゃく)
痕(あと)
敵(かたき)
夏目漱石夏目漱石「夢十夜」:5
第五夜
何(なん)でも
神代(かみよ)に
軍(いくさ)
敗北(まけ)た
生擒(いけどり)
頃(ころ)
脊(せ)
髯(ひげ)
剣(つるぎ)
藤蔓(ふじづる)
漆(うるし)
素樸(そぼく)
真中(まんなか)
酒甕(さかがめ)
眉(まゆ)
接続(つなが)って
頃(ころ)
髪剃(かみそり)
虜(とりこ)
行(ゆ)かない
胡坐(あぐら)
藁沓(わらぐつ)
穿(は)いて
膝頭(ひざがしら)
編残(あみのこ)して
篝火(かがりび)
捕虜(とりこ)
一言(ひとこと)
抛(な)げて
剣(けん)
靡(なび)いた
楓(かえで)
掌(たなごころ)
相図(あいず)
鞘(さや)に
一目(ひとめ)
逢(あ)いたい
鶏(とり)
此処(ここ)
夜(よ)
更(ふ)ける。
度(たび)に
狼狽(うろたえ)たよ
焔(ほのお)
真黒(まっくろ)
眉(まゆ)
誰(たれ)
抛(な)げ込んで
暗闇(くらやみ)
弾(はじ)
楢(なら)
繋(つな)いで
鬣(たてがみ)
撫(な)でて
鞍(くら)
鐙(あぶみ)
裸馬(はだかうま)
太腹(ふとばら)
蹴(け)
篝(かが)
目懸(めがけ)て
蹴(けっ)て
蹄(ひづめ)
吹流(ふきなが)し
曳(ひ)いた
真闇(まっくら)な
傍(はた)
忽(たちま)ち
鶏(とり)
空様(そらざま)に
手綱(たづな)
蹄(ひづめ)
発矢(はっし)と
鶏(にわとり)
一声(ひとこえ)
緊(し)めた
緩(ゆる)めた
諸膝(もろひざ)
真向(まとも)
淵(ふち)
鶏(とり)
真似(まね)
天探女(あまのじゃく)
痕(あと)
敵(かたき)